自動車保険見直しガイド
裁判

交通事故で後遺障害を負った被害者が、事故から一定期間経過した後に自殺することが有ります。この場合、被害者家族は加害者に対して死亡損害賠償の訴えを提起する事になりますが、ここで問題になってくるのが「交通事故と自殺との因果関係」です。

今回紹介する事例はコレが争点となっています。

損保側因果関係無し⇒裁判で因果関係の8割が認められた

①主婦のAさんが自転車走行中に、車と衝突。その後、第5級の高次脳機能障害との認定を受けた。

②そして、残念ながら1年2ヶ月後に自殺。

③被害者家族は事故との因果関係を主張したが、損保会社の主張は「因果関係なし⇒保険金支払額0円」

④遺族側は高次脳機能障害と自殺との関係性に関するあらゆる立証活動を行い裁判時に提出。

⑤その努力が実を結び裁判所は交通事故と自殺との因果関係を8割認定。結果として約5,900万円の損害賠償金を勝ち取りました。


後遺障害を負った被害者が事故後に自殺すれば、「交通事故と自殺」には多少なりとも因果関係は有ると判断するのが普通ですよね。

例えば、「後遺障害を負ったせいで、私は今後健常な人と同じような生活が出来ない。同じような仕事に就くことも出来ない」と言った感じで将来を悲観して自殺に走ってしまうケースも有れば、「うつ病」が発生して突発的に自殺してしまうケースも有ります。

いずれも、交通事故が無ければこういう事にはならなかったでしょうから、事故と自殺には相当程度の因果関係が有るような気がします。

しかし、損保側はほとんどのケースで「事故と自殺に因果関係なし」と主張するそうです。認めてもせいぜい3割が良いトコロ。そういう意味では「事故と自殺の因果関係の割合は8割!」との判決を下した今回の裁判例は、非常に画期的な判決だったと言われています。

この判決が出たことで、今後も発生するであろう悲しい自殺の際の遺族への金銭的補償はある程度守られるようになるのではないでしょうか。(とは言え、本当は「事故も起こさない・自殺もしない」ってのが一番良いので、金銭を貰っても慰めにしかなりませんけどね)

なお、高次脳機能障害者は自殺率が高いという客観的なデータも有るようなので、被害者側家族としても被害者を守るために「被害者の動向」に気を配って上げることも大切になってくるかと思います。そうすれば悲しい自殺も少しは減るでしょうから。

加害者にどこまで責任を負わすのかという問題も有る

交通事故で後遺障害を負って、その影響で自殺したとなると、既に後遺障害に関する示談が終わっている可能性も有ります。そのため、死亡による損害賠償金の計算は別途行われることになるでしょう。

そうなると、加害者としても再び「事故の嫌な思い出」を蘇らせなければならなくなります。好き好んで事故を起こす人はそうはいませんから、多くの人は思い出したくないでしょう。しかも賠償金の話もしなければなりませんから、加害者としても二重苦です。

でも、やはり一番悲しいのは被害者の遺族です。加害者としてはしんどくても真摯に対応していかなければならないのでしょうね。

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