民法711条に基づく請求権と家族の関係

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損害賠償請求権者については「損害賠償の請求権は誰のもの?慰謝料は固有の取り決め有り」の記事で説明しましたが、慰謝料に関しての詳細はこちらで説明していきたいと思います。

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民法711条による慰謝料請求

被害者が死亡した場合又は重度の後遺傷害を負った場合には被害者本人の損害賠償請求権とは別に被害者の遺族に対して家族を失った精神的損害として近親者固有の慰謝料を損害賠償として定めています。

民法711条)

他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

民法711条の具体例

例えば、父(父親と母親は健在)、母、子3人の家族で父親が交通事故で死亡した場合には、母と子への損害賠償金は逸失利益3,850万円、葬儀費などその他が150万円の合計4,000万円が支払われ、これとは別に母と子と親に対して慰謝料2,800万円が支払われる事になります。

ただ、民法711条では個人の受け取れる金額を明確にしていないので、慰謝料2,800万円は家族内の話し合いで決める事になります。

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民法711条の問題点

上記の具体例のように請求権者全員で2,800万円というように慰謝料額を決定します。

そのため個人個人が受け取れる金額は自分達で決めなければなりません。

全員が均等に貰えれば問題が発生する可能性は低いかもしれませんが、そもそも法定相続の基では親や兄弟の取り分は配偶者と比較して分配額は少なくなるので問題が発生することも多いです。

また親族間での分配額の争いが損害賠償金を受け取る前に発生してしまった場合には各々が加害者に対して請求するような事にもなりかねません。

すると加害者は被害者側が勝手に揉めてるのだから払う必要なしとほっておかれるかもしれませんし、安い金額を主張している方と示談を成立させてしまうかもしれません。

 

合わせて読みたい

示談書を作った時、サインするときなどの注意点

 

厳密には加害者が片方と勝手に示談を成立させても要件不成立となりますが、話が一々ややこしくなってしまいますね。

さらに言えば、賠償金全額を受け取った配偶者と子供が親を残して消えてしまうような事も起きかねません。

親に死亡した子供以外の子供がいれば老後の生活には問題が無いかもしれませんが、いないとなると自動車事故の問題だけでは済まない話になります。

最近、高齢化が進んできた日本において問題になっているのが老人の孤独死です。

親族がいない老人が誰にも気付かれずにひっそりと息を引き取り、発見されるのも何日も何週間も経ってから。

こういった問題にも発展しかねないのです。

こういった事にならないためにはどうしたらいいのでしょう。

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慰謝料トラブルの解決策

最近の裁判では家族の個々人への慰謝料額も明示して賠償金の判決を言い渡す事が多いようですが、これは裁判になった場合であって示談では関係の無い話です。

そのため示談交渉をするにあたっては以下の事に注意・工夫する事で問題を解決していく事になるでしょう。

  • 加害者側に内部で揉めている事を漏らさない
  • 賠償金を遺族の名前と判子で貯金(家族全員の意思が無いと引き出せないようにする)
  • 家族内で意見を統一する

上記にも書いたように例え慰謝料の配分の件で家族内でトラブルになったとしても加害者側には絶対に漏らさない・悟られないようにしなければなりません。

加害者側に隙を見せては成せる物も困難になってしまいます。

次にトラブルになったとしても賠償金を遺族全員の名前・判子で貯金してお金を凍結しておけば誰かが勝手に持ち逃げする事も防げますし、ゆっくり配分金額について話合いをする事ができます。

最後に上の2つに挙げた事や示談交渉を誰がするのかなど遺族内でしっかり意見を統一して示談に挑む事が大切です。

 

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親族固有の慰謝料

 

入通院慰謝料、後遺障害慰謝料など金額のまとめと考え方

 

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