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危険運転

危険運転

2014年に従来の危険運転致死傷罪に加え、新たな危険運転致死傷罪を規定した「自動車運転死傷行為処罰法」が施行されました。これにより、危険運転致死傷罪の適用範囲が従来よりも広くなりました。

安全運転をしていれば問題は無いかと思いますが、運転免許を保持している者として最低限の知識は身に付けておきたいところです。

そこで、今回は危険運転致死傷罪について紹介していきたいと思います。

2014年施行の自動車運転死傷行為処罰法に独立規定

危険運転致死傷罪は刑法に規定されていましたが、2014年に施行された「自動車運転死傷行為処罰法」に刑法から独立して規定される事になりました。

自動車運転死傷行為処罰法とは?施行の経緯など紹介!

独立規定された理由は、悪質な事故に対して「危険運転致死傷罪」を適用する事が困難な場合が有ったためです。しかし、新法においても「危険運転致死傷罪」の適用が困難なケースも有り、裁判で罪状に関して争われるケースが後を絶ちません。

小樽の飲酒ひき逃げ事故

小樽の飲酒ひき逃げによって4人を死傷させた事故についても、危険運転致死傷罪の適用に関して争われました。弁護側の主張は「事故原因は脇見運転によるもので、危険運転には当たらない」という内容でした。

札幌地裁の判決は「脇見運転は飲酒の影響によるもの」と判断し、危険運転致死傷罪が適用され懲役22年とされました。

危険運転致死傷罪の内容と罰則

新たな法律における危険運転致死傷罪は、従来の刑法に規定されていた内容に加え、適用範囲を広げた内容も規定されています。また、罰則に関しては「負傷させた場合に懲役15年以下、死亡させた場合には有期懲役1年以上(最高20年)」と「負傷させた場合に懲役12年以下、死亡させた場合に懲役15年以下」の二つが規定されています。

複数の罪を犯した場合の罰則は、最高30年とされています。

■負傷させた場合に懲役15年以下、死亡させた場合には有期懲役1年以上(最高20年)の危険運転致死傷罪の内容

  • 酩酊・薬物運転
  • 制御困難運転
  • 未熟運転
  • 妨害運転
  • 信号無視運転
  • 【新設】通行禁止道路運転

■負傷させた場合に懲役12年以下、死亡させた場合に懲役15年以下の危険運転致死傷罪の内容

  • 【新設】準酩酊・準薬物運転
  • 【新設】病気運転

酩酊・薬物運転と準酩酊・準薬物運転の違い

「酩酊・薬物運転」も「準酩酊・準薬物運転」もアルコール又は薬物の影響が有る状態で自動車等を運転する事については共通しています。では、両者の何が違うのか?という事ですが、これは運転者がアルコール又は薬物の影響をどれだけ受けているのか、という点で異なります。

自動車運転死傷行為処罰法には、以下のように規定されています(抜粋)。

■酩酊・薬物運転(自動車運転死傷行為処罰法第二条一号)

アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態

■準酩酊・準薬物運転(自動車運転死傷行為処罰法第三条1項)

アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態

「正常な運転が困難な状態」とまではいかなくても、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態での運転を準酩酊・準薬物運転としています。つまり、アルコール又は薬物の影響が軽度な場合でも危険運転致死傷罪が成立する事になります。

しかし、いずれにしても具体的にどういった状態なのかが良く分からない表現となっているので、新法においても曖昧なままとなっています。

そのため、両者の選択、また適用するかどうかに関しては、個別に判断される事になるかと思います。

制御困難運転

制御困難運転とは、自動車の操作が困難となる高速度で運転する事を言います。

これは、単に法定速度に対してどれくらい速度超過していたか、という事だけでは有りません。路面の状態や道路の混雑具合、積荷の積載量などを考慮して、自動車の操作が困難な速度を出していたかどうかで判断されます。

例えば、路面が凍結している状況で時速30km超過で走行し、結果スリップして歩行者を死傷させた場合には、制御困難運転として危険運転致死傷罪に問われる可能性が有ります。

当然、法定速度40kmの道を時速120kmで走行し人身事故を起こせば、危険運転致死傷罪に問われる可能性が有る事は言うまでも有りません。ただし、どれだけの速度が高速度に該当するのかは、個別に判断される事になります。

判例紹介

時速50kmの道路を速度90kmで走行し、カーブの際にハンドル操作出来なくなり歩行者を負傷させた事故において、当カーブの限界旋回速度を超過した速度ではないがほぼそれに近い高速度であった事などから、制御困難運転と認められた例(平成22年東京高等裁判所)

未熟運転

未熟運転とは、通常の運転技能を有さない者の運転とされています。基本的には「無免許運転」の場合となりますが、無免許運転を無事故で継続して行っていた場合には運転技能が有ると判断される場合が有ります(例:京都府亀岡市の事故)。

また、免許停止や免許取消を受けている者が起こした事故は、未熟運転には該当しません。逆に、長期間ペーパードライバーだった者の場合は、未熟運転に該当する可能性が有ります。

妨害運転

妨害運転とは、故意に人や車両の通行を妨害し、かつ危険を生じさせる速度での運転を言います。具体的には、煽り運転や幅寄せ、強引な進路変更などが該当します。

速度に関しては、高速度に限らず、低速の場合であっても危険を生じさせると判断される事が有ります(以下の「信号無視運転」と「通行禁止道路運転」の速度に関しても同様に考えます)。

信号無視運転

信号無視運転とは、あからさまに信号を無視し、かつ危険を生じさせる速度での運転を言います。故意による信号無視が「信号無視運転」の条件となるので、見落としなど過失の場合は該当しません。また、信号が移り変わる時(黄色から赤色)に交差点に進入したり、交差道路ともに赤色で交差点に進入した場合も該当しません。

通行禁止道路運転

通行禁止道路運転とは、自動車の通行が道路標識等で禁止されている道路を通行し、かつ危険を生じさせる速度での運転を言います。故意で有る事が条件なので、道路標識を見落とした場合などは該当しません。

自動車の通行が禁止されている道路とは、通行止めの道路や自転車専用道路、歩行者専用道路などです。また、一本通行の逆走や高速道路・一般道の逆走も含まれます。

病気運転

病気運転とは、自動車運転死傷行為処罰法施行令第3条に規定される病気の影響によって、正常な運転に支障を生じさせるおそれが有る状態で運転する事を言います。

施行令で定められている病気は以下の通りです。

  • 統合失調症
  • てんかん
  • 再発性の失神
  • 低血糖症
  • そう鬱病
  • 睡眠障害

なお、上記の病気は免許停止又は取消の対象疾患にも該当します。

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