【弁護士基準】後遺障害の場合の慰謝料の計算方法

(この記事は約 4 分で読めます。)

後遺障害が発生するような傷害を負った場合には、症状固定の前後で損害賠償の計算内容が変化します。症状固定前は、傷害に関しての損害賠償計算をし症状固定後は後遺障害に関する計算をします。

参考「【弁護士基準】傷害(事故)の慰謝料の計算方法

この流れは自賠責基準でも弁護士基準でも同様です。この2つの基準の違いは傷害の計算の部分でも説明していますが賠償金額に大きな違いがあります。自賠責基準での慰謝料の最高額は1,600万円、弁護士基準では3,100万円でその差は1,500万円にもなります。

示談の場で加害者又は加害者の任意保険会社は金額の低い自賠責基準又はそれに多少上乗せした任意保険会社独自の基準で賠償金額を提示してきます。

「こちらの金額は法律で定められた基準より少し上乗せした金額となっております。」と言われた場合に弁護士基準の存在を知らないと何となく得した気分になりますが後で後悔する事になります。実際は損をしているのですから・・・。そこで今回は後遺障害を負った場合の弁護士基準の慰謝料について説明していきたいと思います。

参考記事:【後遺障害】の場合の損害額の算定方法(自賠責保険の場合)

Advertisement(広告)
車査定

後遺障害等級別慰謝料額

後遺傷害の等級は自賠責保険の後遺障害等級表と基本的には同じ扱いになります。つまり自賠責の等級表で後遺障害1級に該当した場合には弁護士基準でも後遺障害1級として慰謝料を計算します。

参考:後遺障害等級表-国土交通省

後遺障害の等級認定により等級がわかれば弁護士基準での後遺障害の慰謝料は等級別に以下のようになっています。

後遺障害等級慰謝料金額
1級2,700~3,100万円
2級2,300~2,700万円
3級1,800~2,200万円
4級1,500~1,800万円
5級1,300~1,500万円
6級1,100~1,300万円
7級900~1,100万円
8級750~870万円
9級600~700万円
10級480~570万円
11級360~430万円
12級250~300万円
13級160~190万円
14級90~120万円

後遺障害等級が1級なら2,700万円~3,100万円となりますが、この金額は賠償請求する際の目安となるものなので必ずしも満額が認められるとは限りません。

また等級が認定されないような障害であったとしても、その箇所や症状によっては慰謝料が認められる場合もあります。

後遺障害等級非該当でも慰謝料を認めた判例紹介

■ケース-1
交通事故により女性が顔面と両腕・両足に後遺障害等級非該当となる醜状を負ったが、醜状の数が複数であった事とある程度の大きさであった事から後遺障害慰謝料50万円を認めた例

※醜状は後遺障害の等級表に記載されていますが、要件として醜状の大きさが「手のひら大・鶏卵大・10円銅貨大」となっており醜状があってもその大きさによっては認められない場合もあります。

■ケース-2
交通事故により右目0.1(矯正視力は1.0)・左目0.3(矯正視力は0.9)となる後遺障害非該当である視力障害を負った男性に、後遺障害慰謝料を70万円認めた例

※視力障害は矯正(メガネ・コンタクトレンズ等)が可能であれば矯正視力によって判定し、後遺障害となる視力は0.6以下から。

■ケース-3
交通事故により頚椎捻挫と診断されその後の症状につき後遺障害非該当とされたが、後遺障害慰謝料55万円を認めた例

※頚椎捻挫はいわゆるむち打ち損傷の事です。むち打ちは後遺障害等級表で12級と14級の「神経症状を残すもの」に該当するのですが、等級認定の際に後遺障害に該当しないと判断される事があります。

参考記事:むちうち後遺障害としての損害請求

ここまでは、被害者本人の後遺障害慰謝料についての説明でしたが、重度の後遺障害を負った場合には親族にも固有の慰謝料が認められる事があります。以下では親族固有の慰謝料について説明していきます。

インズウェブ自動車保険一括見積もり
Advertisement(広告)

親族固有の慰謝料

親族固有の慰謝料というのは直接交通事故によって損害を受けてはいないが、被害者本人が事故により死亡した事や重度の後遺障害を負った事により親族が受けた精神的苦痛に対する慰謝料として親族に支払われるものです。

参考記事:【弁護士基準】死亡慰謝料についての金額と判例

ただ親族固有の慰謝料は元は被害者が死亡した場合に認められていたものでした。なぜなら民法711条にはこのように規定されているからです。

(近親者に対する損害の賠償)
第七百十一条  他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。

しかし、裁判所の判例によって重度の後遺障害の場合にも認められるようになりました。以下がその判例の内容です。

重度の後遺障害の場合でも親族固有の慰謝料を認めた判例

事案:不法行為により女性(娘)は顔に障害を負い、その結果顔面に著しい醜状を残す後遺障害を負った事に対して親族固有の慰謝料を認めた。

後遺障害に対して親族固有の慰謝料を認めた理由:民法711条は親族の慰謝料請求を生命を侵害された事のみに対して規定していると解釈するのではない事、また、女性(娘)の後遺障害は母にとって死亡した場合の精神的損害と同等と考えられる事から、民法711条の規定内容に類すると考えられ、親族固有の慰謝料請求が可能と判断。


親族の慰謝料が認められる後遺障害は、介護を要する後遺障害1級や2級といった場合が多い傾向にありますが、その他の等級でも認められているものもあります。

弁護士基準は被害者本人の後遺障害慰謝料に関しては等級別に慰謝料額を定めていますが、この親族固有の慰謝料に関しての基準は定められておらず、判例によって様々となっています。では親族固有に慰謝料が認められた判例をいくつか紹介します。

親族固有の慰謝料の判例紹介

ケース1-後遺障害等級1級
18歳女性の植物状態の後遺障害に対して本人分の後遺障害慰謝料3,000万円、退職して看護をした父と、飲食店を休業して介護をした母に対して親族固有の慰謝料父に300万円、母に300万円を認めた例

ケース2-後遺障害等級2級
12歳男子中学生の高次脳機能障害に対して後遺障害慰謝料3,100万円、親族固有の慰謝料として父母に各150万円、妹に50万円を認めた例

ケース3-後遺障害等級12級
1歳男児の後遺障害に対して、傷害・後遺障害慰謝料400万円、両親に生命を侵害された場合と同等の精神的損害を受けたと考えられ各30万円を認めた例

後遺障害1級や2級など重度の後遺障害の場合には親族の精神的損害は当然ながら介護にあたる必要性もあることからかなり多くの判例があります。一方介護を要しない後遺障害の場合には前者よりは少なくはなりますが、親族が受けた精神的損害(子供や親自身の将来への不安や失望など)が大きい場合に認められているようです。

ここに紹介した判例は判例集を参考に記載していますが、短い判例集を読むだけでも心が痛みます。運転手の皆さんは自動車の利便性や楽しさやかっこよさなど光の部分だけを見るのではなく、こういった悲しい事故が起きている影の部分にも目を向け、日頃の安全運転に活かしていって欲しいと思います。

Advertisement(広告)
インズウェブ自動車保険一括見積もり
車査定

【人気各社に個別見積もり】

ある程度、自身で保険会社が絞られている方は、個別に見積もりしていく事も個別の内容把握や対応が少なくなるので、オススメです。

気になる自動車保険会社だけに無料で個別見積もり!

自身の状況を反映させ、大まかな契約概要を把握する

自身である程度、保険会社が絞られている方は『個別見積もり』もオススメでしょう。

  1. 【個別見積もり】ソニー損保
  2. 【個別見積もり】セゾン自動車火災保険(おとなの自動車保険)
  3. 【個別見積もり】楽天損保
  4. 【個別見積もり】アクサダイレクト
  5. 【個別見積もり】チューリッヒ

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

【独自分析!2023年ダイレクト型ランキング1位】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でトップに位置するソニー損保

【独自分析!名前の通り「50代以降」や「子育て世代」にお勧め】

「保険料の安さ」「事故対応の満足度」「ロードサービスの充実度」など全ての項目を総合的に勘案した自動車保険会社の2023年総合ランキング(独自分析)でソニー損保と共に、トップに君臨するセゾン自動車保険(おとなの自動車保険)

【楽天経済圏の方にオススメ!楽天損保】

最大のポイントは自動車保険料の支払いで「楽天ポイント」を貯められる点でしょう。『楽天カード』での自動車保険支払いの場合、楽天ポイントが、なんと『3倍』貯まります。100円で1ポイントが貯まるので、保険料月50,000円の場合、1000ポイントが貯まります。さらに自動車保険料を楽天カードで支払った場合、プラスで500ポイント貯まるので、月1,500ポイントの楽天ポイントが獲得でき、1ポイント1円で使用可能です。

【サービスと保険料で人気「アクサダイレクト」】

インターネット割引では、ウェブサイトで見積もりをした場合、条件達成で最大2万円のインターネット割引が適用可能に!また無事故の年数が長ければ長いほどお得になる20等級継続割引では、条件の達成で「1年目」「2年目」「3年目」「4年目以降」の4区分された割引が適用されます。

またアクサダイレクトでは、必要に応じて面談担当者が自宅を訪問して説明するAXAフィールドサービスを展開。事故時に電話だけのやり取りだけでは不安な方でも、対面でやり取りをすることにより、安心して手続きを進めることが可能です。

【保険料の安さでトップクラス】

保険料の安さとサービスの内容充実度が高い「チューリッヒ自動車保険」!気になる方は一度チェック!

まだ自身のニーズや年齢・家族構成など、保険会社を絞りきれてない方には一括見積もりで自分に合った保険会社を見つけることが重要です。一度試してみましょう。

1.合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

2.合わせて読みたい!『独自分析!自動車保険ランキングを確認』

『自動車保険』を比較・分析・賢く選ぶ

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です!

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

そんな時には、【一括見積り】で、自動車保険を比較し、「自分のニーズにあった商品」を見つけたり、「ある程度保険会社を絞ること」が最も効率的でしょう。

保険料の安さがトップクラス!チューリッヒ自動車保険

愛車の価値を把握!無料一括査定

自分の愛車の「下取り価値」や「目線」も分からずに売却や交渉をすると損してしまいます!

高値で売るには、あなたの車がほしい買取店を見つける事も重要です。高い値段で車を買い取ってもらうには、今まさに「あなたの車を欲しい買取店」を見つける作業が重要なポイントの一つです。

そのためには、結果的にできるだけ多くの買取店から査定を受けることが重要でしょう

オンライン一括査定を行ってもすぐに売る必要はないため、とりあえず下取相場を把握するのが重要です。

事前にチェックしておきたい「自動車保険情報」

  1. 【専門家監修】独自分析!【2023年】自動車保険おすすめランキング
  2. 【専門家監修】煽り運転に自動車保険は適用される?おすすめ自動車保険・ドライブレコーダーの重要性について
  3. 【専門家監修】コロナ化で外出激減!自動車保険を見直す?見直さない?
  4. 【専門家監修】自動車にはどの燃料が一番おすすめ!?水素・電気・ガソリンを比較・分析!
  5. 【専門家監修】増加するウーバーイーツ配達員!知って備える!?賠償や怪我の補償
  6. 【専門家監修】楽天損保の自動車保険!口コミ・評判・サービス概要・特徴について
  7. 【専門家監修】雹や水没で被害!台風などの自然災害で自動車保険は適用される?
  8. 【専門家監修】車両料率クラスとは?2020年改定!自動車保険の型式別料率クラスの仕組み
  9. 【専門家監修】自動運転の事故の責任は誰?「自動運転」と「自動車保険」
  10. 【専門家監修】高齢者事故の原因と時間帯を考察!60代・70代以上におすすめの自動車保険
  11. 自動車盗難対策!盗難で自動車保険はいくら支払われる?自動車盗難の最新傾向と盗難対策をご紹介
  12. 【専門家監修】テレマティクス保険とは?メリット・デメリットを考える!

【Car Lounge】車情報サイト

車情報サイト「Car Lounge」

様々な車のモデル、新車情報や人気車種の情報が満載!中古車情報や車のお役立ち情報も沢山掲載されています。

気になる車や様々な情報をチェックしたい方、車情報サイト【Car Lounge】もチェックして下さい!