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リスク細分型自動車保険とは、契約ドライバーやその他の属性をリスクとみなし、そのリスクに応じて自動車保険料が算出されるタイプの自動車保険の事を言います。
テレビCMで以下のようなセリフを聞いた事が有りますよね。
「保険料は走った分だけ!」
「ゴールド免許の人なら保険料は○○円!」
これらは「リスク項目」の一例です。
年間(予定)走行距離や免許の色で保険料が変わりますよ、という事を意味しているんですね。
その他にも様々な項目でリスクが細分化されています。
そして、代理店型・ダイレクト型を問わず、ほぼ全ての自動車保険がこの「リスク細分」の考え方を導入しています。
そのため、自動車保険を契約するにあたっては、以下のようなポイントを基礎知識として押さえておく必要が有ります。
- リスク細分型自動車保険とは何なのか
- 細分化されているリスク項目
- 保険料への影響
そこで、今回はリスク細分型自動車保険の上記のポイントについて説明したいと思います。
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リスク細分型自動車保険とは
リスク細分型自動車保険とは、契約ドライバーやその他の属性をリスクとみなし、そのリスクに応じた自動車保険料が算出されるタイプの自動車保険の事でしたね。
リスク細分型自動車保険における「リスク」とは、自動車事故を起こすリスク(確率)の事を言います。
そして「細分」とは、このリスクを色んな項目毎に分ける事を意味します。
どのような項目があるかというと、例えば、「年齢、住所、走行距離、使用目的、車種、運転者、免許の色」などがあります。
さらに、それぞれの項目毎にリスクの「高低」が設定されています。
リスクの高低の一般的な目安は以下の通りです。
リスク | 高い | 低い |
---|---|---|
年齢 | 10代~20代 | 30代~50代 |
住所 | 大都市 | 田舎 |
走行距離 | 多い | 少ない |
使用目的 | 通勤 | レジャー |
運転者 | 家族や他人も運転 | 本人のみ |
免許の色 | グリーンやブルー | ゴールド |
リスクが高い場合には保険料は高く計算され、低い場合には保険料は低く計算されます。
このように項目毎のリスクを考慮して、保険料の計算を行うのが「リスク細分型自動車保険」です。
例えば年齢条件で言うと10代~20代の若年層世代の方が無茶な運転をしますし運転に慣れていない事も有り30代~50代の熟練世代と比べると事故を起こす確率は高くなります。
そのため10代・20代はリスクが高いため保険料は高くなります。
免許の色で言えばゴールド免許を持っている人は少なくとも5年以上は無事故・無違反を続けているため、ブルー免許やグリーン免許の人と比べるとこれからも事故を起こす可能性は低いと判断され保険料は安くなります。
【参考】「リスク細分型自動車保険」が導入されたのは保険の自由化以後
リスク細分型自動車保険が登場したのは、1998年の保険の自由化以後です。
それによって、自動車保険料の計算方法が大きく変化しました。
それまでは、各自動車保険会社は自動車保険料率算定会が規定した料率の使用義務があったため、各社保険料の金額は同じでした。
つまり、車種等の条件が同じであれば、保険会社がどこであろうと保険料は同じだったんですよ!
それがリスク細分型自動車保険の登場によって、契約者の個々の条件によって、保険料に差が生まれるようになっていきました。
今ではほとんどの自動車保険会社がリスク細分型の保険料算出方法を採用しています。
リスク細分型の自動車保険だと保険料は安くなる??
保険の自由化以降、リスク細分型の自動車保険が登場し、保険料が安くなっていく傾向にあったため「リスク細分型の自動車保険は安い」という認識をされている人がいます。
しかし、厳密に言うとそれは違います。
保険料が安くなっていったのは、リスク細分型の自動車保険の恩恵というより、ダイレクト型自動車保険会社が増えてきた事による要因の方が大きいのではないでしょうか。
ダイレクト型の自動車保険は、代理店を介さずにインターネットや電話で直接契約を結ぶ形式を採用しています。
そのため、代理店を構えるコストや人件費が掛からないので、自動車保険料が安くなるんですね。
じゃあリスク細分型では自動車保険料は安くならないのか!?
というと、それはケースバイケースです。
リスク細分型自動車保険は「事故を起こすリスクが低い人は保険料を安く、事故を起こすリスクが高い人は保険料を高く設定」します。
そのため、保険料が安くなるのか、それとも高くなるのかは”契約者”によって違うのです。
自動車保険会社が設定しているリスク項目において、リスクが低いと判断された数が多ければ多いほど、保険料は大幅に安くなります。
また、反対であれば高くなっていきます。
見積もりが大事な理由!リスク細分項目は自動車保険会社によって様々
保険料の計算方法は各会社によって違います。
またリスク細分型の自動車保険と一言でいっても、自動車保険会社により設定している項目に違いがあります。
また、同じ項目を設定していたとしても、保険料への影響度合いが異なります。
ここでは分かりやすくるすために、具体的にソニー損保と東京海上日動を例にして、リスク細分型項目を簡単に比較してみます。
ソニー損保 | 東京海上日動 | |
---|---|---|
走行距離 | ○ | × |
免許の色 | ○ | ○ |
使用目的 | ○ | ○ |
年齢 | ○ | ○ |
運転者 | ○ | ○ |
車種・型式 | ○ | ○ |
2つの損保を比較してみると、走行距離をリスクの要因として捉えるかどうか、といった点に違いがありました。
ソニー損保は走行距離を重視して保険料を算出していますが、東京海上は走行距離を全く考慮せずに保険料を算出しています。
また、両社とも残りのリスク要因は考慮していますが、保険料への影響が異なります。
たとえば、免許の色です。
両社とも「ゴールド免許割引」を採用していますが、ソニー損保は約10%の割引、東京海上日動は約7%~12%の割引です。
このように同じ項目を採用していてもその内容に違いがある場合もあります。
参考:「主要保険会社のゴールド免許割引のまとめ」
リスク細分型といっても、いろんな自動車保険を比較してみないと保険料はわからないという事がわかりますね。
自分のリスクにもっとも適した自動車保険を選ぶ事!それがリスク細分型の自動車保険において、保険料を大幅に節約するポイントの1つです。
たくさんの自動車保険会社がありますので、保険料を安くするために色んな自動車保険を見積・比較してみてくださいね。
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