血統書付き犬などのペットが交通事故で死んだ場合の飼い主の慰謝料

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ペット

犬や猫などのペットは、本当に可愛いですよね。

飼い主の中には、車で移動する時も、ペットを車に乗せて行動を共にする人もいます。

可愛いペットとのドライブは、楽しい時間を過ごす事が出来ますからね。

しかし、可愛いペットとの楽しい時間も、交通事故によって、一瞬で暗く、悲しい時間へと変貌してしまいます。

また、ペットにシートベルトはしていないでしょうから、ペットだけ死んでしまうという飼い主にとっては悲しい事故も起こり得ます。

家族同然に可愛がっていたペットを失った飼い主の悲しみに対して、慰謝料は認められるのでしょうか?

 

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ペット死亡に対する慰謝料も近年は認められる傾向に有る

ペットは、法律上「物」として扱われ、物損事故として処理されます。

そのため、ペットの死亡事故の損害賠償請求も「物損」として話は進んで行きます。

飼い主としては、「物」ではなく「家族」だと言いたくなるでしょう。

また、可愛いペットを失った悲しみは、いかばかりかと思います。

家族同然だったペットを失った飼い主の精神的苦痛に対して、慰謝料が認められても良いように思いますよね。

しかし、物損事故では、原則慰謝料は認められません。

なぜなら、「物」は代替が可能だからです。

たとえ愛着があったとしても、時価によって補償すれば足りると考えられています。

飼い主からしてみれば、ペットに代替性は有りませんよね。

長年連れ添って生活してきた家族同然の存在なわけですから、全く同じ種類の動物を飼ったとしても代替は利きません。

こういった飼い主の気持ちを考慮して、裁判官もペットに関しては、慰謝料の考え方が変わってきており、飼い主への慰謝料が認められるケースが増えてきています。

判例紹介

・ペットが死亡した事案
葬儀費用の他に、長期間家族同然に扱ってきた飼い主に対して慰謝料5万円を認めた例(東京高裁平成16年2月26日)

・ペットが事故により麻痺が残ってしまった事案
時価相当額に限られないとしながらも、購入金額(65,000円)を念頭に置いて、治療費等の他に飼い主夫婦に対して慰謝料各20万円を認めた例(名古屋高裁平成20年9月30日)

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慰謝料の額はどれくらい?

近年、ペットの交通事故に対して、客観的に物損と考えるのではなく、ペットは家族の一員である事を考慮して、慰謝料を増額する傾向には有ります。

しかし、紹介した2つ目の判例では、麻痺の残ったペットの「世話」をする事に対しての慰謝料も含めて、合計40万円の慰謝料しか認められていません。

さらに、1つ目の判例では、購入金額は不明ですが、ペットが死亡したにも関わらず、慰謝料は5万円しか認められていません。

これらの金額が少ないのかどうかは、人が交通事故で死亡した場合の慰謝料と比較すれば、一目瞭然です。

被害者の属性死亡慰謝料金額
一家の支柱の場合2,700~3,100万円
一家の支柱に準ずる場合2,400~2,700万円
その他の場合2,000~2,500万円

これらの金額は、弁護士基準で算定した場合の慰謝料です。

算定額が少なくなる自賠責基準でも、数百万円となります。

 

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人とペットとでは、これだけの慰謝料金額の差が有るわけです。

高額な慰謝料を貰った所で、家族同然のペットを失った悲しみは癒されません。

しかし、少額の慰謝料によって、家族同然のペットを「物扱いされた怒り」と「失った悲しみ」を感じる事になってしまいます。

交通事故でペットを失うと、このようなやり場の無い感情を抱く事になってしまうので、いつでも一緒にいたいペットでも車に乗せる事は避けた方が良いでしょう。

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