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搭乗者傷害保険とは、契約車両に搭乗している人(*1)が自動車事故で死傷した場合に、契約時に設定した定額の保険金が支払われる保険(特約)です。
*1 運転手を含めた、契約車両の搭乗中の全ての人が補償されます。よって家族に限定されるといった事はありません。事故に遭った時に車に乗っていた人たちが補償の対象です。
実損てん補型の人身傷害保険とは違い、定額(部位別や日払い等)で支払われるので、損害額を確定させるための調査や示談を待つ必要がなく、保険金をスピーディーに受け取れるというメリットが有ります。
「人身傷害保険」の上乗せ保険というイメージを持ってもらえると、分かりやすいと思います。
搭乗者傷害保険(特約)で支払われる三つの保険金
保険会社によって、特約の付け方は色々有りますが、基本的に搭乗者傷害保険では、以下の三つの保険金が支払われます。なお、保険金は対象者1名毎に各人に支払われます。
- ①死亡保険金
- ②後遺障害保険金
- ③傷害保険金(医療保険金)
■①死亡保険金
対象となる自動車事故が起こってから、180日以内に死亡が確認された場合、契約時の保険金額が支払われます。一般的には1,000万円に設定している事が多いでしょう。
■②後遺障害保険金
対象となる自動車事故が起こってから、180日以内に後遺障害が発生した場合、症状の程度に応じて契約金額の4%~100%の保険金が支払われます。
後遺障害を負った被害者が、その後死亡した場合には、既に支払われた後遺障害保険金を差し引いた額を、死亡保険金として支払うタイプが一般的です。
③の障害保険金は少し複雑なので、下記記事をご参照下さい。
搭乗者傷害保険のその他のメリットと注意点
■ささいな単独事故でも補償してくれる
搭乗者傷害保険は定額支払の保険ですから、相手の有る事故でも、相手の無い事故でも補償されます。
例えば、車に乗って、ドアを閉めようとした時に、指を挟んでケガをしてしまった。こんな場合も補償されるようです。但し、登場者傷害保険は「車に搭乗中」の事故を補償するものですので、車外での事故は対象外です。
車に搭乗中とは「車に乗ろうとしてドアに手をかけた時から~車から降りて両足が地面に付いた時点まで」と定義している保険会社が多いようです。
但し、搭乗中の範囲も保険会社によって異なる場合が有ると思いますので、自分が契約している保険会社ではどのように取り扱われるのか?の確認は必要です。
■ノーカウント事故に該当
人身傷害保険と同様にノーカウント事故なので、この保険金を請求する限りは、翌年度の等級に影響は有りません。
注意点
搭乗者傷害保険は、自分で請求しないと基本的に保険金が降りません。相手方の有る事故なら、保険会社の担当者が手回ししてくれるかもしれませんが、特に単独事故の場合の請求漏れに注意しましょう。
人身傷害保険との違い
両者の違いを、簡単に説明すると「補償範囲の広さ」が違うと考えて下さい。人身傷害保険の方が搭乗者傷害特約より広いといった感じです。
両者とも、自分の怪我に対しての保険ですので、補償が重なる部分も有りますが、保険金が減額されることは無く、重複して保険金を受け取る事が出来ます。詳細は下記記事を参照下さい。
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