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県民共済で子供の自転車保険を済ませようと考えている人はちょっと待って下さい!!
県民共済の自転車保険だと、共済金(保険料)の面で損をし、かつ補償が不足してしまうかもしれません。
自転車保険が義務化されつつある今、子供が自転車に乗る家庭では「自転車保険をどうしようか?」と悩んでいるのではないでしょうか。
確かに「県民共済の自転車保険」も選択肢の1つです。
しかし、問題点はさきほど挙げた通りです。
しかもその問題点は、「補償」と「保険料」という保険の根本的な部分に関する物。
「子供の自転車保険は県民共済でいいか」という安易な選択は、子供にとっても親にとっても良い事はありません。
そこで今回は、まず県民共済の自転車保険の補償内容・保険料について紹介し、その問題点について触れていきたいと思います。
県民共済の自転車保険の概要
実は、県民共済には”自転車保険”そのものは有りません。
生命共済「こども型」に加入する事で子供の自転車事故が補償されます。
自転車乗車中に子供が怪我をした場合及び他人にぶつかってケガを負わせた場合の両方が補償されます。
なお、この生命共済「こども型」では自転車事故だけでなく、日常的な怪我や他人に与えた損害も補償されます。
この生命共済には、2つのプランがあり、その保険料(掛け金)は月額1,000円と月額2,000円となっています。
年間に換算すると、12,000円と24,000円となりますね。
補償内容は、以下のようになっています(自転車事故に関する補償を抜粋)。
補償内容 | 月額1,000円 | 月額2,000円 |
---|---|---|
通院 | 2,000円/日 (90日まで) | 4,000円/日 (90日まで) |
入院 | 5,000円/日 (360日まで) | 10,000円/日 (360日まで) |
後遺障害 | 最高300万円 | 最高600万円 |
死亡 | 500万円 | 1,000万円 |
損害賠償 | 100万円 | 200万円 |
2つのプランとはいうものの、「月額2,000円プラン」は「月額1,000円プラン」の補償額が2倍になっているだけです。
さて、この県民共済の自転車保険(生命共済「こども型」)について知っていただいたところで、「なぜオススメできないのか?」について、以下で詳しく説明していきますね。
県民共済ではダメ-自転車保険の考え方
それでは本題に入りたいと思います。
まず県民共済で自転車保険を考える場合の問題点について二点。
そして、自転車保険の考え方について紹介していきたいと思います。
県民共済-補償面の問題点
自転車事故は乗っている側が被害に遭うと考えているかもしれませんが、加害者になるケースも十二分にあります。
こどもが起こす事故だからそんなに心配はいらないと考えている人もいるかもしれませんが、その認識は大きな間違いです。
下の表は、自転車で他人にケガを負わせた又は死亡させた加害者に対して、高額な損害賠償命令が下された事例を示したものです(参考:交通事故の高額賠償事例まとめ)。
賠償金額 | 事故内容 |
---|---|
約9,521万円 | 小学生が時速20km超で60代女性に衝突し後遺障害を負った事故 |
約9,266万円 | 高校生と会社員の自転車同士の事故 |
約6,779万円 | 片手で下り坂を走行中に女性と衝突し、女性が死亡した事故 |
約5,438万円 | 信号無視をして交差点に進入し、女性と衝突し女性が死亡した事故 |
約4,043万円 | 高校生が信号無視をして横断中に、オートバイと衝突し運転手が死亡した事故 |
自転車事故の損害賠償最高額である9,521万円の加害者は小学生なのです。
その他にも高校生が約9,000万円や4,000万円という損害賠償額の加害者となっています。
こういった実際の賠償金額を見てから、県民共済の生命保険「こども型」の補償額をもう一度みてください。
補償が厚い「月額2,000円プラン」でも補償額は200万円です。
どう考えても足りませんよね。
子供だからといって安易に考えてはいけないという事です。
そして、これが県民共済の自転車保険をオススメできない理由の1つとなります。
県民共済-共済金(保険料)の問題点
もしあなたが県民共済でお子様の自転車事故に備えようとしている又は備えているなら、月額1,000円(年間12,000円)又は2,000円(年間24,000円)の掛け金は非常にもったいないお金となってしまいます。
なぜなら自動車保険の中には、年額2,500円で傷害と賠償(無制限)の両方に備える事ができる物もあるからです。
さらにお子様だけでなく家族まで補償範囲となる場合もあります。
上記画像のように、加入している自動車保険に「自転車特約」と「個人賠償責任補償特約」を付帯した方が、年間1万円~2万円お得になります。
しかもこっちの方が補償も手厚いんです。
これが、県民共済の自転車保険をオススメできない2つ目の理由です。
なお、県民共済では契約者から集めた掛け金が余った場合、そのお金を毎年契約者に返還しています。
これを返戻金と言い、掛け金に対する割合の事を返戻率と言います。
返戻率は、各都道府県の決算次第で変動しますが、おおよその平均は25%ほどです。
月額2,000円プランに加入した場合だと、24,000×25%=6,000円が返還される計算になります。
年間に支払う保険料は実質18,000円前後になるわけですが、それでも自動車保険の方がお得ですね。
自転車保険の考え方
では、自転車保険はどうすればいいのか?その答えは「自転車保険は必須では無い!?補償を受けられる他の保険が有ることも知っておきましょう。」で、詳細に記載してあります。
是非参考にしてみてください。
参考記事にも記載しているように、まずは加入している自動車保険の特約でお子様の自転車事故を補償する事を考える事が効率的かつ経済的な方法となります。
つまり、子供の自転車事故について県民共済で補償を考える事は、経済的な面からも補償額の面からも残念ながらベターな方法ではありません。
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