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クラシックカーには、希少価値や現代には無い車のフォルムなど何事にも変えられない魅力が有る一方で、維持するのに手間・費用が掛かる難点も有ります(それがまた良いと言う人も多いと思いますが)。
特に修理費用については、既に製造が終了している部品も多く、一般的な車両より高額になってしまいます。クラシックカーの愛好家とはいえ、コストはなるべく抑えたいはずです。
そこで考えられるのが自動車保険の車両保険です。ただクラシックカーの場合、自動車保険は契約出来ても、車両保険の付帯を断られるケースが多いんですね。やはり、時価額が算定しにくかったり、支払う保険金が膨大になってしまうからです。
注:車両保険の付帯を必ず断られるわけでは有りません。車両を査定し、相談の上、付帯出来る事も有ります。
しかし、自動車保険の中にはクラシックカー専用の自動車保険が有るんです。
提供している保険会社は代理店型のCHUBB損害保険(旧エース損害保険)です。
今回はこのクラシックカー保険について解説していきたいと思います。
この保険でクラシック愛好家のみなさんの悩みも1つ減るのではないでしょうか?
当記事の情報は、2017年3月1日以降用のCHUBB損害保険のパンフレット等を参考にしています。
クラシック・カーとは?旧車やビンテージカーなどとも呼ばれます
クラシック・カーに明確な定義はないですが、一般的には国産・外車に関係なく「1970年代以前に製造された自動車」を指しています。
旧車(きゅうしゃ)と呼んだり、ヒストリックカーと呼ぶこともあり、中でも1919年から1930年に製造されたものは「ビンテージカー (Vintage car) 」として愛好家の中では人気があります。
冒頭でも書いたように、修理部品の調達が困難であったり維持費用が新車と比べて高額になるという難点が有りますので、クラシックカーはあくまでも趣味の一環として購入する方が多いです。
また、メンテナンスも頻繁に必要となるので、本当にクラシック・カーが好きな人でないと付き合っていくのは難しいですね。
維持費用のかかるクラシックカーですが、税制面で少しだけ優遇される事が有ります。
というのも、クラシック・カーは自動車の発展の先駆けとなった時代のもの、つまり「歴史的産物」です。
年式の古い車を守っていこう、という意味で税制が優遇されているのかもしれませんね。
ちなみに、東京都では1945年(昭和20年)までに製造された自動車を「ヴィンテージカー」として、自動車税の減免制度を取り入れています。
お住まいの自治体でもこのような制度が有るかもしれませんのでチェックしてみましょう。
しかし、その一方で自動車重量税については税金が加重される制度が採用されています。
初年度登録から13年経過及び18年経過した車両の自動車重量税はやや高くなっています(参考:国土交通省)。
国と地方自治体で矛盾した制度が採用されているのは不思議ですね。
先進国のクラシックカーに対する制度を見てみると、イギリスでは1973年以前の自動車は税金が免除されていますし、オーストラリアではクラシック・カー専用のナンバープレートが使えたりするなど、国レベルで優遇制度が採用されています。
日本もこれに習ってクラシックカーに対する制度を緩くしても良いと思うんですけどね。
CHUBB損害保険のクラシック・カー保険の内容
クラシック・カーは上記の様に趣味で所有する人が多く、日常生活で乗るというよりは週末に少し乗るだけという方がほとんどです。
そのため年間の走行距離は少ないのに、一般的な保険会社では保険料がどれもあまり変わらないというデメリットがあります。
また、クラシックカーは【単に古い車】というジャンルでは区切る事が出来ない価値を秘めています。
車によっては一般的な新車よりもはるかに高額で取引されるものもあるほどですからね。
しかし、このような見えない価値について一般的な任意保険ではカバー出来ていないことが多く、事故時に加害者から十分な修理費が出ずに自己負担で高額な修理費が必要となる可能性があります。
そこで、これらのデメリットに対応し、クラシックカーに対する保険に特化して使用実態に合った保険料を実現したのが、CHUBB損害保険(旧エース損害保険)の「クラシックカー保険」です。
Chubb損保のクラシックカー保険の紹介ページには以下のように記載されています。
製造から25年以上経ったお車に対して市場価格を考慮した金額で車両保険を提供することが可能です。
通常車両保険に加入することが難しい車両保険について、チャブ保険のクラシックカー保険ならお車の市場価格、コンディション、保管状況等を考慮し、豊富なノウハウに基づいたコンサルティングにより、ご契約金額の協定をさせていただきます。
これによって適切な車両保険金額で契約することが可能となり、万が一の事故の際も安心です。
上記を読めば分かるように、一般の任意保険では反映することが出来ない、貴方のクラシックカーの価値を反映した上で車両保険金額を出してくれます。
専門家が適切な金額を出してくれるなら安心ですね。
但し、以下の二点には注意して下さい。
- ①必ず車両保険を付保出来るわけではないこと
- ②車両価値によっては保険料が高くなる場合があること
加入条件のセクションでも書いているように、クラシックカー保険への加入は車両保険を付保している事が条件です。
なので車両保険の付保を断られた場合にはそもそもクラシックカー保険への加入は出来ません。
わざわざ販売ページで「通常車両保険に加入することが難しいクラシックカーでも適切な車両保険金額を付保します!」と記載しているわけですから、CHUBB損害保険は他の任意保険会社と比べても、クラシックカーに保険をかける事に対する理解が進んでいるのでしょう。
従って、普通の任意保険よりは車両保険も付保しやすいという事が想像できます。
しかし、CHUBB損害保険も利益を出さなければなりませんから、折り合いが付かない車にまで車両保険の付与を認める事はないでしょう。
なので、必ず車両保険を付保できる!とは思わないほうが良いでしょう。
気になる方は一度CHUBB損害保険に問い合わせてみて下さい。
また、保険料に関してですが、高めの保険料が設定される可能性があることも理解しておきましょう。
特に時価が高いクラシックカーの場合には、保険料が高額になる可能性もあります。
その辺りも含めて一度問い合わせてみる事をおすすめします。
クラシックカー保険の加入条件
クラシックカー保険に加入するには、下記の4つの条件を満たす必要があります。
- 製造から25年以上が経過した国産車および輸入車
- 年間走行距離が5,000km以内
- 通常走行が可能な状態にある登録車両(ナンバープレートの付いた車両)
- 車両保険が付保されること
どれも一般の自動車保険の加入条件とは異なる特殊なものですね。
これらの条件が一つでも欠けると加入する事ができません。(年間走行距離が5,000kmを超えると次年度に更新が出来なくなります。)
条件によっては保険料の割引制度も使える!
日常生活ではほとんどクラシックカーに乗らず、駐車場に大事に保管していることが多いという状況で高額な保険料を払うのは嫌ですよね。
そこでクラシックカー保険では使用実態を考慮し、20%の保険料割引制度が採用されています。
■割引条件
- 1975年以前に製造された車両
- 年間走行距離2,000km以内
また、クラシックカー保険の車両保険では、車の市場価格やコンディション・保管状況等を考慮した上で、保険金額を決める事になります。
そのため、適切な保険金額が設定されるので事故時の高額な自己負担を避けることが出来ます。
なお、現在加入している自動車保険の等級も継承することができます。
クラシックカー保険の注意点
注:「クラシックカー保険」はCHUBB損害保険(旧エース損害保険)の「家庭用自動車保険」のペットネームの一つで、基本的な補償内容やロードサービス等は家庭用自動車保険と同様になります。
イメージ的には、車両保険部分をクラシックカーに合わせた仕様で契約できる自動車保険という感じでしょうか。
CHUBB損害保険(旧エース損害保険)の家庭用自動車保険の概要と口コミ・評判で保険の内容について詳しく解説していますので参考にしてください。
クラシックカー保険の口コミ・評判
・クラシックカーなので他の保険会社より安くなると思い、見積もりをお願いしたら6万弱だった。
思った以上に安かったです。
・走行距離制限が厳しいかなと思う人もいるでしょうけど、他の保険会社ではそもそも引き受けて貰えない事が多いという現状からいくと、やはりいい保険ですね。
・車両価格(時価額)の割には保険料が安かったので、ここと契約して良かったです。
・クラシックカーを持っている人はこの保険が一番!見積りもしっかりとしてくれるので安心です。
・クラシックカー保険の見積をしてもらったら、毎月のローン返済額より高く、安さを感じなかったです。
・事故受付の方や事故の担当者などの間で情報の伝達や共有がきちんとされていない様で、同じことを何回も説明することがありストレスを感じました。
まとめ
クラシックカーを事故などから守りたい!と思っているオーナーの方には、このクラシックカー保険がオススメです。
必ず!という訳ではありませんが、他の損保会社と比べれば車両保険を付与できる可能性は高まるでしょう。
大手の保険会社でクラシックカーへの車両保険の付保を断られたのであれば、一度問い合わせて見ることをおすすめします。
なお、ロードサービスを受けるには人身傷害保険を付帯させなければなりません。
その他にもJAFやクレジットカードのロードサービスという手も有るので検討してみて下さいね。
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