飲酒運転の罰金・点数~酒気帯び運転と酒酔い運転の違い~

(この記事は約 6 分で読めます。)

飲酒運転

飲酒運転で逮捕されると「重い罰則」を受ける事自体は知っていると思います。

では、その罰則の具体的な内容は知っていますか?

罰金はいくらになるのか?」

「免許の点数は何点加算されるのか?」

「一発で免許停止又は免許取り消しの処分を受けるのか?」

このように聞かれると、「どうだったっけ?」と思う人が多いかもしれませんね。

そこで今回は、飲酒運転の罰則(罰金又は懲役)及び行政処分(点数)について見ていきたいと思います。

:ドライバーだけでなく、同乗者やお酒を提供した人なども飲酒運転の罰則の対象です。

なお、飲酒運転は「酒気帯び(しゅきおび)運転」「酒酔い(さけよい)運転」の2種類があり、そのそれぞれで罰則の内容が異なります。

なので、罰則内容を見る前に「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違いについて説明しますね。

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実は重罪!自転車の飲酒運転。やはり飲んだら乗るなです。

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酒気帯び運転と酒酔い運転の違い~基準値はある?~

酒気帯び運転のドライバー

「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違いは以下の通りです。

なお、酒気帯び運転には、悪質な運転者により重い行政処分を与える為に、2つの体内のアルコール基準値が設定されています。

基準の参照元
酒気帯び運転⇒道路交通法施行令第44条の三及び別表第二の備考二の2
酒酔い運転⇒道路交通法第117条の二の一号

区分判定基準
酒気帯び運転血液1mlに0.3mg以上0.5mg未満
又は
呼気1lにつき0.15mg以上0.25mg未満
血液1mlにつき0.5mg以上
又は
呼気1lにつき0.25mg以上
酒酔い運転運転手の状態

酒気帯び運転は、簡単にいうと、アルコールが呼気1Lにつき0.15㎎以上含まれている状態を指します。

体重にもよりますが、体重65㎏~70㎏ぐらいの人なら缶ビール(350ml)1本で基準値に達します。

参考:どれくらいの量のお酒を飲むと飲酒運転の基準0.15mgを超えるか?

一方、酒酔い運転は体内のアルコール量に関係無く、酒臭の強さ・目の状態・呂律がまわるか・正常な歩行能力など正常な運転ができるかどうかを総合的に判断します。

そのため、たとえ体内のアルコール量が呼気1Lあたり0.15mg未満であったとしても、正常な運転が不可能と判断されれば酒酔い運転と判断されます。

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酒気帯び運転及び酒酔い運転の罰金・点数

それでは今回の本題である飲酒運転の罰則について見ていきましょう。

手錠と法律

なお、アルコールを摂取したとしても、酒気帯び運転及び酒酔い運転に該当しない場合、つまり体内アルコールが基準値以下であり、かつ正常な運転が可能な場合は、罰則を受けません。

しかし、道路交通法第65条では、以下のようにお酒を飲んでから運転する行為は禁止されています。

これが原則的な考え方なので、基準値がどうこうではなく、お酒を飲んだら車を運転しないようにして下さい。

(酒気帯び運転等の禁止)
第六十五条 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

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酒気帯び運転の罰則

酒気帯び運転は体内のアルコール量で2つに区分されていますが、いずれも刑事責任は同じ罰則を受けます。

一方、行政責任はアルコール量によって違いがあります。

■刑事責任
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金(道路交通法第117条の二の二3号)

■行政責任
体内のアルコール量が呼気1Lにつき0.25mg以上の場合-違反点数は25点で、欠格期間2年の免許取消の行政処分

体内のアルコール量が呼気1Lにつき0.15mg以上0.25mg未満の場合-違反点数は13点で、免許停止90日の行政処分

上記の行政処分は飲酒運転のみで検挙された場合で、かつ、過去に免許停止や取消の行政処分を受けた事が無い人の場合です。

過去になんらかの処分を受けている場合は、より厳しい行政処分を受ける事になります。

これは、酒酔い運転の場合も同様です。

詳細は以下の記事を参考にしてください。

合わせて読みたい

免停(免許停止)になる違反点数と停止期間

 

免取(免許取り消し)になる違反点数と欠格期間

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酒酔い運転の罰則

酒酔い運転の場合の罰則は以下のようになっています。

■刑事責任
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金(道路交通法第117条の二1項)

■行政責任
違反点数は35点で、欠格期間3年の免許取消の行政処分

このように飲酒運転をした運転者は刑事責任と行政責任を負うことになりますが、運転手以外の人の責任はどうなるのでしょうか?

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車両の提供をした者や酒を提供した者や同乗者への罰則

お店で酔いつぶれているドライバー

車両を提供した人やお酒を提供した人(運転する事を知って提供した場合)や同乗する人(送迎の依頼や要求をした場合)は、運転手が飲酒運転で逮捕された場合には刑事責任と行政責任を負うことになります(道路交通法第65条2項、3項、4項)。

■刑事責任

運転手が酒酔い運転の場合
同乗者3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
お酒を提供した者3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
車両を提供した者5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転手が酒気帯び運転の場合
同乗者2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
お酒を提供した者2年以下の懲役又は30万円以下の罰金
車両を提供した者3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

■行政責任

運転手が酒酔い運転の場合
同乗者免許取消
お酒を提供した者免許取消
車両を提供した者免許取消
運転手の体内のアルコール量が呼気1Lにつき0.25mg以上の場合
同乗者免許取消
お酒を提供した者免許取消
車両を提供した者免許取消
運転手の体内のアルコール量が呼気1Lにつき0.15mg以上0.25mg未満の場合
同乗者免許停止90日間
お酒を提供した者免許停止90日間
車両を提供した者免許停止90日間


ここまで、ドライバーや同乗者などに対する飲酒運転の罰則について見てきましたが、紹介した内容はあくまで飲酒運転のみで検挙された場合の内容です。

人身事故

仮に飲酒運転で人身事故を起こしてしまうと、刑事責任・行政責任共により重い罰則を受ける事になります。

具体的にいうと、刑事責任においては、道路交通法違反と自動車運転死傷行為処罰法が併合し、より重い罪になります。

例えば、酒気帯び(0.15mg以上0.25mg未満)で傷害事故を起こした場合には、危険運転致傷罪(懲役15年以下)が加重され最高刑で懲役23年の罰則となります。

また、行政責任においては、前述した点数に「付加点数」が加算されます。

たとえば、事故の相手が死亡した場合には、加害者の過失によって13点又は20点が上乗せされます。

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飲酒検問で検査を拒否したらどうなる?

呼気検査を受けるドライバー

飲酒検問のアルコール検査を拒否した場合には、飲酒検査拒否罪(道路交通法第百十八条の二)が適用され、3ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金の罰則を受けます。

結局、拒否罪で現行犯逮捕され、その後アルコール検査を受けるか、令状を取って血液検査を行う事になり、その結果酒酔い運転又は酒気帯び運転の罰則も受ける事になります。

「いざとなれば警察の飲酒検査を拒否すれば良い!」と思っている人がいるかもしれませんが、罪を重くするだけです。

そもそも飲酒運転をするな!という話ですが、素直に呼気検査を受けた方が良いです。

合わせて読みたい

飲酒検知(呼気検査)拒否罪の罰金や点数

飲酒運転で事故を起こしたら自動車保険で補償される?

「飲酒運転で事故・・・。」決して有ってはならない事ですが、こんな時自動車保険では補償されるのでしょうか?

激しい車の事故

実は、被害者保護という観点から、自動車保険の対人賠償保険・対物賠償保険に関しては保険金が支払われる事になります。

しかし、それ以外の保険、たとえば車両保険や人身傷害保険などに関しては、免責事項として一切保険金が支払われません。

つまり、自動車保険の契約者の損害は自己負担となってしまいます。

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飲酒運転中の交通事故で支払われる保険と支払われない保険

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【まとめ】飲酒運転は減少傾向にあるものの・・・

「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」

飲酒運転の撲滅キャンペーンの有名な標語がありますよね。

このように飲酒運転をしないように呼びかける運動はいろんな形で行われていて、飲酒運転による事故の減少に貢献しています。

ハンドルキーパー運動」もその1つですよね。

飲酒運転の死亡事故件数の推移(出典:警察庁交通局「平成28年中の交通事故死者数について」

しかし、平成19年に刑事責任が厳罰化されて事故件数は減少したものの、それ以降は鈍化しています。

ちなみに平成21年には行政責任も厳罰化されたのですが、あまり効果が無かったようですね。

つまり、どれだけ厳罰化してもその数は0にはならない、という事です。

もちろん飲酒運転に対する厳罰化や撲滅キャンペーンは重要ですが、飲酒運転の数を0にする為には、やはり運転者1人1人がその責任の重さを自覚して、標語のように飲んだら乗らないようにしていかなければなりません。

厳罰化から10年。

もう一度飲酒運転について考える時期が来ているのではないでしょうか?

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【コラム】二重の罰則について

憲法第39条には以下のような規定があります。

同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない

このように憲法には規定されていて、飲酒運転のように刑事責任と行政責任の両方を負う事は憲法違反となるのではないかという議論がありますが、最高裁判所の判決は「刑事処分と行政処分は性質と目的が異なるので両方の責任を負わされても憲法違反にはならない」としています。

そのため運転手は行政処分と刑事処分の両方を受ける事になりますが、処分の順番(一般的に行政処分の方が先)と裁判の争い方によって違う結果になることもあります。

例えば、酒酔い運転で検挙された場合には先に行政処分として免許取消の処分を受け、その後刑事裁判で刑事責任を争う事になりますが、その際に証拠の内容や主張により酒気帯び運転に軽減される事があります。

 

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