交通事故の損害賠償訴訟を起こすと賠償金額が小さくなる可能性有り

(この記事は約 4 分で読めます。)

法律

交通事故に遭い、家族が死亡又は重い後遺障害を負った時に、加害者(保険会社)に対して損害賠償請求裁判を起こす人もいます。

なぜなら、示談において”保険会社が採用する自賠責基準又は任意保険基準での保険金支払額”と”裁判において採用される裁判基準(弁護士基準)”での保険金支払額の差が大きいからです。

基本的に裁判基準での損害賠償金の方が大きな金額になります。

ただ、裁判に訴えることによって貰える損害賠償額が小さくなってしまう危険性が有ることも認識しておかなければなりません。

車査定

自賠責保険は被害者救済の目的が第一義

交通事故の被害者

日弁連基準・裁判基準での損害額計算方法」で見たように、確かに裁判基準と自賠責基準の保険金額には大きな差が有ります。しかし、自賠責基準には裁判基準には無い大きなメリットが有ります。

それが「重過失減額制度」と呼ばれる制度です。この制度は、被害者に重大な過失が認められない場合には、保険金の減額を一切認めないという制度です(自賠責保険の限度額内においては過失相殺が行われないという事)。

重過失減額制度が採用されている理由

①家族を失って心身ともに疲弊している遺族に余計な負担をかけずに迅速に保険金を支払う、という被害者救済の目的

②数多く発生する事故毎に過失相殺の割合を判断するのは実務上困難で有る事

重大な過失の目安は7割です。7割未満の過失であれば、自賠責基準のもとでは”被害者にどんな過失があろう”と、計算された保険金額が満額支払われます。しかし、裁判に訴えればその時点で「重過失減額制度」の適用は無くなります。

重過失減額制度と過失相殺の詳細な記事はこちら

インズウェブ自動車保険一括見積もり
Advertisement(広告)

訴訟を起こした家族に待つもの

裁判

多くの被害者は、自賠責基準と裁判基準の損害額の算定結果に大きな差異が発生することを知りません。しかし、中にはおかしいと思って弁護士に相談する人もいるようです。そこで真実を知り、訴訟を起こす人もいます。

そんな家族に待っているのは裁判にかける多大な時間と費用です。もちろん、勝訴すればある程度は報われるでしょうが、敗訴すればこれまでにかかった時間はもちろん裁判費用までも負担しなければなりません。

更に、裁判で追い打ちをかけてくるのが加害者側からの「過失相殺」の主張です。

過失相殺の主張とは簡単に言うと「被害者にも落ち度が有ったのだからその分については支払いませんよ」という主張ですね。しかも過失相殺が認められると弁護士費用を除く全ての損害額に減額率が掛けられます。

仮に、裁判基準による損害額が5千万円で被害者の過失割合が50%だとすると、結局2,500万円の損害賠償金しか支払われず、結果として自賠責基準よりも低い賠償額になる可能性もあります。

過失相殺とは?自動車事故被害者を悩ませる由々しき過失割合

こんな場合に被害者の過失割合はどうなる?

参考までに、シチュエーション別に想定される被害者の過失割合を見ておきましょう。(参考:過失相殺事例のまとめ

  • 赤信号無視(歩行者)・・・60%~80%
  • 赤信号無視(自転車)・・・50%~85%
  • 車同士の出会い頭の衝突・・・50%
  • 横断歩道以外の歩行・・・10%~30%

もちろん、現場検証や目撃者の証言を踏まえて、個別具体的な判断は加えられるのですが、原則は上記のような感じになります。

赤信号

素人目線では、歩行者が赤信号を無視していたとしても、車でひいてしまった加害者の方が悪い!と考えがちですが、赤信号無視は被害者の重大な過失と認定されます。これは、通常の示談でも同様です。

損害額が1億円でも、加害者側からの赤信号無視の過失相殺の主張が通れば80%減額で“2,000万円しか貰えない”という可能性も有りえます・・・。

Advertisement(広告)

最後に・・・

何度も言いますが、訴訟に踏み切ると”過失相殺が適用されて保険金が減る”というリスクが有ります。そのため、過失の程度や損害賠償の請求金額などを考慮して裁判をするようにして下さい。

なお、過失相殺が適用されても減少分を補填してくれる保険が有ります。それが自動車保険の「人身傷害補償保険」です。人身傷害補償保険についての詳細は下記記事を参考にして下さい。

人身傷害補償保険(特約)のメリット~これが有れば過失が有っても大丈夫!

Advertisement(広告)

専門家からのコメント

中村 傑 (Suguru Nakamura)

大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。

中村 傑(Suguru Nakamura) ブログ

保有資格:AFPMBA中古自動車販売士、等

コメント

残念ながら、交通事故により裁判にまで発展するケースは少なからずあります。また、自動車保険の弁護士費用特約は、特約のみ使用しても等級が下がりませんので、少しでも自分の意向に沿わない場合、示談交渉が難航し保険会社が弁護士に外注する場合、そもそもから複雑な事案等の場合、訴訟にまで発展します。

訴訟になった場合、私の経験上、裁判に至るまでに1年以上の時間を必要とします。裁判付近になると、一般的なケースで「和解案」が提示され、その内容で示談出来ない場合、裁判となり判決が言い渡されます。

懇意にしていた弁護士から、「和解」というものは、内容はどうあれ自分の意思を反映する事ができますが、「判決」は赤の他人が決めた事に従う事、その違いを良く考えて決める必要がある、と教えて頂いた事があります。

代理店としては、裁判に発展せず早期に示談となるのが望ましいと考えています。

Advertisement(広告)
インズウェブ自動車保険一括見積もり
車査定

【人気各社に個別見積もり】

ある程度、自身で保険会社が絞られている方は、個別に見積もりしていく事も個別の内容把握や対応が少なくなるので、オススメです。

気になる自動車保険会社だけに無料で個別見積もり!

自身の状況を反映させ、大まかな契約概要を把握する

自身である程度、保険会社が絞られている方は『個別見積もり』もオススメでしょう。

  1. 【個別見積もり】ソニー損保
  2. 【個別見積もり】セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)
  3. 【個別見積もり】楽天損保
  4. 【個別見積もり】アクサダイレクト
  5. 【個別見積もり】チューリッヒ

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

【独自分析!2023年ダイレクト型ランキング1位】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でトップに位置するソニー損保

【独自分析!名前の通り「50代以降」や「子育て世代」にお勧め】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でソニー損保と共に、トップに君臨するセゾン自動車保険(おとなの自動車保険)

【楽天経済圏の方にオススメ!楽天損保】

最大のポイントは自動車保険料の支払いで「楽天ポイント」を貯められる点でしょう。『楽天カード』での自動車保険支払いの場合、楽天ポイントが、なんと『3倍』貯まります。100円で1ポイントが貯まるので、保険料月50,000円の場合、1000ポイントが貯まります。さらに自動車保険料を楽天カードで支払った場合、プラスで500ポイント貯まるので、月1,500ポイントの楽天ポイントが獲得でき、1ポイント1円で使用可能です。

【サービスと保険料で人気「アクサダイレクト」】

インターネット割引では、ウェブサイトで見積もりをした場合、条件達成で最大2万円のインターネット割引が適用可能に!また無事故の年数が長ければ長いほどお得になる20等級継続割引では、条件の達成で「1年目」「2年目」「3年目」「4年目以降」の4区分された割引が適用されます。

またアクサダイレクトでは、必要に応じて面談担当者が自宅を訪問して説明するAXAフィールドサービスを展開。事故時に電話だけのやり取りだけでは不安な方でも、対面でやり取りをすることにより、安心して手続きを進めることが可能です。

【保険料の安さでトップクラス】

保険料の安さとサービスの内容充実度が高い「チューリッヒ自動車保険」!気になる方は一度チェック!

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

1.合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

2.合わせて読みたい!『独自分析!自動車保険ランキングを確認』

『自動車保険』を比較・分析・賢く選ぶ

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です!

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

そんな時には、【一括見積り】で、自動車保険を比較し、「自分のニーズにあった商品」を見つけたり、「ある程度保険会社を絞ること」が最も効率的でしょう。

保険料の安さがトップクラス!チューリッヒ自動車保険

愛車の価値を把握!無料一括査定

自分の愛車の「下取り価値」や「目線」も分からずに売却や交渉をすると損してしまいます!

高値で売るには、あなたの車がほしい買取店を見つける事も重要です。高い値段で車を買い取ってもらうには、今まさに「あなたの車を欲しい買取店」を見つける作業が重要なポイントの一つです。

そのためには、結果的にできるだけ多くの買取店から査定を受けることが重要でしょう

オンライン一括査定を行ってもすぐに売る必要はないため、とりあえず下取相場を把握するのが重要です。

事前にチェックしておきたい「自動車保険情報」

  1. 【専門家監修】独自分析!【2023年】自動車保険おすすめランキング
  2. 【専門家監修】煽り運転に自動車保険は適用される?おすすめ自動車保険・ドライブレコーダーの重要性について
  3. 【専門家監修】コロナ化で外出激減!自動車保険を見直す?見直さない?
  4. 【専門家監修】自動車にはどの燃料が一番おすすめ!?水素・電気・ガソリンを比較・分析!
  5. 【専門家監修】増加するウーバーイーツ配達員!知って備える!?賠償や怪我の補償
  6. 【専門家監修】楽天損保の自動車保険!口コミ・評判・サービス概要・特徴について
  7. 【専門家監修】雹や水没で被害!台風などの自然災害で自動車保険は適用される?
  8. 【専門家監修】車両料率クラスとは?2020年改定!自動車保険の型式別料率クラスの仕組み
  9. 【専門家監修】自動運転の事故の責任は誰?「自動運転」と「自動車保険」
  10. 【専門家監修】高齢者事故の原因と時間帯を考察!60代・70代以上におすすめの自動車保険
  11. 自動車盗難対策!盗難で自動車保険はいくら支払われる?自動車盗難の最新傾向と盗難対策をご紹介
  12. 【専門家監修】テレマティクス保険とは?メリット・デメリットを考える!

【Car Lounge】車情報サイト

車情報サイト「Car Lounge」

様々な車のモデル、新車情報や人気車種の情報が満載!中古車情報や車のお役立ち情報も沢山掲載されています。

気になる車や様々な情報をチェックしたい方、車情報サイト【Car Lounge】もチェックして下さい!

コメント

この記事へのコメントはありません。

コメントする