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自動車がこの世に生まれてから今現在まで、運転をするのが「人間」である事は未だに変わっていません。
ただ、近年は人の運転技術に頼るだけではなく、運転をアシストする様々な技術が搭載された自動車(ASV)が販売されています。
このような技術はよくアルファベット3文字で表されますが、あなたは自動車に搭載されている機能の名称と意味をアルファベット3文字を見てサラッと言える事が出来るでしょうか?
そこで、今回は自動車に搭載されている最新技術の名称や意味について紹介していきたいと思います。
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そもそもASVって何?
ASVとは、「Advanced Safety Vehicle」のそれぞれの頭文字をとった略称で、先進安全自動車を意味します。
先進安全自動車とは、先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車です。
引用:国土交通省
テレビなどで障害物に向かって走行して、衝突する手前で運転手がブレーキを踏まなくても車が自動でブレーキを制御して衝突を回避するCMをやっていますよね。
あのような機能を搭載した自動車の事をASVと言います。
印象に残っているのはスバルの「アイサイト」という技術でしょうか。
アイサイトというのはメーカー独自の呼称で、ACCとAEBとLKAの3つの先進技術で構成されています。
アイサイトという技術がスバルだけにしかないように誤解してしまいがちですが、他メーカーにも名称が違うだけで同じ技術が搭載された車両はあります。
ところで、何の説明もなく先進技術をアルファベット3文字だけを使って書きましたが、その意味はおわかりでしょうか?下記に主な先進技術の略称と機能を紹介していますので答え合わせをしてみてください。
自動車先進技術の略称とその意味
それでは、自動車に搭載された安全運転支援システムの略称とその意味について見ていきましょう。
ESCとは
ESCは、Electronic Stability Controlの略で、横滑り防止装置を意味します。
ESCは予防安全装置の一つで、走行中に車両の横滑りを検知するとコンピューター制御により、各車輪にブレーキをかけたりエンジン出力を調整して車の進行方向を適切に保つ装置です。
ACCとは
ACCは、Adaptive Cruise Controlの略で、定速走行・車間距離制御装置を意味します。
ACCは、センサーにより前方車両を検知し、コンピューターがアクセル・ブレーキを自動で調整し車間距離を一定に保つ事が出来る装置です。
AEBとは
AEBは、Autonomous Emergency Brakingの略で、衝突被害軽減ブレーキを意味します。
AEBは衝突安全装置の一つで、障害物をレーダーやカメラで検知して、運転手へ警報を発したり自動でブレーキを操作して衝突を防ぐ、又は衝突した場合の被害を軽減する装置です。
AFSとは
AFSは、Adaptive Front-lighting Systemの略で、配光可変型前照灯を意味します。
AFSは、ハンドルの切り方と車の速度を検知し、曲がる方向にライトを照らし、視認性を確保する装置です。
LKAとは
LKAは、Lane Keep Assistの略で、車線維持支援制御装置を意味します。
LKAは、予防安全装置の一つで、カメラで道路上の白線等を認識して、車線から逸脱しそうになればドライバーに警報を発し、ACC作動時には車線の真ん中を走行しやすいようにハンドル操作を支援する装置です。
ADBとは
ADBは、Adaptive Driving Beamの略で、自動防眩型前照灯を意味します。
ADBは、ハイビームを利用している時にカメラが対向車や前方車を検知し、他のドライバーがハイビームによって目が眩惑しないように、自動で遮光・配光調整をする装置です。
IPAとは
IPAは、Inteligent Parking Assistの略で、駐車支援システムを意味します。
IPAは、目標の駐車位置をモニターで指定又は音波レーダー等により自動設定がされ、ハンドル操作を自動車自体が自動で行う事で、運転手はアクセルとブレーキを操作するだけで駐車をする事が出来る装置です。
* 各ASVは、メーカーによって名称や機能が異なる場合があります。
また、これらの機能はあくまで運転支援システムであり、自動で走行等が出来る機能ではありません。
利用する際は機能に頼らず安全確認等は怠らないようにしてください。
JAFのアンケート結果
JAFがASVの認知調査の為に行ったアンケートでは、消費者の各ASVに対しての認知の低さが露呈する結果となりました。
例えば、各ASVの名称とその機能を結びつけるというアンケート(問題)では、一番認知されていたASVの「横滑り防止機能のESC」でも正答率が45%という低い数字でした。
また、ADBに至っては正答率7%と非常に低く全然一般に認知されていない事が分かります。
また各機能とメーカー側が独自に付けている名称とを結びつけるアンケート(問題)では、一番正答率が高かったのがアクティブレーンコントロール(車線維持支援制御装置)で43%、次いで正答率が高かったのが、レーダークルーズコントロール(定速走行・車間距離制御装置)で40%という結果でした。
アンケートから見えてくるもの
アルファベット3文字による略称は自動車だけに限らず世の中に氾濫しているので、消費者の記憶に定着しにくい点とその意味が伝わりにくい点が今回のアンケート結果から見て取れます。
さらに追い討ちを掛けるように、各機能に対して各メーカーが独自の名称を付けてしまっているので、消費者は情報を整理出来ない状況になってしまっています。
このような状況では、せっかくの先進技術が搭載された自動車の購入を踏みとどまったり、利用出来なかったりしてと無用の長物となる恐れがあります。
メーカー各社等が協力して一部のユーザーが分かるようにするのでは無く、全てのユーザーが分かるように名称の統一や日本語表記も加えるなど工夫を凝らして欲しいものです。
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