自動車保険見直しガイド
バイク事故

示談をする場合、示談金の相場を知らずに示談を成立させてしまうと大きな失敗に繋がることがあります。加害者側の損保会社は、裁判になったらどれくらい支払が発生するか(つまり裁判基準での賠償金額)については熟知しています。一方の被害者側は、通常は示談金の相場や裁判基準の損害額については無知であることが多いです。

そこで問題になるのが、「損保会社にうまく丸め込まれて低額な示談金で示談を成立させられてしまう」ということです。ここでは事故例を元に、裁判基準での損害額と損保会社の提案する示談金額について見てみましょう。

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事故例と示談の成立

この事例は加茂隆康氏著「自動車保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書)
」より抜粋して紹介しています。


交差点をバイクで直進中に、右折してきた対向車に衝突した事例を以下で見てみます。

前提:医師の診断書には、「脳挫傷・肝破裂・腎挫傷・肺挫傷・無気肺・右上腕骨骨折・左大腿骨骨折・左肩挫傷」という傷病名が書かれており、後遺障害等級は12級と認定されました。

過失割合については、「被害者:加害者=15%:85%」として両者で合意が出来ていました。この点については「自動車と単車(バイク)が事故った場合の基本的な過失相殺」を見ても大きな差は無いですから妥当なラインと考えられます。

示談交渉中に、損保会社は当初の示談金額として267万円を提示してきました。相場を知らない被害者家族は、この金額から何とかもう少し上げてもらえないものかと交渉をした結果、2回目で415万円を提示してきました。そして、最終的に損保会社は500万円までならと納得し、500万円で示談が成立しました。

当初の金額から見ると倍近くになっていることで、被害者家族は納得し示談が成立しました。しかし、そもそもこの金額は相場に照らして妥当だったのでしょうか?

示談金額の妥当性

交通事故で後遺障害がある場合に、受け取ることになる損害賠償金は以下の3種類になります。

  • ①入通院慰謝料
  • ②後遺障害による慰謝料
  • ③後遺障害による逸失利益

損保会社は最終的に500万円を払うことになった時点で、損害額計算を以下の様にしていました。

内容損保会社の算定額
①入通院慰謝料1,400,000円
②後遺障害による慰謝料2,200,000円
③後遺障害による逸失利益1,290,000円
合計4,890,000円

①の入通院慰謝料について「【弁護士基準】傷害(事故)の慰謝料の計算方法」で照らし合わせて見ると、入院期間2ヶ月・通院期間7ヶ月では、慰謝料は127~234万円程度となっています。従って、損保会社の計算は低く見積もられていることになります。

また②の後遺障害による慰謝料については、「【弁護士基準】後遺障害の場合の慰謝料の計算方法」を見ると、後遺障害等級が12級の場合の慰謝料は250〜300万円程度となっています。従って、後遺障害による慰謝料についても、損保会社は損害額を低く見積もっていることになります。

この二つを足すだけで、377万円〜534万円となり、被害者家族が受け取った示談金を超える可能性があります。

最後に③の後遺障害による逸失利益について、損保会社は2,200,000円として計算をしていますが、この金額は労働能力喪失率を5%として計算された結果となっていました。後遺障害等級が12級の方の労働能力喪失率は14%として計算されることになるはずが、ここでは14級と同じ喪失割合が使われていた事になります。

試算をすると、凡そ800万円〜1,000万円程度の逸失利益が計算されてもおかしく有りません。

結果としてこの事例は、裁判をすると凡そ1,000万円〜1,500万円程度(15%の過失相殺後)の損害賠償金が支払われてもおかしくなかったことになります。裁判になると1,000万円程度支払わなければならなかった損保会社は、無知な被害者側をうまく丸め込むことで半額程度の支払で済んだ、ということですね。

被害者側が示談をすることは、人生でもそうそう無い事です。不安がある場合はすぐに弁護士に相談し、大変だと思いますが家族の無念、自分の無念を晴らすためにも自分でも勉強すべきでしょう。

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