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道路を走っていて、前方交差点の歩行者信号が点滅し赤になると、車用の信号は間もなく黄色になり、やがて赤色に変わります。
当然赤信号で交差点に侵入すると信号無視になるので交通違反です。
しかし、黄色信号で交差点に侵入すること自体は必ずしも交通違反という訳ではなく、良く見かける光景ですよね。
黄色信号になったときに停止線で止まるか、そのまま止まらずに走行するか判断に迷う状況も有るでしょう。
黄色信号での交差点信号は交通事故に繋がりやすいですので、ここでは黄色信号の意味から事故例までを見ていくことにしましょう。
黄色信号の意味
あなたは、黄色信号の意味を知っていますか?道路交通法の第2条では、黄色信号について以下の様に定めています。
車両…は、停止位置をこえて進行してはならないこと。
ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
つまり、「車は原則として、黄色信号になってから停止線を越えて走行してはいけません。
しかし、信号が黄色になった時点で停止位置が近く、止まるには急ブレーキ等が必要となり、安全に止まることが出来ない場合には、停止位置を越えて走ったとしても違反としては扱いません」という事です。
これは人によっては間違った解釈をしていることがある条文です。
この規定はあくまでも、黄色信号になった時点で停止位置が近くて安全に止まれない場合は、停止線を越えたとしても「道路交通法違反にならない」というだけです。
「停止位置を越えた場合にそのまま交差点を通過してもいい」と言っている訳では有りません。
この解釈の違いが大きな事故を引き起こすことが有ります。例えば以下の様な事例を見てみましょう。
ダンプカーが交差点近く(停止線の30m手前)で、信号が黄色になったこと及び幼稚園児2名が歩いていることを認識。
交差する側の信号が青色に変わるまでには交差点を通過できる、と楽観的な判断をして交差点に入った結果、園児に追突し死亡させた。
この事例では、運転手は業務上過失致死で逮捕・起訴されましたが、運転手のどこに問題点があったのでしょうか。
上記にある様に、信号が黄色で交差点に入ったことのみで必ずしも道路交通法違反に当たる、という訳ではありません。
しかし、園児が横断歩道を渡ろうとしている事に気付いた時点で、運転手は園児の行動に注意をしながら走行する必要が有りますよね。
また、停止線の30m手前で信号が黄色に変わっていることが分かっているわけですから、仮に停止線前では止まれないとしても、幼稚園児を轢かない様に止まろうとすべきです。
これらを怠ったことにより死亡事故に繋がっているので、運転手には注意義務違反に対して過失(過失致死罪)があると言えるのです。
車の運転は、交通ルールに違反をしていなければ何をしても良いという訳では有りません。
歩行者や周りに気を配り安全な運転をする様に心がけましょう。
コラム:点滅信号の意味
黄色信号の意味については上で説明しましたが、夜や通行量の少ない交差点によくある「黄色点滅信号」はどの様な意味があるか知っていますか?
黄色点滅信号は「注意進行」を意味しています。
つまり、「周りの交通に注意して進みましょう」という意味ですね。
青信号とは違うので、交差点で横から車が来ないとは限りません。
また、見通しの利かない交差点では徐行をする義務があります。
なお、「赤色点滅信号」は「一時停止」という意味があります。
必ず交差点前で一旦停止をして、周りの安全を確認してから進む様にしましょうね。
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