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運転中に車の窓が曇ってしまった経験をした事が有る人は多いのではないでしょうか?フロントガラス一面が真っ白になり、非常に運転しずらい状況になります。
また、曇りがなかなか取れないのでイライラしますよね。
そこで、今回は車の窓ガラスが曇る原因と対策方法を紹介したいと思います。
原因と対策を把握しておけば、「窓ガラスの曇り」に悩まされる事は無くなりますよ。
車の窓ガラスが曇る理由
車の窓ガラスが曇る原因は「結露」です。
車の窓だけでなく、部屋の窓などでも発生します。
結露とは、空気中の水分(水蒸気)が凝縮されて水滴となる現象の事です。
結露によって発生する水滴は、水滴と言っても非常に細かい粒の状態です。
それがたくさん窓ガラスに付着するため、曇っているように見えるんですね。
時間が経てば、それぞれの水滴が集合して、大きな水滴となります(上記画像の下の辺りのような感じですね)。
結露が発生する仕組み
では、なぜ結露が発生するのでしょうか?それは、空気中に含む事が出来る水蒸気量に限界が有るためです。
限界量を超えた分の水蒸気が水滴となるんですね。
この空気中に含む事が出来る水蒸気の限界量を「飽和水蒸気量」と言います。
飽和水蒸気量は気温と比例関係に有ります。
その関係を表したグラフが以下の物です(参考:http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/kukichunosuijoki.htm)。
例えば、気温20℃での飽和水蒸気量は17.3g/㎥となります。
空気中の水蒸気量がこの量を超えると結露が発生するわけです。
ちなみに、一般的に用いられる「湿度(相対湿度)」は、飽和水蒸気量に対してどれだけ水蒸気が含まれるかを表しています。
気温20度で湿度50%となっている場合は、空気中に8.65g/㎥の水蒸気量が含まれている計算になります。
乗車人数が増えると結露が発生
1人で車を運転している時には車の窓ガラスは曇らなかったのに、誰かを乗せると窓ガラスが曇り始める事って有りますよね。
その原因は人が増えた事によって空気中に含まれる水分量が増加して飽和水蒸気量を超えたためです。
人は1日に約1L(1,000g)の水分を肺(呼吸)及び皮膚表面から出しています(発汗を含みません)。
つまり、1分間に約0.7gの水分を空気中に出している計算になります。
乗車人数が2人・3人と増えれば、その分だけ空気中の水分が増加するわけです。
車の窓ガラスが曇る原因は「人」に有ったんですね。
また、人以外にも濡れた服や靴、傘なども窓ガラスが曇る原因となります。
水分が蒸発して空気中の水蒸気量が増えるためです。
外気温と車内温度の差によって結露が発生(冬場に多い)
空気中の水分量の増加以外にもう1つ窓ガラスが曇る原因が有ります。
それは「外と車内の温度差」です。
特に冬場に多いのですが、車の窓ガラスは車内温度が高かったとしても冷たい外気温によって冷やされます。
そして、冷やされた窓ガラス付近の空気も冷やされます。
また、前述したように飽和水蒸気量は気温に比例してその量を変化させます。
高い気温の時は空気中に含める水分量が多くなり、低い気温の時は少なくなります。
つまり、車内温度では飽和水蒸気量を超えていなくても、冷やされた窓ガラスの表面付近の温度では飽和水蒸気量を超えてしまい結露が発生してしまうわけです(下記表)。
外と車内の温度差が原因で発生する結露は、やはり外気温が低くなる冬場に多く見られますね。
なお、気温の寒い冬には窓ガラスの曇り以外に様々なトラブルが発生しやすいです。
冬が到来する前に車のメンテナンスを済ませておきましょう。
【参考】夏場は窓の外側が曇る事も有る
夏場にはクーラーによって車内温度が外気温より低くなっているので、冬と同じ原理で窓の「外側」が結露によって曇る事が有ります。
ただ基本的に気温が高いので飽和水蒸気量も多く、結露が発生する事は少ないです。
気を付けたいのは風通しが悪く湿気が高いトンネルなどです。
結露が発生するのは窓ガラスの外側なので、ワイパーを動かしたり窓を開けたりして曇りを取り除きましょう。
窓の曇り対策・解消方法
それでは窓ガラスの曇りの対策・解消方法について話を進めていきましょう。
デフロスターで曇りを除去
車の窓ガラスの曇りを除去する方法の1つが「デフロスター」です。
デフロスターのスイッチをオンにすれば、フロントガラス及びフロントウィンドーに温度の高い強め風が送られます。
窓ガラスの温度を高めると同時に乾燥させる事で窓ガラスの曇りを除去出来ます。
デフロスターのボタンは、上記画像の赤枠の部分のように、扇型のマークに3本の波線が入ったデザインとなっています。
車種によっては「FRONT」も表記されている場合が有ります。
リアガラスの曇りにはリアデフォッガー
リアガラスの曇りを除去するには「リアデフォッガー」を使用しましょう。
リアデフォッガーとは、リアガラスにプリントされた電熱線の事を指します。
スイッチをオンにすると電熱線に電気が流れ、窓ガラスが温まり曇りを除去する事が出来ます。
なお、車種によってはデフロスターのように風を送るタイプも有ります。
リアデフォッガーのボタンは、上記画像の赤枠の部分のように、長方形のマークに3本の波線が入ったデザインとなっています。
デフロスターのボタンと似ているので間違えないようにして下さいね。
車種によっては、上記画像のような「REAR」の文字が入っていない場合が有ります。
外気導入を利用して車内の湿度を下げる
空気が乾燥している冬場には、乾燥した外の空気を車内に取り込む「外気導入」が曇りを除去するのに効果的です。
ただし、雨が降っていて外の空気の湿度が高い場合は、外気導入ではなく内気循環の方が良いです。
湿気を取り込む事になってしまいますからね。
車内と外の湿度を考えて、「外気導入」と「内気循環」を使い分けて下さい。
「外気導入」と「内気循環」のボタンは上記画像の通りです。
外気導入は車のマークに外から中に向かって矢印が描かれています。
一方、内気循環は車のマークの中を矢印がグルッと回るようなデザインになっています。
エアコンで除湿
車の窓ガラスが曇る原因の1つは、車内の空気中に水分が多量に含まれていて湿度が高いからでしたよね。
そのため、曇りを除去するには除湿してあげれば良いんです。
車のエアコンには除湿機能が有ります。
エアコンスイッチをオンにすれば窓の曇りを解消出来ます。
エアコンのスイッチには、上記画像の赤枠の部分のように「A/C」と記載されている場合が多いです。
ボタンの一部分が点灯していれば、エアコンがオンになっている証拠です。
車の内側の窓を掃除
車の窓を掃除しても「曇り」にはあまり意味が無いと思うかもしれません。
しかし、窓が塵や埃で汚れていると水蒸気が窓に付着しやすくなってしまうんです。
そのため、窓の曇り予防としてキレイに掃除しておいた方が良いでしょう。
掃除方法は、洗剤を付けたタオルで全体を拭きます。
そして、仕上げに乾いたタオルで乾拭きをするだけです。
使用する洗剤はカー用品店で売っている専用の洗剤でも、普段洗濯などで使用している中性洗剤でも構いません。
もし専用の商品を使用したい人はカーメイトの「ガラスクリーナー」がオススメです。
掃除をする事で「曇り予防」になるばかりか、普段の視界もクリアになるのでオススメです。
車の窓の曇り止めスプレーを使用
こちらも車の窓の曇りを予防する方法です。
曇り止めスプレーは幾つか有りますが、今回紹介するのはカーメイトの「エクスクリア」です。
これ一本で車1台分の窓の曇り止めを行う事が出来ます。
効果の持続期間はおよそ2か月です。
冬を越すには2本必要になりますが、曇る度にエアコンを弄ったりしなくても良くなります。
ちなみに、このエクスクリアには窓を綺麗にするクリーナー効果は有りません。
そのため、窓の内側を掃除してから使用するようにして下さい。
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