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今では、非常に一般的になった自動車保険会社の示談代行サービス。
どこの保険会社と契約しても、このサービスは必ず付いてきます。
代行サービスが有ることで「事故を起こしても保険会社が何とかしてくれるから大丈夫!」と思っている人も多いのではないでしょうか。 もちろん、事故を起こさないようにするのが一番ですが。
しかし、交通事故の中には【保険会社が示談を代行できない事故】も有ります。
それが「もらい事故」に代表される「被害者が無過失の交通事故」です。
■被害者無過失事故の代表例
- 信号待ちで停車中に後ろから追突された
- 相手方が赤信号を無視して突っ込んできた
- センターラインを大幅に超えて、前から突っ込んできた etc
このようなケースでは、保険会社が示談を代行することは出来ません。
なぜか?
無過失事故の示談代行をしてしまうと法律に違反してしまう
そもそも、示談の代行を「商い」として行えるのは「弁護士」だけです。(弁護士法72条)。
なので、保険会社の示談代行は、そもそも法律に違反しているのです。
では、なぜ現在、保険会社が示談代行サービスを提供出来ているのか?と言うと
自動車保険の約款上で保険会社が被保険者の連帯保証人となっているから
です。
そのため、被保険者に過失の有る事故に関しては、被保険者の関係者(連帯保証人)として、相手方の損保等と話し合いをする事(示談代行)が認められています。
保険会社に示談代行サービスが認められた経緯は、実はもっと複雑です。 詳細は下記記事を御覧ください。
しかし、被害者に全く過失(責任)が無いとなると、そもそも保証人の出る幕が有りません。
連帯保証人と言えど、蚊帳の外の人間となってしまい「示談の代行も不可」という事になります。
このケースで代行してしまうと、法律違反になってしまうんです。
そのため、自分が無過失の事故は、本来なら相手方と自分で交渉をする必要が有ります。
無過失事故に備えて必ず「弁護士費用特約」を付帯しましょう
自分で交渉するとして、相手方がすんなり賠償金を支払ってくれるならば問題ないのですが、世の中そんな簡単にはいきません。
- ①治療費の支払い意志を全く見せてくれない加害者
- ②弁護士が付いていないからという理由で不当に低い賠償金を提示してくる損保会社
などなど、無過失事故では色々問題が出てきます。
特に、追突事故でむち打ちを食らったりすると、治療費も高くなりますので、賠償金なしでは生活がままならなくなる事も有るでしょう。
加えて、上記箇条書きの②で「不当に低い賠償金」と書きましたが、そもそも法律知識に明るくない私達一般人からすれば、その提示額が「高いのか低いのか」を判断するのも容易では有りません。
また、日々の生活に加えて、自分で示談交渉を行うとなると、精神的にも肉体的にもかなり負担がかかります。
自分一人で法律知識を身につけて、内容証明郵便を送ったり賠償金額を算出するなんて、想像しただけでも難しいですよね。
そこで、役に立つのが自動車保険の「弁護士費用特約」です。弁護士費用特約を付けていれば、保険会社の代わりに、弁護士が「無過失事故」の場合の示談交渉等を行ってくれます。
ソニー損保のデータによれば、自動車事故の33%は「もらい事故」というデータも有りますので、車に乗るなら必須の特約と言えるでしょう。
ファイナンシャル・プランナー(FP)からのコメント
黒須かおり(Kaori Kurosu)
2007年FP資格取得、保険会社、保険代理店をへて女性による女性のための独立系FP会社にて勤務。2016年、個人事務所FPofficeRapportを設立。女性を中心にマネーとキャリアのコンサルティングを行う。2019年個人事務所からFPラポール株式会社を設立し、代表取締役に就任。 現在延べ3,000人が参加したマネーセミナー講師や、企業研修、国や行政などでのセミナー講師などを務める。30代40代女性やファミリーなどを中心に個別相談をおこなうかたわら金融機関でのお客様の資産運用アドバイザーとしても活動経験あり。年間50本以上メディアへの執筆も行う。 <保有資格>CFP
自動車事故の中で1番大変なのが、相手側との交渉です。
保険金は過失割合によって決まるため過失割合はとても重要です。一般的な交渉は保険会社が行ってくれますが、自分の過失割合がゼロの時は自分で交渉する必要があります。
例えば、ケガをして通院した時に、何日退院したか、仕事は休んだかなど交渉しますが、慣れている人などいないので時間も労力もかかります。そのことがストレスにもなりかねません。しかし、弁護士費用を付帯していれば、弁護士が代わりに交渉してくれます。
自分でやることに不安があるようなら弁護士費用を付帯しておいた方が安心でしょう。
自動車事故だけや、日常生活でのトラブルも対応など選べる保険もありますので、自分が安心できるものを選ぶといいでしょう。
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