損害賠償の請求権は誰のもの?慰謝料は固有の取り決め有り

(この記事は約 4 分で読めます。)

交通事故の損害賠償を考える出発点は「損害賠償請求権者は誰なのか?」という事です。

被害者本人が請求権者になるのは当然なのですが、被害者が子供の場合や死亡した時に話は複雑になってきます。

そのためわかりやすくケース別に損害賠償請求権者について説明していきたいと思います。

広告
車査定

傷害事故の時の損害賠償請求権者

傷害事故の時は損害賠償請求権者は被害者本人になります。

ですが先程も話したように被害者が子供であった場合に子供が示談交渉の全てをやるのかというとそうではありません。

被害者が未成年の時の賠償金請求権者

この場合には両親が請求権者になります。

両親が親権共同行使の原則(民法818条3項)によ賠償金を請求し、示談書に父母両方の名を記載する事が正式な方法となります。

しかし、父の名前のみを記載して示談書を作成するケースが多いようです。

こういった示談書も母の権利を父に委任していると考え有効になるようです。

ですが、正式な方法ではないので時々トラブルになることがあります。

それは両親が別居をしているなど両親間に問題がある場合です。

こういった場合に父方の名前だけで示談書を作成し示談が済んだと思っても母から賠償金をさらに請求されるようなトラブルが発生する事があります。

そのため加害者としては両親の名前で示談書を作成するようにしたほうがいいでしょう。

被害者が未成年で両親がいない時

この場合には両親が亡くなった時に家庭裁判所にて後見人が選任されていると思いますので、その後見人の人が損害賠償請求権者になります。

また交通事故によって両親が死亡し、子供だけ生残った場合には、家庭裁判所にて後見人を選任して損害賠償請求をすることになるでしょう。

後見人になる人は残された子供の親代わりになる人ですから、親族(祖父母や叔父叔母)が一般的に選任される事になると思われます。

また両親が死んだ損害賠償請求に関しては以下の「死亡事故の場合」を参考にしてください。

インズウェブ自動車保険一括見積もり

死亡事故の時の損害賠償請求権者

死亡事故の場合には被害者の相続人が損害賠償請求権者となり、相続人が複数いる場合には遺言の有無に関らず「法定相続分(民法900条)」に応じて請求権を持つことになります。

■法定相続分の内容

  • 第一順位-配偶者とその子供(養子を含む)が2分の1ずつ(子供が複数いる場合には子供の分を等分)なお、配偶者がいない時は子供が全額
  • 第二順位-子がいない場合には、配偶者が3分の2 親が3分の1 親が2人いたら等分 配偶者がいない場合は親が全額
  • 第三順位-子も親もいない場合には、配偶者が4分の3 兄弟姉妹がが4分の1、複数いれば等分。配偶者がいない時は兄弟姉妹が全額

※配偶者のみの場合は配偶者が全額

具体的な数字を用いて法定相続分について見ていきましょう。

請求権者の具体例

■損害賠償額が6,000万円だった場合

まず、配偶者と子供がいれば、配偶者が3,000万円、子供が3,000万円です。

また子供が3人いれば子供の分3,000万円を3等分し、子供1人に対して1,000万円ずつとなります。

次に子供がいない場合には、配偶者が4,000万円、親が2,000万円です。

親が2人いれば2,000万円を等分し、1,000万円ずつとなります。

そして、子も親もいない場合には、配偶者が4,500万円、兄弟姉妹が1,500万円です。

兄弟姉妹が5人いれば1,500万円を5等分し300万円ずつとなります。

最後に配偶者のみの場合には6,000万円全額が配偶者です。

また事故以前に子や兄弟姉妹が死んでしまっている場合には、その子供が代襲相続人としての権利を得ます。

これは交通事故というよりは相続の話になってきますので、簡単に説明させてもらいます。

代襲相続

民法第887条2項で代襲相続が規定されていて、事故以前に兄弟姉妹や子が死亡してしまっている場合や、相続欠格事由(被相続人や相続人の生命の侵害、遺言への不当干渉等)に該当した場合に相続人の子(被相続人から見れば孫)が相続人(代襲者)になります。

さらに、代襲者が死亡している場合には代襲者の子(被相続人から見れば曾孫)が相続人となります。

これを再代襲相続(民法第887条3項)と言います。

再代襲相続には兄弟姉妹の孫は認められません。

相続できる額は本来の相続人が相続する金額となり、また代襲者が複数いる場合には法定相続と同様にその数で等分する事になります。

配偶者がいて子がいる場合には、親には賠償請求権が無いという事になります。

実の子が交通事故で死んだのに何も請求できないなんてひどい話ですよね。

そこで民法711条では、相続人としての請求権とは別の親族固有の慰謝料請求権を認めています。

この民法711条は死亡時だけではなく、重度の後遺障害を負った場合にも被害者本人とは別の慰謝料請求権を認めています。

 

合わせて読みたい

民法711条に基づく請求権と家族の関係

 

広告

物損事故の時の損害賠償請求権者

物損事故の場合には、損壊された者の所有者が損害賠償請求権者となります。

所有者だけに限らず、借り主も請求する事ができる場合があります。

例えば、露店を借りて路上でベビーカステラを販売している際に車両が突っ込んできて露店が損壊したような場合には、露店を貸してしる所有者は損害賠償請求権があり、また借り主である露店主も怪我による営業する事ができなくなった休業補償や露店の備品などの損害に関して損害賠償をする権利があります。

参考「物損事故の損害賠償請求項目のまとめ

広告

まとめ

このように損害賠償請求権者は家族構成によって変化しますので、誰が請求できるのかを確認することが示談交渉の一歩目となります。

賠償金請求権者がわかれば次は誰に支払いを求めるかを考える事になりますが、それについてはこちらの記事で説明していますので参考にしてください。

 

合わせて読みたい

損害賠償は誰に請求出来る?ケース別のまとめ。

 

広告
インズウェブ自動車保険一括見積もり
車査定

自分の自動車保険を把握!『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ

合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です!

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

そんな時には、【一括見積り】で、自動車保険を比較し、「自分のニーズにあった商品」を見つけたり、「ある程度保険会社を絞ること」が最も効率的でしょう。

【無料で個別見積もり】気になる自動車保険会社に『無料で個別に見積もり』

ある程度、自身で保険会社が絞られている方は、個別に見積もりしていく事も個別の内容把握や対応が少なくなるので、オススメです。

気になる自動車保険会社だけに無料で個別見積もり!

自身の状況を反映させ、大まかな契約概要を把握する

まずは確認!『独自分析!自動車保険ランキングを確認』

自身である程度、保険会社が絞られている方は『個別見積もり』もオススメでしょう。

【個別見積もり】ソニー損保

【個別見積もり】セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)

【個別見積もり】楽天損保

【個別見積もり】アクサダイレクト

まだ自身のニーズやカバーしたいリスク、年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を絞ることが重要です。無料なので、一度試してみましょう。

合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

ある程度、自動車保険会社が絞れていて、個別見積もりを検討している方は、参考情報を見ながら見積もりを実施してみましょう。

【独自分析!2023年ダイレクト型ランキング1位】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でもトップを走っているソニー損保

【独自分析!2023年自動車保険の総合満足度ランキングでトップに君臨】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でソニー損保と共に、トップに君臨するセゾン自動車保険(おとなの自動車保険)

【楽天経済圏の方にオススメ!楽天損保】

最大のポイントは自動車保険料の支払いで「楽天ポイント」を貯められる点でしょう。『楽天カード』での自動車保険支払いの場合、楽天ポイントが、なんと『3倍』貯まります。100円で最大2ポイントが貯まるので、保険料月50,000円の場合、1000ポイントが貯まります。さらに自動車保険料を楽天カードで支払った場合、プラスで500ポイント貯まるので、月1,500ポイントの楽天ポイントが獲得でき、1ポイント1円で使用可能です。

【サービスと保険料で人気「アクサダイレクト」】

インターネット割引では、ウェブサイトで見積もりをした場合、条件達成で最大2万円のインターネット割引が適用可能に!また無事故の年数が長ければ長いほどお得になる20等級継続割引では、条件達成で「1年目」「2年目」「3年目」「4年目以降」の4区分された割引が適用されます。

またアクサダイレクトでは、必要に応じて面談担当者が自宅を訪問して説明するAXAフィールドサービスを展開。事故時に電話だけのやり取りだけでは不安な方でも、対面でやり取りをすることにより、安心して手続きを進めることが可能です。

まだ自身のニーズやカバーしたいリスク、年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を絞ることが重要です。無料で見積もり出来るので、一度試してみましょう。

合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

【車買取一括査定】提携300社以上から最大10社を選択し、まずは下取り価格の目線や売却目線を把握!無料で手間なく一括査定

【車の一括査定の豆知識】

様々なところに車の査定をしても、毎回同じような点を入力したり、問い合わせるだけで結構な手間がかかるのは事実です。

懇意にしている会社があれば、そこを使用するのも良いでしょう!

自分の愛車の「下取り価値」や「目線」も分からずに売却や交渉をすると損してしまいます!

高値で売るには、あなたの車がほしい買取店を見つける事も重要です。高い値段で車を買い取ってもらうには、今まさに「あなたの車を欲しい買取店」を見つける作業が重要なポイントの一つです。

そのためには、結果的にできるだけ多くの買取店から査定を受けることが重要でしょう

ただ一社一社、車買取店を自分で回ろうとすると、その作業は手間と時間がかかり過ぎて、大変です。

その為、オンライン一括査定を実施した後、交渉する会社を2社〜3社程度に絞ることが効率的でしょう。

有名店から地域密着専門店まで網羅しているので、一度ぜひ試して見て下さい。

オンライン一括査定を行ってもすぐに売る必要はないため、とりあえず下取相場を把握するのが重要でしょう。

【ポイントまとめ】

  1. まずは気軽にオンライン一括査定で、愛車の売却目線や下取相場を把握する事が重要でしょう。本当に売却する気持ちになった際に、交渉する会社を絞る事ができます。オンライン一括査定を行っても、売る必要はありません。まずは自分の愛車の価値を確認する事が重要です。
  2. 傷・凹みがある車でも売れます。ほとんどの買取店には安く修理できる仕組みがあり、事故経験がある車でも売れるので、一括査定で下取り目線を把握しておきましょう。
  3. さらに高値で売るには、あなたの保有する車が欲しい買取店を見つける事も重要です。今まさに「あなたの車を欲しい買取店」を見つける事ができれば、高値での交渉が可能になるでしょう。
  4. 早く車を査定しておくと、買取店との交渉に有利に働きます。時間に余裕があれば、比較検討を十分に行うことができる為です。次の車を決めてしまった後に売却先を探し始めると、売却期限が迫っている中、十分に比較検討する時間が取れず、不利な価格で妥協して売却してしまう事も考えられます。
  5. 早く査定すると、売り時も把握しやすくなります。中古車相場は経済環境により、毎日変化します。季節による人気推移や半導体不足による新車納入の遅延など、様々な要因が絡んで、その時の中古車相場は決まってきます。なるべく早い時期から検討しておくと、売り時を把握しやすく、タイミングを逃さず決断する事ができるでしょう。
  6. 買取店では、車売却日と納車日までの間は、無料で代車を用意してくれるケースが多くあります。もし買取店で代車が難しい場合は、次の車を購入する店舗での代車を相談してみましょう。
  7. オンライン一括査定の申込みは約1分ぐらいで作業完了可能です。

事前にチェックしておきたい「自動車保険情報」

  1. 独自分析!【2023年】自動車保険おすすめランキング
  2. 【専門家監修】煽り運転に自動車保険は適用される?煽り運転に対応するおすすめ自動車保険・ドライブレコーダーは?
  3. 【専門家・FP監修】コロナ化で外出激減!自動車保険を見直す?見直さない?
  4. 【FP・専門家監修(コメント)】『2021年版』どの燃料が安い?エコカーの制度・普及状況は?水素自動車・電気自動車・ガソリン車の最新状況について
  5. 【FP・専門家監修(コメント)】増加するウーバーイーツ配達員!知って備える⁉賠償や怪我の補償
  6. 【FP・専門家監修(コメント)】楽天損保の自動車保険!口コミ・評判・サービス概要・特徴について
  7. 【専門家の見解】雹や水没で被害!台風などの自然災害で自動車保険は適用される?
  8. 【専門家監修】車両料率クラスとは?2020年改定!自動車保険の型式別料率クラスの仕組み
  9. 【FP監修(専門家監修)】自動運転の事故の責任は誰?『自動運転』と『自動車保険』
  10. 【専門家監修】データ分析!高齢者事故の原因と時間帯は?必要なおすすめ自動車保険を解説
  11. 自動車盗難対策!盗難で自動車保険はいくら支払われる?自動車盗難の最新傾向と盗難対策をご紹介
  12. 安全運転で自動車保険がより安く!テレマティクス保険とは?メリット・デメリットを考える

乗りたい車はこれ!様々な車の情報をチェックするなら「車情報ラウンジ Car Lounge 」

出典:車情報ラウンジ「Car Lounge」

様々な車のモデル、新車情報や人気車種の情報が満載!中古車情報や車のお役立ち情報も沢山掲載されています。気になる車や様々な情報をチェックしたいなら、車情報ラウンジ「Car Lounge」をチェックしてみましょう!