テレマティクス保険とは?メリット・デメリットを考える!【ファイナンシャル・プランナー監修】

(この記事は約 8 分で読めます。)

自動車保険料がより安くなる保険商品として、テレマティクス保険が注目されています。

テレマティクス保険とはどんな保険なのか、なぜ導入が広まっているのかをメリット・デメリットと比較してそれぞれ解説していきます。

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テレマティクス保険とは?

まずテレマティクスとは、「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォーマティブ(情報工学)」をかけ合わせた造語です。

自動車などに通信システムを組み合わせ、リアルタイムに情報サービスを提供し、自動車に設置した端末で、計測した「走行距離」や「運転速度」・「ブレーキのかけ方」などの運転情報を保険会社が取得し、その情報から運転者の事故リスクを分析して保険料を算定する保険のことを指します。

これを活用した保険がテレマティクス保険といわれます。

安全運転を心掛ける機会が大幅に増えるため、社会全体として事故率が低減する可能性が高まることも期待されています。

海外では高い普及率

2020年のデータでは、イギリスの自動車保険加入者のうち「約3割」がテレマティクス保険に加入しています。ヨーロッパやアメリカなど先進国では、すでに普及率しており、さらに拡大している自動車保険サービスです。

  1. 交通事故対応サービスへの活用
  2. 安全運転への意識が高まる
  3. 自動車メーカーと保険会社が協力している

上記のような理由も含め、日本でもこれから普及が高まると期待されています。

出典:国土交通省公式ホームページ

交通事故時の対応サービス

交通事故を自動で検知し、警察へ通報してくれる機能です。事前に家族などを登録していると通知がいくサービスもあります。

最新のIT技術で保険会社と自動車がつながり、交通事故に対応できるのがテレマティクス保険サービスの大きな特徴です。思わぬ交通事故の際は、誰でも気が動転してしまうものです。自動検知機能の活用で迅速な事故対応ができるようになり、万が一の場合に負担を軽減できる心強いサービスとなっています。

安全運転意識の向上で、交通事故減少への期待が高い

自分の運転によって保険料が算出されるので、より安全運転に気を使おうという意識が働く傾向にあります。また、送信される運転データを分析して、ドライバーの安全運転の診断を行うことができます。

たとえば、車内に搭載された機器を通じて

  • 運転中に法定速度を超過したり、急な発進時・減速時にメールで通知される
  • 危険運転の増える、リスクの高い場所を事前に知らせる

などのサービスがあります。

普段は客観的に判断しづらい自分の運転特性を知るのに最適です。普段の運転に、事故の危険性が潜んでいることを理解することは大変重要でしょう。

また保険会社が自動車メーカーと共同して、装置の開発や研究を進めています。

各保険会社もさまざまなテレマティクスサービスを提供し始めていることから、今後さらに認知度と普及率が高まってくると言えるでしょう。

出典:国土交通省公式ホームページ

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走行距離連動型と運転行動連動型について

テレマティクス保険には2つの種類があります。

契約時にどちらかを選べるのが一般的です。

走行距離連動型(PAYD:Pay As You Drive)

実際の走行距離データに応じて保険料を算出するPAYD型と言われます。

走行距離連動型では、車に搭載された端末で走行距離を測定し、走行距離が短ければ保険料を下げ、走行距離が長ければ保険料を上げます。

ダイレクト型の自動車保険を中心に走行距離区分別の保険料が取り入れられていますが、テレマティクス保険では端末の計測に基づくので、より正確な保険料を算定できます。

走行距離連動型が向いている一つの例として、週末しか車に乗らない方や、車の利用が近所での利用が中心な方があげられます。車の利用時間が短い人は走行距離も短くなる傾向があり、このような保険にマッチする傾向にあるでしょう。

運転行動連動型(PHYD:Pay How You Drive)

運転特性データに応じて保険料を算出するPHYD型と言われています。

運転行動連動型は、ドライバーの運転特性を測定し、その運転者の特徴や運転状況を機械で測定し、保険料に反映するものです。端末で運転速度や急ブレーキ・急アクセル、ハンドリングなどの運転特性を測定し、安全運転をしていると判定されれば保険料が下がり、逆に危険な運転をしていると判定されると保険料が上がったり、保険料の割引がされないというタイプの保険です。

運転特性のPHYD型では、急発進や事故回避のための急ブレーキや急ハンドルといったデータに基づいて安全運転スコアが算出され、保険料割引やキャッシュバック、ポイント付与に反映されるので、常日頃から安全運転を意識し、実践する人も増えるのではないかと期待されています。

また自分の運転について、正確に取得することが困難であった運転速度や急発進、急ブレーキ、安定したハンドリングなどが判定できます。

運転行動連動型は細かな情報の取得や分析が不可欠なため、日本ではまだ保険商品も少なく、現時点での普及率は低くなっています。

出典:国立研究開発法人 科学技術振興機構

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テレマティクス保険の選び方やポイントを解説!

運転データの保険料への反映の仕組みや提供サービスは各社よって異なるので、比較検討し、自分に合った自動車保険を選びたいところです。

では、どういった点を見ていけばよいのでしょうか。

テレマティクス保険を比較・検討するうえでの、「ポイント」を解説していきます。

運転スコアの特典を把握!「保険料割引・キャッシュバック・ポイント付与」

保険料割引型では、運転時のデータに基づいて保険料が算出され、主なものとしては、下記のようなものがあります。

  1. 翌月の保険料が割引き
  2. 翌年の保険料が割引き
  3. 支払い済みの自動車保険料からキャッシュバック
  4. 各社設定のポイントが付与

ポイント付与型の場合は、保険料割引は行われませんが、運転スコアの点数に応じて、保険会社が独自に設定しているポイントを獲得できます。獲得したポイントは各社設定の特典プレゼントと交換することが可能です。

既存の自動車保険に「特約」として付ける

テレマティクス保険は現在の保険を解約して契約し直さなければならないのかと思うかもしれませんが、会社によっては従来の自動車保険に該当する「特約」という形で付帯できるものもあります。

今後さらに増えていく事も予想されますので、随時チェックしていきましょう。

『自分の運転がフィードバック』テレマティクス技術を活用したサービス

現在は、専用のスマートフォンアプリとの連携で幅広いサービスを受けることができるものが主流です。そのアプリやネットにて、自分の運転データを基に運転スタイルや傾向を分析し、その結果をレポートとして確認できます。

ドライバーの特性に合わせて、どのような運転を心掛ければ安全運転スコアが向上するか知ることができるので、自分の運転を客観的に振り返ることができます。

また事故を起こした場合には、車載センサーが衝撃を検知し、専用アプリからワンタップで保険会社のオペレーターとつながったりと、迅速な対応をサポートしてくれる保険商品も存在します。会社によっては、アプリを介さずに専用のドライブレコーダーを通じてコールセンターに自動通報してくれるものや事前登録した家族などへ自動通知するなど、サービスの幅は拡大しており、今後も技術進歩により、様々なサービスが期待されています。

テレマティクス保険の「メリット」・「デメリット」を考える

最新の自動車保険である保険テレマティクス保険ですが「メリット」や「デメリット」はあるのでしょうか。

テレマティクス保険のメリット

安全運転の意識が高まる

安全運転をすることで保険料が安くなるので、結果的に安全運転への意識が高まると考えられています。若い方の場合、従来の自動車保険だと等級が低いことが多く、保険料が割高になりがちでしたが、当該保険は年齢関係なく運転のスタイルで保険料が変わる為、若年層にも優しい保険となっています。

今までは、個人でどれだけ気を付けていても、若層全体の事故率が高い傾向に合った為、保険料が高くなっていました。テレマティクス保険では個人の運転のスタイルによって保険料が変化する為、年齢や等級を気にする必要はありません。

事故が減る

ドライバーの運転スタイルが可視化されたり、安全運転を意識するようになる為、交通事故の減少に繋がると考えられています。このような保険に入ることで「運転をチェックされている」という思考が働き、より安全運転を心掛けるきっかけとなるでしょう。

また事故件数が減ることで、保険会社による保険金支払額も少なくなります。その結果、保険加入者全体の保険料が安くなる効果も期待できるかもしれません。

渋滞が少なくなる事への期待

多くの運転者が適切なスピードで走行し車の流れがスムーズになることで、渋滞の減少が期待できます。渋滞は、理論的に一定のスピードですべての車が走行していれば、起りにくいといわれています。

また、事故が減ることで事故渋滞の減少にもつながっています。

運転や事故予防のデータ収集ができる

収集したデータから事故が起きやすいエリアを分析などの、事故予防に活用する取り組みが可能になってきます。また心拍・睡眠などの計測データや、気圧・天候データとの組み合わせで運転に影響が出るような体調の変化を知らせるなど、健康面からも事故を予防する取り組みも行われています。

テレマティクス保険のデメリット

個人情報の管理

より正確にリスクを分析するためには、さまざまな情報が使われます。位置情報や車内外の映像など、目的によって運転データを管理する必要があります。

そのため個人情報が漏れるのではないかというリスクが心配されています。

国土交通省が公開する「テレマティクス等を活用した安全運転促進保険等による道路交通の安全」では、収集するデータには以下のものがあげられています。

運転情報

  1. 運転日時、運転総時間、頻度
  2. 運転距離
  3. 運転場所

運転行動情報

  1. 最高速度、平均速度
  2. アクセル・ブレーキ(強さ、頻度)
  3. 車線変更(速度、頻度)

コーナリング

  1. エンジン回転数

引用:国土交通省「テレマティクス等を活用した安全運転促進保険等による道路交通の安全」

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まとめ

テレマティクス保険の存在自体が、安全運転を意識する仕組みになっています。

テレマティクス保険を纏めると、主なポイントは下記5点です。

  1. 走行距離連動型の場合:走行距離が短ければ保険料が下がり、走行距離が長ければ保険料が上がる
  2. 運転行動連動型の場合:安全な運転をしていると保険料が下がり、危険な運転をしていると保険料が上がる
  3. 運転スコアによって、保険料割引やキャッシュバック、ポイント獲得などがある
  4. 運転データをもとに、自分の運転スタイルや傾向のレポートが見れる
  5. 事故時にはアプリやドライブレコーダーを通じて、迅速な対処をしてくれる

長距離運転をする人、危険な運転をする人は事故に遭うリスクが高くなるため、保険料も高くなります。これまでは、事故にあった万が一の場面に備えるのが自動車保険でしたが、テレマティクス保険はそもそも事故を起こさないことに重点をおいています。

また優良ドライバーであるほど、メリットの大きいテレマティクス保険のしくみは、事故の件数が減るなど社会全体にもいい影響を与えるため、今後普及が期待されています。

一方で、収集する情報の選別や、プライバシーの管理を徹底して行うなどの課題も存在します。また最新の自動車保険サービスであるテレマティクス保険のサービス内容は各社で特徴が違います。

自分にあった自動車保険を、各社の保険内容を比較して検討してみましょう。

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FP(ファイナンシャル・プランナー)からのコメント

中村 傑 (Suguru Nakamura)

大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。

中村 傑(Suguru Nakamura) ブログ

保有資格:AFPMBA中古自動車販売士

コメント

現時点では、代理店型の自動車保険では、テレマティクス保険により保険料の割引・キャッシュバックの段階までは進んでおりません。

当社では、自動車保険をご契約頂くお客様の1割程度が保険会社の貸与型のドライブレコーダーの特約を付帯されております。取り扱いから数年が経過しましたが、優良ドライバーほど運転スコアが高く、逆に、事故を頻繁にするお客様ほどスコアが低い事が分かります。

保険会社が提供するレポートには、契約者の運転の特性が記載されておりますので、自分の運転の特性(悪癖)を意識する事により、安全運転の意識向上に繋げる事が可能です。

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