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介護

今回の記事ではいきなり事例を見てもらいます。どう考えても「理屈の通らない主張」をする損保会社の話です。

将来介護サービスが安くなる具体的な根拠が無いのにそれを主張する損保

①69歳の女性が不幸にも交通事故に遭い、第1級の高次脳機能障害を負うことになった。

②介護は「既に高齢の夫」と「自営業の息子」が行っていた。夫は既に高齢であり、息子は自営業で簡単に仕事は休めない状況であることを考えると、職業付添人にも介護を頼む必要がある状態。

③損保会社側は「将来の介護料」を少しでも安く算定するために「将来、介護サービスは安くなる可能性が有る。介護保険ももっともっと充実する可能性も有るだろう。だから、現代の介護費用を基準に支払う必要はない」との主張。

④しかし、裁判所はこの主張を「被害者が生存するであろうこの10年・20年の間に介護サービスの費用が低下する具体的な根拠が無い」として却下。将来の介護料「約1億1,000万円」を含め総額1億7,700万円の判決を下した。

裁判所が損保会社の主張を却下した理由は、お分かりのように「将来介護サービスが安くなる可能性の根拠が希薄」だからです。

どう考えたら「介護サービスが将来安くなる」と言えるのか?正直分かりません。

介護サービスは安くしようと思って出来るものではない

昔も今も、介護施設等で働く人材の離職率の高さが問題になっています。離職率が高い理由は「労働時間に反して賃金が安い事」が一番の理由として挙げられています。

平成25年度介護従事者処遇状況等調査結果の概況)を見ると、介護職員の平均基本給は月たったの「177,090円」です。しかも従事者の平均年齢は40.9歳となっています。これで家族を養うのはなかなか難しいでしょう。

そして、裏を返せば、現状の介護報酬で職員に支払える給与の限界が「177,090円」だと捉える事も出来ます。

介護施設の経営者が搾取しているから「介護職員の給与が安い」という話も聞かれますが、ここでその話を書くと長くなるので割愛します。

今後、世界でも類を見ない高齢者社会になるであろう日本では介護従事者の存在が不可欠です。その為には、労働に比例した給与が支払われるような環境づくりを整えていく必要が有るでしょう。

介護

しかし、それはどうやったら実現できるのでしょうか?その予算はどこから捻出したらいいのでしょうか?

既に年金や介護を含めた社会福祉関連の費用は膨大に膨れ上がっています。政府の財政も逼迫しています。税金を課すにしても、高齢者世代よりも圧倒的に人数の少ない現役世代にさらに負担させるのは難しい話です。

そう考えると「実際に介護サービスを利用している人の負担額を増やす」という選択肢が一番現実的なような気がします。つまり、将来介護サービスの費用が高くなることはあっても、安くなるという考え方はムリが有るのです。

そんなことは損保会社も重々承知だと思いますが、自分たちの利益の為に理不尽な主張をするわけですから、本当怖いです。

消費税の増税などで政府の税収が莫大に増えれば介護サービスを安くするために公的資金を投入することも可能でしょうが、それがいつになるかは分かりませんしね。

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