【専門家監修】自動車保険の等級が下がる条件と保険料の変化

(この記事は約 6 分で読めます。)

自動車保険には様々な料金割引制度があって、その中の一つに「等級」というのがありますよね。

等級は1~20等級まであって、新規加入時は6等級からスタートします。

そして、何事もなく1年経つと1等級/年で等級が上がっていき、数値が大きくなるにつれて保険料の割引率が大きくなっていくというわけですね。

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自動車保険の等級が下がる条件

「等級を下げないためには無事故無違反でなければならない」と考えている人がいますが、実はこれ、半分正解で半分間違いなのです。

任意保険をかけた状態で無事故無違反を1年間維持した場合、等級は一つ上がって保険料がやすくなります。

もちろん無事故無違反の人の等級が下がるなんてことはありません

ところが、もし道路交通法を違反したとしても等級が下がる事はありません。例えば、速度制限のある道路でスピードを出しすぎて「オービスを光らせて罰金を払うことになってしまった」としても、翌年以降それが原因で自動車保険の等級が下がる事はありません。

そして、もしも事故を起こしてしまった場合でも等級が下がらない場合もあります。仮に、他の車両と接触事故を起こしてしまって警察沙汰になったとしても、等級は下がりません。

等級が下がる条件は、事故などに遭遇した後に保険を使って保険金を受け取った場合にのみ下がります

自動車保険の等級というのは、法的なこととは全く関係がなく、保険を使ったか否かで変化するということですね。つまり、ちょっとした接触事故で損害が小さい場合など、保険を使わずに自費で修理費用を支払った方が結果的に出費を抑える事が出来ることもあるわけです。

保険を使わない方が良い場合は?

上記でも述べましたが、事故などを起こしても保険を支払った方が総合的に見て支出を抑える事が出来る場合もあります。

もしも、20等級の人が事故を起こして保険を使い、3等級下がった場合、元の20等級に戻るまで3年間は等級が下がった状態の保険料を払い続けなければなりません。

「(等級下降で上がった保険料」-(保険を使わなかった場合の保険料)=差額分」となります。

つまり、その差額分よりも(修理費用等)事故で支払わなければならなくなった金額が小さい場合は、保険を使わずに自費で負担した方が結果的に支出を抑える事ができるというわけですね。

例えばソニー損保で例えると・・・

  • 年間保険料10万円
  • 20等級
  • 等級ダウン3

この条件で、保険使用時と未使用時の保険料を比較すると、結構な違いが出てくるので、参考にしてみて下さい。

保険を使った場合の翌年以降の保険料

  • 翌年  :168,000円(17等級)
  • 2年後:162,000円(18等級)
  • 3年後:157,000円(19等級)
  • 4年後:100,000円(20等級)

保険を使わなかった場合の保険料は毎年10万円なので、4年で「400,000円」ですが、保険を使って3等級下がった場合は、4年で「587,000円」となってしまいます。

差額にすると187,000円も保険料が高くなってしまうわけですね。

つまり、この場合は「(修理費用)+(賠償金)」が187000円以下の場合は、保険を使わない方が良いという事になります。

ここでは20等級で保険料10万円という優良ドライバーを例にしていますが、等級がもっと低い場合や、年間保険料がもっと高い場合に保険を使った場合は、さらに保険料が高くなります。

等級が下がる幅

自動車保険を使うと等級が下がるわけですが、下がり幅は「3等級」「1等級」「下がらない」の3種類しかありません。

基本的に交通事故で保険を使った場合は「3等級ダウン」となります。

これは対人であっても対物であっても同じで、「他車との接触事後」「歩行者との接触事故」「電柱やガードレールなどの静止物との接触事故」などで、保険を使った場合は全て3等級下がることになります。

自身に非がなく、車両保険を使う場合は「1等級ダウン」となります。

例えば、「落書きなどのいたずら」「自然災害による水没」「盗難」などです。

自分が車を運転していない状態で受けた車両の損傷などが原因で、車両保険を使う場合は1等級ダウンと覚えておくと良いでしょう。

保険を使用しても等級が維持される事故というケースもあります。

かなり特殊なパターンですが、保険会社の様々な特約などで、保険金を受け取っても維持されるケースもあります。

ノーカウント扱いとなるので、その他に保険を使う機会が無ければ、翌年1つ等級が上がります。

例えば、ロードサービスに加入している場合、それを使っても等級は下がりません。レッカー車の依頼や、タイヤのパンク、そして鍵を車内に閉じ込めてしまった場合など、そういったケースで保険会社に頼っても、等級はダウンしません。

原因が判断しにくい場合は?

「自身に非がなく、運転していない状態で受けた車両の損傷は1等級ダウン」と前述しましたが、例外もあるので注意が必要です。

例えば、駐車場で当て逃げされた場合や、車のボディにつけられた傷などは3等級ダウンとなってしまう場合もあります。

「駐車中にぶつけられた傷なんて落書きとかのいたずらと同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、第三者の目から見て、走行中の接触が原因なのか人為的な物なのかが、判断しづらい状況の場合は、3等級ダウンと判断されてしまうこともあるということです。

しかし、ボディについた傷でも、明らかに人為的ないたずらによるものだと分かる場合は、1等級ダウンとなります。

例えば、ギザギザに傷を付けられていた場合など、接触事故ではこんな傷のつき方はしない!と一目でわかる場合は、1等級ダウンで済む場合もあります。

かなり理不尽に感じますが、すべては保険会社の事故調査をする人の判断に委ねられているというわけですね。

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自動車保険の保険料が高くなるタイミング

事故等で保険を使って等級が下がってしまった場合でも、翌月からすぐに保険料が高くなるという事はありません。

等級ダウンによる保険料の変化は、次回更新日から適用されることになります。

つまり、更新日直前に保険を使った場合は、更新日をまたいだ翌月から保険料が上がりますが、更新日直後に保険を使った場合、その後1年間は保険料が上がる事はないということですね。

そして、事故を起こしてしまったからと言って、満期で他の保険会社に移ったとしても、事故歴は損保会社間で共有されているので、等級が下がるのを食い止める事はできません。逆に、保険会社を移ったとしても、移籍が原因で積み上げた等級が下がるという事もないのでご安心ください。

等級がそのままでも料金が上がる場合

速度違反など、「道路交通法違反で罰則を受けた場合や、事故を起こしても保険を使わなければ、等級が下がる事はない」と前述しましたが、事故や違反で等級が下がっていなくても保険料が高くなるケースがあります。

そのケースとは、ゴールド免許を取得している場合です。

保険会社には様々な割引があって、その一つにゴールド免許を取得している優良ドライバーには保険料が割引されます。

違反などで免許が通常の色に変わってしまうと、その割引を受ける事ができなくなります。

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何かあった場合はとりあえず連絡する!

任意保険に入っている車両に何かあった場合は、とりあえず保険会社に連絡することをおすすめします。

「等級が下がって保険料が上がるのが嫌だ」という人でも、とりあえず保険会社に連絡して相談してみましょう。

保険会社に連絡したからと言って、「絶対に保険を使わなければいけない」なんてことはありませんし、そこから保険を使うか否かは自身が判断するところです。なので「保険を使うと等級はどうなるのか」「保険料はどのくらいあがるのか」「どのくらいの保険金がおりるのか」など、一度相談してから決めるとよいでしょう。

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ファイナンシャル・プランナー(FP)からのコメント

菊地 季美子(Kimiko Kikuchi)

菊池 季美子 (Kimiko Kikuchi)  「 MoneQ 」

生命保険会社2社に合計8年の在籍後、損害保険へ転向。3年の営業店事務経験ののち損害保険代理店に転職、自動車保険・火災保険の設計を担当し、相談件数は在籍3年で800件を超える。現在はフリーランスでFP資格試験の講師、セミナー、執筆活動を行っている。

<保有資格> FP技能士3級・2級日本FP協会認定AFPトータルライフコンサルタント損害保険プランナー

監修者一覧・詳細はこちらから

「コメント」

ロードサービスによる車両搬送のほか、使っても等級に影響がない補償・特約は下記のものが挙げられます。

  • レンタカー費用特約
  • 人身傷害保険
  • 搭乗者傷害特約
  • 弁護士費用特約
  • 法律相談費用特約
  • ファミリーバイク特約
  • 個人賠償責任補償特約

上記に加えて、車対車のもらい事故はノーカウント事故として扱われる「車両保険無過失事故特約」もあります。

車両保険無過失事故特約とは、事故の相手方が車で、相手の過失割合が100%のもらい事故に遭い、自車の修理に車両保険を使った場合、ノーカウント事故となり等級がダウンしない特約です。

なお2012年までは、保険を使っても等級がダウンしない「等級プロテクト特約」がありましたが、現在は改正のため廃止されており、取り扱っている保険会社はありません。

事故に遭ったり起こしたりしたとき、対人・対物賠償は保険で対応すべきものですが、車両保険に関しては記事の通り、必ずしも保険を使う必要があるとは限りません。

代理店や保険会社では、保険を使って等級が下がった場合の更新後3年間分の保険料を試算してもらえるので、修理費用の見積もりと比較して判断しましょう。

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