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走っている車と歩行者との衝突事故は、一般道で起きるものばかりと思うかもしれませんが、高速道路上でも歩行者との衝突事故は起きます。
高速道路上でよく発生する衝突事故パターンとしては以下の3つが考えられます。
- ①高速道路に侵入した歩行者との事故
- ②故障車から降りた人との事故
- ③工事現場で作業中の人との事故
それぞれの事故について、歩行者の基本的な過失割合を見ていきましょう。
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①高速道路に侵入した歩行者との事故
高速道路では人が歩いている事は想定されていないですから、自動車は速い速度で走行しています。
また法律により、歩行者はもちろん、自転車等の軽車両や原動機付自転車、125CC以下の自動二輪車も高速道路に立ち入る事は出来ません。
(道路法第48条の11、高速自動車国道法第17条)
危険な上に禁止されている以上、歩行者の方に細心の注意が求められますし、事故が発生した場合には歩行者の過失割合が一般道の場合よりも多く判断されるのは当然の事と言えるでしょう。
イメージ図の様に、歩行者が高速道路に侵入して車に轢かれた場合、基本的に歩行者の過失割合が80%となります。
歩行者は高速道路に入ってはいけないので走行車と比べると過失割合がかなり大きくなります。
そもそも、「普通は高速道路に歩行者が侵入することはないだろう」というのが一般的な感想だと思いますが、NEXCO東日本によると平均して1日4件程度「高速道路に人が立ち入っている」という通報があるようです。
想像以上に高速道路に立ち入る人は多いので、運転者ももしかしたら歩行者がいるかもしれない、という心構えは必要ですね。
②故障車から降りた人との事故
高速道路を走っていて自動車が故障してしまった場合、三角表示板を置いたり後続車に追突されない様に車外に出る事になります。
そしてイメージ図の様に、車外に出た時に後続車に不運にも追突された様な場合、歩行者は上記の様に法律に違反して高速道路に侵入した訳ではない点や、歩行者は車外に出る必要がある点も考慮して、過失割合は50%となります。
ただし、この基本的過失割合は緊急措置を取るためにある程度故障車から離れる場合を想定したものなので、故障者付近にいる同乗者については約20%となります。
③工事現場で作業中の人との事故
高速道路で工事をしているとき、工事現場で作業中の人と接触事故を起こすこともあります。
この場合は、走行車は工事をしていることについて遠くから掲示板等で把握できますし、ある程度は工事は目立つことから注意ができるという前提で、歩行者の過失割合は30%となります。
過失割合が増減する場合
上記で紹介した事例の過失割合は基本となる割合です。
歩行者や走行車の事情によって割合は増減することになります。
歩行者の過失割合が増える要素としては、夜間や雪が降っている為に視界が悪悪い、交通量が多い、その他歩行者に著しい過失がある場合などがあります。
一方で歩行者の過失割合が減る要素としては、走行車に著しい過失や不注意があった場合です。
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