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フリードの特徴
フリードはご存知の通りホンダ車が販売するミニバンの代表選手。
ミニバンの中でもコンパクトサイズでミニバンに慣れていない人でも運転しやすく、さりとて狭苦しく感じないようハイボディに設計することで、家族で乗っても十分な広さを確保することができています。
その上低燃費でもあるため、買い物や送り迎え、レジャーなど様々なシーンで活躍できる実用性の高いミニバンというポジションを獲得しいるんですね。
新型フリードと旧型フリードの違い
2016年版の新型フリードと旧型フリードを比較してみると、デザインや出力、燃費、安全性能、走行性能など様々な面で、新型フリードが圧倒的に有利になっているんですよ。
例えば外装や内装デザインですが、旧型の方はいかにもホンダらしいシャープなイメージの外観だったのに対し、新型ではそのシャープさも残しながらより重厚感のあるデザインになっています。
内装も旧型はナチュラルテイストを意識しながらも素材にプラスチック感が出ているなど残念なところがチラホラ見られましたが、新型フリードはそれらの弱点を全て一層、高級感のあるデザイン・質感となっています。
加えてスライドドア開口幅を20㎜広げ、ステップ高を15㎜下げることでより大開口としたことから、子供やお年寄りでも乗りやすく改良されました。
また旧型フリードのハイブリッドシステムはIMAであったのに対し、新型はi-DCD。
これにより燃費が21.6㎞/ℓから27.2㎞/ℓに向上しました。
走行性能も、背の高さからは考えられないほどしなやかで安定感があります。
更に新型フリードには歩行者検知式自動ブレーキ「ホンダセンシング」も用意されているんですよ。
フリードの価格
新型フリードには「新型フリード」と「フリード+」があり、それぞれにガソリン車「B」からハイブリッド「Gホンダセンシング」まで6種類のグレードに分けられているんですよ。
最も低価格帯なのが「新型フリードB」で209.6万円前後、新型フリード最高グレード「ハイブリッドGホンダセンシング」なら272.8万円前後。
一方「フリード+」のガソリン車「B」なら190万円、最高級グレード「ハイブリッドEX」は267.6万円となっています。
フリードの買い方
フリードの買い方としては、現金一括払い・クレジット払い・マイカーローン・残価設定クレジット払いの4つに大きく分けられます。
一括払いのメリット・デメリット
一括払いとは、フリードの車両価格から自賠責保険料、税金など購入するにあたって必要な全額を一気に現金で支払う方法ですね。
一括払い最大のメリットは、何と言っても金利など余計な費用がかからず、純粋に必要経費だけを支払って手に入れることができるということでしょうね。
加えて購入してしまえば100%自分のもの、車両保険に入るかどうかなど自分で自由に決められますし、購入してなお資金が残れば後付けでオプションを付け足すこともできます。
逆に維持が難しくなったり他の車に変えたくなったりした時には、好きな時に自由に売却することも可能です。
つまり何にも縛られず存分にカーライフを楽しめるというのも、現金一括払いのメリットでしょうね。
一方、デメリットとしては、購入時に一気に高額資金が必要になるため、その資金調達が難しい人にとっては不可能な購入方法になります。
逆に言えば、それ以外のデメリットは特に見当たりません。
とは言え唯一にして最大のデメリット、これができないから後述するクレジットやマイカーローン、残価設定クレジットなどに頼らざるを得ないわけですね。
クレジット払いのメリット・デメリット
ここで言うクレジット払いとは、信販会社などのクレジットを扱う業者がフリードの購入代金を店舗に支払い、ユーザーは決められた方法に従ってクレジット会社に毎月借金を返済していくという方法ですね。
クレジット払いのメリットとしては、後述するマイカーローンと比べて審査に通りやすいという点が挙げられます。
というのも、クレジット払いの場合前述の通り実際に購入するのはクレジット会社であり、ユーザーが支払いを完済するまではフリードの所有権はクレジット会社にあります。
ということは、万が一支払いが滞ればクレジット会社はユーザーからフリードを取り上げてしまえば良いわけで、融資するクレジット会社側のリスクが低いため、ある程度の条件さえ満たしておけば誰にでも融資してよいというスタンスなんですね。
そのため審査期間も短く、早いところなら即日結果報告というところまであるんですよ。
一方で、クレジットは他の銀行系ローンなどと比べて金利が高く設定されている点がデメリットですね。
金利相場は大体3~10%。
これは車の購入に限らずどんなローンやクレジットでも、審査に通りやすいものほど金利は高くなる傾向にあると覚えておきましょう。
また前述の通り支払いを完済するまではユーザーが車の「使用者」ですが、所有者はあくまでクレジット会社名義になるため、心理的に「手に入れた」という感覚を持てないことをデメリットに感じる人もいることでしょう。
マイカーローンのメリット
マイカーローンは主に銀行などの金融機関が扱っている商品で、車の購入費として使用するという条件で融資を受けることができます。
この場合はクレジットとは異なり、まず金融機関がユーザーに資金を融資し、その資金を使ってユーザー自身がフリードを購入します。
従って車の所有者も使用者もユーザー名義となり、クレジット払いと比べて「購入した」という感覚を得られるのもこちらと言えますね。
マイカーローンのメリットとしては、まず低金利でローンが組めるということが挙げられます。
銀行系のマイカーローンなら金利1%~というところさえあるんですよ。
そのうえ大抵のマイカーローンでは車の購入費だけでなく保険料やオプションの購入、運転免許取得など車に関連した他のことも「使途目的」として認められているため、低金利でありながら意外に利用幅が広いというメリットもありますね。
マイカーローンのデメリット
マイカーローンのデメリットは、先に挙げたクレジット払いのメリットの真逆と考えておけば良いでしょう。
つまり、審査が厳しいこと、審査に時間がかかること、手続きが面倒、といった事柄ですね。
マイカーローンの審査が厳しいのは、それだけ貸す側のリスクが高いからです。
マイカーローンの場合フリードの所有者も使用者も名義はユーザー自身にあるのは前述の通り。
しかも低金利で融資しますから、万が一返済が滞れば融資する金融機関側も少なからぬダメージを受けてしまいますよね。
従って、本当に返済能力のある人にしか融資したくないというのは当然のことで、年収や勤続年数、雇用形態、他のローンの有無など様々な条件・基準をクリアしなければ融資してもらえないんですね。
また審査が厳しいということはそれだけ審査にかける時間も長くなるということで、申し込んでから審査結果が出るまで数週間かかることもあります。
従って、購入したい日が決まっている場合、そこから審査期間を逆算してマイカーローンを申し込まなければならず、タイミング調整が必要になるというデメリットもあります。
マイカーローンの種類
マイカーローンには先ほどから例に挙げている銀行などの金融機関が扱うものと、購入先のディーラーが提供するものとがあります。
銀行など
金融機関系は銀行の他にJAバンクや信金、労金といったものがありますが、例えば労金の場合は固定金利で約2.9~3.9%、JAバンクでは約2.5~2.7%と、銀行と比べて同じくらいかやや高めの傾向にあります。
それでもクレジット系と比べればかなり低い金利なんですが、場合によってはマイカーローンを組むためには組合員にならなければならないこともあり、わざわざ出資金(入会金)を払ってまでこれらのマイカーローンを組むメリットはあまりないかもしれませんね。
それよりはむしろ、これまで取引のある銀行でのマイカーローンの方が手っ取り早く金利も低くなるはずですよ。
ディーラーローン
一方ディーラーが提供しているマイカーローンとは、トヨタやホンダなどの大手自動車メーカーのディーラーが取り扱っているローンですが、実際には提携している信販会社が融資元となっています。
ディーラーローンの場合金利はおよそ3.0~8.0%と金融機関系よりやや高めで、しかもクレジット払いの場合と同じく支払いを完済するまでは所有者がディーラー名義となるため、マイカーローンのメリットである「所有者・使用者共にユーザー名義である」というメリットがありませんね。
金利の安さからしても、やはりマイカーローンなら銀行ローンが一番お勧めでしょう。
マイカーローンシミュレーション
カーローンの利息額は、「元金×金利×借入期間÷2」で計算でき、これを踏まえた毎月の支払額は、「元金+利息額÷期間(月)」で計算できます。
では新型フリードBを切りよく200万円で購入すると仮定して、金利が2%の銀行マイカーローンを5年で組むとすると、利息額は以下のようになります。
200万×0.02×5÷2=10万円
従って毎月の支払金額は
(200万+10万)÷60ヶ月(5年×30日)=約3万5000円
一方、同じ新型フリードを金利6%のクレジット払いで購入することにした場合には、利息額は以下のようになります。
200万×0.06×5÷2=30万円。
従って毎月の支払額は
(200万+30万)÷60ヶ月=約3万8333円
ですから、金利2%の銀行マイカーローンと比べると毎月3000円以上出費に差がつくことが分かりますね。
残価設定クレジットとは?
フリードをディーラーが提供するローンで買うことに決めた場合、提案される選択肢は、通常のマイカーローンか「残価設定クレジット」か、の2つ。
マイカーローンについてはディーラーが提供するものより銀行が提供するものの方がお得になる可能性が高いことは先に触れた通りですが、もう一方の「残価設定クレジット」は、車のディーラーのみが提供する特有のローンで、新たな新車の購入方法として話題になっています。
「残価設定クレジット」とは、一言で言えば車両価格から3年~5年後の車両買取価格(残価)をあらかじめ引いた金額をローンで支払っていくという購入方法です。
「3年」と設定すればローンの支払回数は36回(3年×12か月)、「5年」と設定すれば60回(5年×12ヶ月)となりますが、最終回である36回目あるいは60回目に「①車を返却して別の新車に乗り換えてそのローンを継続する」「②残価分を支払って車を買い取り自分のものにする」「③車をディーラーに返却する」の3つの選択肢から選ぶことになります。
あらかじめ設定される残価(買取額)は大体車両価格の30~50%で、この分を差し引いた金額でローンを組み、とりあえず35回目や59回目まではこれを支払いながら新車ライフを楽しもう、というわけですね。
ただ、残価設定クレジットで誤解されやすいのが、「残価を差し引いた金額の利息額だけ支払えば良い」というもので、ネット上で「残価設定クレジットとは」と検索エンジンにかけてみるとそのように説明しているサイトもチラホラ見つかります。
しかしこれは間違いで、正しくは「35回あるいは59回までは残価を差し引いた価格に金利をかけ、支払い最終回(36回目・60回目)には残価分にかかる金利を加えて支払う」というものなんですよ。
つまり、パッと見利息が低くなるように見える残価設定クレジットですが、単に残価分の利息は最終回に据え置きされているだけであって、実際には本来払うべき利息を何らかの形で払うことになるんですね。
残価設定クレジットシミュレーション
言葉だけではわかりにくいため、ここで新型フリードBを200万円で購入する際に残価設定クレジットを利用すると仮定してシミュレーションしてみましょう。
新型フリードBの価格は200万円、残価はその30%の60万円、これを金利5%で3年(36回)払いで購入するとします。
まず35回分の支払い利息額の合計は、
(200万-60万)×0.05=7万円
すると月々の支払額は
{(200万-60万)+7万}÷35=約4万円
しかし最終回36回目は
60万+60万×0.05=63万円
を支払うことになり、合計支払額は
(200万-60万)+7万+63万=210万円
以上のようになります。
この最終回の63万円を一括で支払うか、このままローンとして分割で支払い続けて完済すれば、晴れてフリードは100%自分のものにすることができます。
一方で、とりあえずフリードを返却してフリードに対するローンをチャラにし、新たな新車を残価設定クレジットで購入することもできますし、フリードを返却してカーライフもローンライフも終わりにする、という選択肢もあります。
これが、残価設定クレジットのシステムなんですね。
残価設定クレジットのメリット
残価設定クレジットについてネットで調べてみると、そのデメリットばかりを強調しているものが目立ちますが、勿論残価設定クレジットにもメリットがあります。
まず、最終的な支払金額は一般のローンと同じになるものの、とりあえず目先の月々の支払額が安くなるうえ残価設定クレジットの場合頭金も必要ではないため、「今現在手持ちが少ない」「とりあえず月々の返済を少なくしたい」という人にとっては残価設定クレジットは魅力的でしょう。
3~5年を一区切りとして残価分が差し引かれていますから、丁度3~5年間だけ車が必要な人、3~5年後には別の新車に乗りたい人、家族が増える・転勤の可能性があるなどの理由で丁度そのころには必要とする車が変わるだろうと考えられる人にとっても、残価設定クレジットはメリットが大きいと言えますね。
また、「残価が保証されている」というのも残価設定クレジットのメリットで、これこそディーラーだからこそできる残価設定クレジットの強みとも言えるかもしれませんね。
というのも、通常の下取りであれば、買取時にもしその車の人気がなくなっていたり、新しいモデルが登場していたりすると下取り価格も下がってしまいます。
しかし残価設定クレジットの場合は購入の時点で決められた買取価格が保証されているため、例え買取時に市場価格が下がっていても最初に決めたその通りの値段で下取りしてもらえるというわけなんですね。
ただし、どんな状況でも残価通りの金額で下取りしてもらえるわけではありません。
残価設定クレジットでも、例えば車両の内外装の損傷や規定以上の走行距離になった場合などにはペナルティがついて下取り価格が下がってしまう可能性があります。
残価設定クレジットのデメリット
残価設定クレジットはパッと見月々の支払いが少なくて済むように見えますが、実は最終的には銀行のマイカーローンなどと比べると支払う利息額が大きくなる場合が多く、これが残価設定クレジット最大のデメリットと言えるかもしれませんね。
というのも、残価設定クレジットでは残価を最終回まで後回しにするわけですから、元金が減るスピードが遅くなってしまう=かかる利息が大きくなるというわけです。
その上残価設定クレジットなら特別金利としているディーラーもありますが、それでも銀行マイカーローンの金利と比べれば高めですから、どうしても最終的な支払総額で見ると残価設定クレジットの方が高額になってしまうんですね。
「残価設定クレジットのメリット」に含まれていた「残価が保証されている」という点も、裏を返せばその車の人気が急上昇しており残価以上の下取り価格が期待できる場合であっても、残価通りの価格でしか下取りしてもらえないということで、逆にデメリットにもなり得るわけですね。
明らかに残価より市場価格の方が高くなっているのであればまず残価を支払って一旦買い取ってから車両そのものは他の中古車店に売る、という手もありますが、手間ですしそもそも残価を一括で支払うだけの経済的余裕がなければできない方法ですよね。
また残価設定クレジットでは月間走行距離が決められており、これをオーバーしていると先にも述べた通りペナルティが発生します。
例えばホンダの残価設定クレジットの場合は1㎞あたり5円のペナルティ。
そのためペナルティが気になってと長距離運転ができないなどの制約や心理的負担も残価設定クレジットのデメリットとなりますね。
これは車両の損傷の場合にも言えることで、万が一事故により廃車になってしまおうものなら、車はないのに残価分まできっちり完済するまで支払い続けなければならないという最悪のケースになる可能性もあります。
加えて残価は新車と同じ状態であることが前提であるため、損傷は勿論のこと好みに改造したりオプションを取り付けたりすることもできません。
走行距離にしてもそうですが、「自分の車なのに好きなように乗れない」というのが、残価設定クレジットの大きなデメリットですね。
マイカーローンと残価設定クレジット・どちらがお勧め?
ではまとめとして新型フリードを購入するとすれば、マイカーローンと残価設定クレジット、どっちがお勧めなのか?
というと、幾つかの特定のケースを除けば基本的にはマイカーローン、それも銀行マイカーローンが特にお勧めでしょう。
ここで言う「残価設定クレジットに向いている特定のケース」には、例えば常に最新の新車に乗りたい場合や3年~5年の短いスパンで車を乗り替えたい場合、あるいはそのくらいの期間しか車を必要としないけれどその間新型フリードに乗りたい!という場合などが挙げられます。
残価設定クレジットは短期的にはお得になるという特徴から考えられるケースですね。
しかし新型フリードの購入を考えている人の殆どは、できるだけ長く乗り続けたいと思っている人が殆どでしょうから、やはり残価設定クレジットには向いていませんね。
残価設定クレジットによる支払い総額と銀行マイカーローンによる支払い総額を先ほどの「残価設定クレジットシミュレーション」の例で比べてみると、残価設定クレジットでは前述の通り210万円なのに対し、金利2%の銀行マイカーローンであれば206万円。
利息額に4万円の差がついてしまうんですね。
しかもこれは新型フリードの中でも最安値の場合を例にとって考えているため、300万円以上する新型フリードの最高レベルのものになると、その差はもっと大きくなるはずですよ。
それに新型フリードは「家族でお出かけ」というシーンで使用されることの多い車種ですから、残価設定クレジットの「走行距離の上限がある」というのはかなり使い勝手の悪い条件ですよね。
ミニバンでありながら走りやすいのも新型フリードの特徴ですから、家族の中に他にもフリードを運転する機会のある人がいれば、知らない間にあっという間に残価設定クレジットの設定走行距離を大幅にオーバーしてしまうかもしれません。
何よりせっかく思い切ってかった憧れの新型フリードなのに、残価設定クレジットのせいで好きなように乗れないなんて残念ですよね。
従って、新型フリードを自由にできるだけ長く乗りたいなら、残価設定クレジットよりマイカーローンがお勧めというわけなんですね。
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