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2014年4月に消費税が5%から8%に上がった事を受けて、自動車保険の保険料が高くなったことを知っていますか?
消費税の仕組みを知っている方であれば、「ん?保険料に消費税はかからないのに、消費税が上がると保険料が上がるのはおかしいのでは?」と思ったかもしれません。
ここでは消費税が上がったことに伴って、保険料が高くなったカラクリについて書いていくことにしましょう。
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消費税がかかるもの?
そもそも、消費税とはどういった税金かご存知ですか?一般的なサラリーマン家庭であれば「お店で買い物をしたら消費税がかかる」という程度の認識の方が大半だと思います。この認識は100点満点では無いですが、正解に近いです。
消費税は以下の取引に対してかかってきます。
「国内で事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付および労務の提供」や「輸入取引」
お店で買い物をするという行為は「事業者から商品(資産)を購入する」ことなので、消費税の対象となる行為です。なお、一般消費者が直接消費税を税務署に納付することはあまり無く、買い物をしたお店が受け取った消費税を計算した上で税務署に納付する事になります。
ちなみに、事業として行う取引には消費税が課税されますが、「自分が持っている物を知り合いに売る」といった個人的な行為は事業として行うものではないので、消費税はかかりません。
非課税取引も有る
上記の様に事業者が行う譲渡などの取引であっても、一般消費者に税の負担を求めることがふさわしくない取引や、社会政策的な配慮から消費税が課されない取引もあります。(いわゆる非課税取引)
非課税取引には、土地の譲渡や介護保険サービスの提供、火葬料など様々なものがあります。具体的には国税庁のHPで挙げられおり、その中の一つとして、「保険料」があります。
非課税取引に保険料が挙げられているということは、保険料(自動車保険や生命保険など)には消費税はかからない、つまり「契約者が支払った保険料の中には消費税は含まれていない」という事なのです。
保険料が消費税に伴って上がるワケ
保険料に消費税がかからないことは上記で説明しました。では、なぜ消費税のアップに伴い保険料は高くなったのでしょうか?
「便乗値上げ?」
いいえ、違います。きちんとした理由がそこには有るのです。
交通事故に遭ったとき保険を使って車の修理をしますよね。当然車の修理代は労務の提供に該当し、消費税がかかります。ということは、消費税が上がるとこの修理代は上がることになりますよね。すると、結果的に保険会社が支払う保険金の金額も増える事になります。
これは車の修理に限らず、被害者の入院や通院費用、薬代についても同じ事が言えます。
また、損害保険業界では殆どの保険会社が代理店に頼っているという現状があり、代理店に支払う手数料にも消費税がかかっています。従って、消費税が上がると代理店手数料も上がることになります。
この様な状況の中で、仮に「保険料には消費税がかからないので、消費税が上がっても保険料は変わらない」とすると、保険会社の支払う保険金ばかり上がり、保険料と保険金の収支バランスが崩れる結果、経営状態が悪化してしまうことが考えられます。
そこで、止むなく保険料も値上げをせざるを得ない、というのが消費税と保険料が一緒に上がる理由なのです。なお、消費税は2017年4月に8%から10%にもう一段階上がる事になっています。このタイミングで保険料は再度上がる可能性が高いですね。
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