交通事故(自損事故含)で負ったケガの治療に健康保険は使える?使えない?

(この記事は約 5 分で読めます。)

以前、このような会話を知人としたことがあります。

私:交通事故の治療の時に健康保険は使えると思う?

知人:えっ?使えないでしょ??事故にあった友達がそう言ってたよ。

ここで言いたい事は「周りの人が言っていたからという理由で、交通事故の怪我の治療に健康保険は使えない」なんて思わないで!って事です。

交通事故に遭遇すると肉体的にも精神的にもまいってしまい何が正しいのか正常に判断することが出来ず、健康保険が適用できるかどうか確かめもせずに自費診療で治療を進めてしまう人も沢山いるそうですからね。

結論を言うと、交通事故の場合にも健康保険は適用できます。

もちろん、自損事故で負ったケガの治療にも使えますよ。

ただ、必ずしも適用できるというわけではなく、健康保険が適用できない場合というものもあります。

以下で、健康保険が適用できない場合を解説していきましょう。

 

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健康保険が適用されない場合?

そもそも、健康保険は労働者の業務外の事由による病気や怪我等に対して、保険給付を行い国民の生活の安定と福祉の向上を目指すためのものです(健康保険法1条)。

ですので、その趣旨に反する場合は健康保険の適用はされません。

業務上の事故の場合

仕事をしている間や通勤途中に事故に遭遇しケガを負った場合(交通事故を含む)については、業務上の災害を補償する「労災保険」を使うことになりますので健康保険は適用されません。

(独立した規定がある訳ではないですが、上記の健康保険の趣旨で書いているように健康保険は「業務外」のものを補償するためのものですので「業務上」の怪我等には適用されません。厚生労働省でも労災保険を適用するよう通達がでています。)

労災保険に関しては下記記事も参考にしてみてください。

 

合わせて読みたい

労災保険と自動車保険の関係性は?併用できるの?

 

その他健康保険が適用されない場合列挙

健康保険が適用されない場合について法律(健康保険法)で個別に定められているものもあります。

以下に列挙しているで一つずつみていきましょう。

第百十六条  被保険者又は被保険者であった者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、行わない。

自らが犯罪行為をした結果として怪我をした場合(飲酒運転など)や意図的に怪我をして健康保険の適用を受けようとした場合(いわゆる当たり屋など)は健康保険は適用されません。

第百十七条  被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。

喧嘩をしたり、ベロベロに酔っぱらっている時に暴れ回って怪我をした場合なども健康保険は適用されません。

ただし、この場合は上記の犯罪行為の場合とは違って、必ずしも健康保険が適用されないという訳ではなく個々の内容によって適用されるかどうかが変わってきます。

第百十八条  被保険者又は被保険者であった者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は、行わない。

一  少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき。

二  刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたとき。

2  保険者は、被保険者又は被保険者であった者が前項各号のいずれかに該当する場合であっても、被扶養者に係る保険給付を行うことを妨げない。

犯罪行為の結果、逮捕され少年院や鑑別所などに入っている方はその施設に入っている間は健康保険は適用されません。

第百十九条  保険者は、被保険者又は被保険者であった者が、正当な理由なしに療養に関する指示に従わないときは、保険給付の一部を行わないことができる。

病院で治療を受けている時に、特に理由もないのに医者の指示に従わない場合は健康保険の一部を適用されないことがあります。

第百二十条  保険者は、偽りその他不正の行為により保険給付を受け、又は受けようとした者に対して、六月以内の期間を定め、その者に支給すべき傷病手当金又は出産手当金の全部又は一部を支給しない旨の決定をすることができる。

ただし、偽りその他不正の行為があった日から一年を経過したときは、この限りでない。

健康保険証がない人が、他の人の名前を使って健康保険の適用を受けようとした場合など、不正行為によって健康保険の適用を受けようとした人は以後(半年以内)健康保険の適用が受けられなくなることがあります。

第百二十一条  保険者は、保険給付を受ける者が、正当な理由なしに、第五十九条の規定による命令に従わず、又は答弁若しくは受診を拒んだときは、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

特に理由ものないのに必要な書類の提出を拒んだり診察を拒んだときは健康保険の適用が受けられないことがあります。

以上の様に健康保険が適用されない場合というものは限定されています。

一言でまとめると、「業務外でかつ違法行為などではなく、怪我や病気になった場合」には健康保険は適用できるということですね。

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交通事故の場合は健康保険を適用した方がいい?

交通事故の被害者は「損害賠償請求権」を加害者に対して持つことになります。

そして、損害賠償請求権に基づいて、加害者(通常は加害者が入っている保険会社)に支払をしてもらうことになるわけです。

そのため通常、被害者は最終的な医療費を負担するわけでは無いのですがその時でも治療については健康保険の適用をすることが可能です。

では、交通事故の治療に保険適用をした方がいいのか自費診療にした方がいいのかどちらでしょうか?

交通事故に遭遇し、病院等で治療を受ける事になったときに病院側から自由診療をすすめてくることがあります。

しかし、交通事故による治療の場合は保険診療(健康保険や労災を適用する)をすることが鉄則です!

なぜなら、自由診療の場合は治療費が全額自己負担になってしまうからです。

また、自由診療は保険診療の場合よりも診察等の単価が高くなってしまうのもマイナスです(概ね保険診療と比べると2倍~4倍になるそうです)。

さらに、保険会社からの既払金は治療費のうち被害者の過失割合分に充当されるので受け取る事が出来る賠償金額が減ってしまいます(既払金については「既払金に被害者が把握していない治療費まで計上する損保」参照)。

この場合、病院は得をしますが、被害者と加害者は損になります。

以下、計算例を示すので参考にして下さい。

健康保険を適用するorしない場合の賠償金差額

過失割合:加害者80%、被害者20%
治療費:自由診療120万円、健康保険60万円
休業損害:250万円

損害のうち自賠責が120万円を支払し、既払金として治療費は損害保険会社が支払ったとします。

最終的に回収出来る金額は、
「(治療費+その他損害)×(100%−被害者の過失割合)−既払金」
で計算されます。

健康保険を適用した場合に回収できる金額は
(60万円+250万円)×(100%−20%)−60万円−120万円=68万円

自由診療の場合に回収できる金額は
(120万円+250万円)×(100%−20%)−120万円−120万円=56万円

このケースでは健康保険を使った場合のほうが12万円も賠償金額を多く貰える事になります。

病院は自由診療を薦めてくるかもしれないですが、病院側に選択権は有りません。

つまり、健康保険の使用を主張されると病院側は断ることが出来ないのです。

なので、積極的に健康保険を使っていきましょう。

 

 

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