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(出典:アメリカンホームダイレクト)
アメリカンホームダイレクトは外資系の保険会社で、日本で初めて自動車保険の通販を開始したダイレクト型の保険会社です。さらにリスク細分型の自動車保険の販売もアメリカンホームダイレクトが最初に始めました。
保険の自由化以後、安い自動車保険という選択肢ができたのは、アメリカンホームダイレクトのおかげと言っても過言ではありません。
現在のダイレクト型の自動車保険の先駆けとなったアメリカンホームダイレクトですが、2016年4月1日をもって自動車保険を含めすべての保険商品の販売を終了しました(自動車保険の契約更新は2016年11月末まで)。
そこで今回は、アメリカンホームダイレクトが自動車保険の販売を終了した経緯とそれまで販売していた自動車保険の補償内容やサービスなどについて紹介したいと思います。
なお、補償内容などの情報は、2016年1月1日以降の契約を対象にした重要事項説明書等に基づいて作成しています。
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アメリカンホームダイレクトは2016年4月をもって販売終了!その経緯は?
冒頭でも紹介したように、アメリカンホームダイレクトは2016年4月から自動車保険の販売を終了しました。それに伴って、2016年11月末をもって契約更新も行わない事が発表されました。
契約者の方には、アメリカンホームダイレクトから販売終了及び契約更新についてのお知らせが届いているはずです。
販売終了の決定に至った経緯については、プレスリリースにて以下のように発表されています。
AIG グループ内での事業構成の簡素化を進める一環によるもので、顧客サービスの品質を保ちつつ、効率的な事業運営を更に進め、グループ内のリソースや専門性を集約することにより、より価値のある商品やサービスをグループとして提供することを目的としています。
アメリカンホームダイレクトがAIGグループの一員だった事はご存知だったでしょうか?AIGグループは100以上の国・地域で保険を販売している世界最大規模の保険グループです。
実は、日本にはアメリカンホームダイレクト以外にもこのAIGグループに所属している保険会社が有るんですね。それがAIU損害保険と富士火災です。この狭い日本に同じグループの企業が3つ、しかも同じ保険商品を扱っていたんですね。
もちろん、ダイレクト型と代理店型という棲み分けはしていましたが、非効率と言えば非効率です。そのようなグループ内の問題を解決するために、アメリカンホームダイレクトでの保険商品の販売終了に踏み切ったようですね。
さらにそれだけでなく、2018年1月にAIU損害保険と富士火災の合併が予定されています。この合併が完了すると、日本で自動車保険を販売するAIGグループの保険会社は1社「AIG損害保険」だけとなります。まさに事業の「簡素化」「効率化」が図られるわけです。
交通事故を起こしてしまったらちゃんと補償される?
補償されます。契約が満期を迎えるまでの交通事故については、アメリカンホームダイレクトが責任をもって対応してくれます。
満期日が迫ってきてるけど、どうしたら良い?
アメリカンホームダイレクトで契約更新が出来ないので、その他の保険会社と契約手続きを行う事になります。特別な手続きは必要有りません。自動車保険の見積・比較をし、気に入った保険会社で申込手続きを行って下さい。
なお、アメリカンホームダイレクトでは顧客満足度が高いソニー損保との契約を勧めています。更新2ヶ月前になると、ソニー損保の自動車保険の案内が送付されてきます。ただし、ソニー損保と契約するかは自由です。ご自身が納得できる保険会社を選ぶようにして下さい。
以上、アメリカンホームダイレクトの自動車保険の販売終了に関する情報でした。ここからはこれまで販売されてきたアメリカンホームダイレクトの自動車保険の補償内容等について紹介していきます。
アメリカンホームダイレクトの自動車保険の補償内容
アメリカンホームダイレクトが提供している保険内容を一覧形式で紹介します。
最終更新日:2017年4月3日
アメリカンホームダイレクトの自動車保険は「対人賠償保険・対物賠償保険」の2つを基本補償としています。この2つを軸にオプションの特約を付帯していく感じですね。人身傷害保険に関しては、表にも記載していますが、補償範囲を”搭乗中のみ”に制限するオプションはありません。
また、車両保険に関しては他社と違い3つのタイプが用意されています。ロードサービスや代車費用補償などを手厚くしたい人の為に一般車両ワイドが用意されています。
その他気になる特約をピックアップして紹介しますね。
入院時ペット諸費用補償特約及びペット臨時費用補償特約
この2つの特約は、ペットサポート特約としてセットで付帯する事になります。どちらか片方だけという事は出来ないようです。
補償内容はペットも搭乗中の自動車事故でペットが怪我をしたような場合に、治療費や入院費などを補償してくれます。また買主が入院などで世話が出来ない場合のペットシッターやペットホテルの費用を補償してくれます。
最近は車の窓からペットが顔を出しているようなかわいいシーンをよく見かけます。常にペットと一緒に行動する人が増えているのでしょうね。家族に近い、いやむしろ家族といっても過言ではないペットの補償もこの特約がカバーしてくれます。
IDガード特約
この特約では、クレジットカード・キャッシュカードが不正利用された場合の損害補償や被害の相談・対応に必要な弁護士費用、またカード使用中に襲われたような場合の怪我などの治療費が補償されます。
最近はインターネットでの買い物をする人も増えてきていますので、クレジットカード等の不正利用も増えてきています。こういった被害に備えて、この特約を付帯しておくのも有りかもしれませんね。
ちなみに、この特約は自動車保険ではアメリカンホームダイレクトとAIU保険会社などでしか取り扱っていませんので注目の特約です。
アメリカンホームダイレクトの事故対応
以下、アメリカンホームダイレクトの主だった事故対応内容です。
- 24時間365日対応の事故受付 *1
- 0時~21時までに受付完了なら即日対応 *1
- GPS確認サービス有り
- 事故現場対応サポート(相手が有り、現場に30分以内に到着できる場合のみ) *2
- 保険金支払い迅速化の為の必要書類省略サービス
- 示談交渉代行や交通事故証明書など必要書類の無料取得代行
- 約580ヶ所の修理工場ネットワーク
*1:事故受付からの初期対応■
事故受付は24時間365日行っており、さらに土日祝日に関係なく事故受付が21時までに完了していれば、相手への連絡や修理工場の手配などの初期対応を行ってくれます。
(出典:アメリカンホームダイレクト)
事故が起きて、即対応してくれるのは、契約者にとって非常に安心できるサービスですよね。ただし、その後の示談交渉などの時間は平日の9時~17時までのようなので、この点はやや不安が残ります。平日の9時~17時に限定されると、平日に仕事をしている人などは現在の状況を把握出来ませんからね。
ちなみに、その点を補う為にインターネットの契約者ページから事故対応の進捗具合や保険金の支払い状況などを確認できるようになっています。
事故担当者が自宅に訪問して事故対応の打ち合わせなどを行うサービスはありませんが、1事故1専任制のシステムで事故対応をしているので、担当者に来てほしい事を伝えると対応してくれるでしょう。
*2:事故現場対応サポート
事故現場では怪我人への応急処置、警察や保険会社への連絡、後続車の整理など、やらなければならない事がたくさんあり、事故後の緊張状態では冷静に対処する事ができません。
なので、事故現場で後処理をサポートするためにロードサービスのスタッフが急行します。ただし、相手方のいる事故で30分以内に到着できる場合のみのサービスとなっています。
交通事故の現場で加害者に課せられる緊急措置義務や警察への報告義務
アメリカンホームダイレクトのロードサービス
アメリカンホームダイレクトのロードサービスについて見ていきましょう。
- レッカー無料距離:50km(アメリカンホームダイレクト指定工場なら距離に関係なく無料)*1
- 帰宅手段・緊急宿泊先案内サービス(手続・費用は契約者負担)
- ガス欠など様々な車のトラブルに対応 *2
- サービス拠点は9,600ヶ所以上
*1:レッカー牽引について
レッカーサービスは契約者が工場を指定する場合は50㎞まで無料となり、指定していしない場合には距離に関係なく無料になります。ただし、移動する際の高速道路の料金などは契約者負担となります。
また、契約者はレッカー作業車に搭乗する事ができないので、トラブル現場に残る事になってしまいます。アメリカンホームダイレクトのロードサービスにはこういった場合の移動費用や宿泊費用を補償してくれるサービスはありませんので、車両保険を一般車両ワイドとする事でこれらの費用をカバ-する事になります。
車両保険が一般車両ワイドでは無い場合には、現場に置いてけぼり、かつ移動費用等を負担しなければならなくなるので注意してください。
*2:ガス欠など様々な車のトラブルに対応
自動車を運転していると小さいトラブルはちょこちょこ起きます。ガス欠や脱輪やキー閉じ込みなどがその一例です。こういったトラブルにロードサービスは対応してくれます。
(出典:アメリカンホームダイレクト)
このトラブル対処もしっかりと他社と比較しておく必要があります。アメリカンホームダイレクトは、例えば、ガソリンのお届けサービスが契約1年目では有料、2年目以降無料となります。また、脱輪の引き上げ作業は、タイヤ1本なら無料ですが、2本目からは契約者負担となります。
別の保険会社のロードサービスでは、ガソリン代が1年目から無料であったり、脱輪は3本まで無料などといった場合もあります。微妙な違いではありますが、こういった細かい点もチェックする事で満足の行く自動車保険を選ぶ事ができます。
アメリカンホームダイレクトの保険料の割引制度
アメリカンホームダイレクトには保険料割引制度と複数契約割引とリスク細分型割引が存在しています。
種類 | 割引内容 | 備考 |
---|---|---|
インターネット割引(新規見積・申込) | 10%(最大20,000円) | *1 |
インターネット割引(新規申込) | 5%(最大10,000円) | *1 |
インターネット割引(継続) | 5%(最大10,000円) | *1 |
お早め契約割引 | 5% | *1*2 |
ゴールド免許割引 | 15% | - |
証券不発行割引 | 500円 | - |
複数契約割引 | 7% | *3 |
リスク細分型割引 | 使用目的割引 運転者限定割引 年齢条件割引 年間走行距離による保険料算定 等級別料率制度 料率クラス制度 | - |
*1 インターネット割引とお早め契約割引は併用する事はできません。
*2 7等級以上、かつ初回見積と同日に申込をすると適用されます。
*3 2台目もアメホで契約する事で割引され、さらに1台目も継続契約すると適用されます。
最大割引額20,000円のインターネット割引は、他社と比べるとかなり大きい額なので魅力の1つとなっています。が、保険料の10%となりますので、どれだけの割引を受けられるのかを実際に見積もって確認した方がいいでしょう。保険料に関係なく一律の割引額を適用する保険会社もありますからね。
アメリカンホームダイレクトの自動車保険を知人・家族に紹介した場合には紹介した人と紹介を受けて契約をした人に500円分の図書カードをプレゼントされます。
(出典:アメリカンホームダイレクト)
その他契約者限定のお得なサービスがあります。ホテルやレジャー施設をお得な料金で利用する事ができるサービスです。たくさんのサービスが用意されていますのでアメリカンホームダイレクトを契約したら利用してみてくださいね。
(出典:アメリカンホームダイレクト)
アメリカンホームダイレクトの顧客満足度
ここでは2014年に発表されたオリコンの自動車保険満足度ランキング2014のアメリカンホームダイレクトの満足度を紹介します。
種類 | 順位 |
---|---|
総合部門 | 8位 |
保険料部門 | 8位 |
ロードサービス部門 | 8位 |
事故時、コールセンターの対応部門 | 10位 |
事故処理対応部門 | 7位 |
保険金支払いまでのスピード | 10位以下 |
突出して高評価を受けている項目はありませんが、保険金の支払いスピード以外では穴の無いサービスを提供している事が表からわかりますね。
ダイレクト型の自動車保険なので、事故処理やロードサービスに不安を持っている人もいるかと思いますが、アメリカンホームダイレクトにそういった不安は必要ないのかもしれませんね。
アメリカンホームダイレクトの口コミ・評判
・事故の対応が迅速・丁寧で問題無く処理をしてくれた。私への心配に留まらず、相手方にもしっかり配慮してくれて、一切問題が起きずに解決してくれたので感謝しています。
・今までディーラーに勧められるままに代理店型の自動車保険を契約してきたけど、去年初めてアメホをインターネットで見積をして驚愕の結果に。今までの保険料を返して欲しい。
・タイヤがパンクしてしまって、ロードサービスを頼みました。すぐにロードサービスの人が来てくれてスペアタイヤに交換してくれました。タイヤの交換ってあんなに早くできるんだと感心しちゃいました。
・ダイレクト型はやっぱり保険料!その他にも安いダイレクト型はあるけど、アメリカンホームダイレクトは間違いなく選択肢の1つになると思います。
・車両が故障してしまいロードサービスを頼んだが、到着まで数時間かかり真冬だったので本当に悲惨だった。
・平日の対応には文句は無いけど、休日・夜間はアルバイトかってぐらい対応が悪かった。担当者によってサービスの質が違うのはいかがなものか。
・ロードサービスが微妙かな~。良い所と悪い所が半々って感じ。トラブル次第では困る事になりそう。
・事故時の対応1つ1つが遅いと感じた。もう少しテキパキと話を勧めてくれないと仕事に集中できない。
その他の口コミ
・アメリカンホームダイレクトってすっごい略しやすいよね。アメホ。社名考える時に略称まで考慮したのかな~。最近合併した保険会社に比べるとセンス違うよね。
・代理店型とダイレクト型の比較ばっかり考えてたけど、共済とはどう違うんだろう?
まとめ
日本に自動車保険の新しい風を吹き込んだアメリカンホームダイレクト。しかし、2016年4月をもって自動車保険の販売を終了しました。少し寂しい気持ちになりますね。
しかし、アメリカンホームダイレクトのサービス精神等は、同じグループ会社同士の合併によって生まれる「AIG損害保険」に引き継がれるはずです。契約者だった人はこの新しい自動車保険に期待しているかもしれませんね。
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