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自宅での車庫入れに失敗した経験はありますか?
自宅での車庫入れは、車で出かけた際の最後の作業ですよね。
仕事や遊びから帰ってきて、フッと気が抜けてしまう瞬間なので、このタイミングで事故を起こす人って多いんです。そして、自宅の壁や車庫を壊してしまう・・・。
車庫入れに失敗したことなんて無い!という人も、いつ失敗するか分かりませんよ。
では、車庫入れに失敗して、自宅や車庫を壊してしまった場合、自動車保険のどの保険・特約で補償されるのでしょうか?
結論を先に書くと、一戸建ての場合には「自宅・車庫等修理費用補償特約」によってのみ補償されます。
一方、集合住宅であるマンション・アパートなどの場合では、対物賠償保険が適用されるケースが多いです(損傷箇所次第)。
自宅・車庫等修理費用補償特約とは、車庫入れなどによって損傷した自宅や車庫の修理費用を補償してくれる特約です。
(特約名そのままですね。)
今回は、この自宅・車庫等修理費用補償特約を取り扱っている保険会社やその補償金額、付帯の必要性などについて見ていきたいと思います。
但し、先ほども書いたようにアパートやマンションの場合は「自宅・車庫等修理費用補償特約」は使えない事が多いです。
反対に一戸建ての場合は「対物賠償保険」では補償されません。
まずは、この点について詳しく解説していきます。
一戸建てなら「自宅・車庫等修理費用補償特約」
なぜ対物賠償保険では一戸建ての修理費用が補償されないのか?
「自宅・車庫等の修理費用は対物賠償保険で補償されるんじゃないの?」と思った人もいますよね。
さきほども書きましたが、残念ながら、一戸建ての場合には対物賠償保険で補償されません。
なぜなら、対物賠償保険は「他人の物を壊してしまった場合」に補償される保険だからです。
自動車保険の約款にも以下のように記載されています。
対物事故により次のいずれかに該当する者の所有、使用または管理する財物が滅失、破損または汚損された場合には、それによって被保険者が被る損害に対しては、保険金を支払いません。
記名被保険者・その父母・配偶者・子
(引用:ソニー損保の保険約款「賠償責任条項」)
つまり、事故によって自分又は家族の物に損害を与えてしまったとしても、対物賠償保険から保険金を受け取る事が出来ないんですね。
自宅や自宅の駐車場は、まさに上記の文言に該当する事になります。
そのため、車庫入れの失敗による自宅や車庫の損壊に備えるには「自宅・車庫等修理費用補償特約」が必要になります。
マンションやアパート、月極の駐車場は?
では、マンションやアパートは、どうなるでしょうか?一戸建てとは違い、他人も生活をしているので疑問に思うところですよね。
ポイントは、事故によって損傷した箇所が「専有部分」なのか「共有部分」なのか、という点です。
それによって適用される保険が以下のように変わってきます。
補償・特約 | 専有部分 | 共有部分 |
---|---|---|
自宅・車庫等修理費用補償特約 | 適用 | × |
対物賠償保険 | × | 適用 |
「専有部分」とは、居住者が独占して利用している箇所を指します。
例えば、居住している部屋や駐車スペースなどです。
「共有部分」とは、同じマンションに住んでいる人が共同で利用している箇所を指します。
例えば、廊下や外壁、駐車場入り口のシャッターなどです。
なお、専有部分と共有部分は、各マンションの管理規約などによって異なります。
また、自動車保険の適用においては、マンションの管理規約がそのまま利用されるわけではありません。
実際の使用実態等に照らし合わせた判断が行われます。
マンションやアパートなどでは、専有で使用・管理している部分は少ないと思うので、基本的に対物賠償保険で補償されると考えておいても良いかもしれません。
また、月極の駐車場は自宅・車庫等修理費用補償特約の補償対象となりますが、これについても考え方は同じです。
損傷箇所が専有部分なのか共有部分なのかによって、対物賠償保険又は自宅・車庫等修理費用補償特約のいずれかで補償される事になります。
自宅・車庫等修理費用補償特約を取り扱っている保険会社一覧と各社の補償額
自宅・車庫等修理費用補償特約の取り扱っている保険会社は「AIU保険・SBI損保」の2社があります。
3つの保険会社全てで、車両保険のオプションとして「自宅・車庫等修理費用補償特約」を付帯できます。
(最終更新日:2017年5月16日)
保険会社 | 補償額 |
---|---|
AIU保険 | 1年に50万を限度に補償 (使用可能回数は年1回だけ) |
SBI損保 | 1回の事故あたり30万円 (使用可能回数は年1回だけ) |
補償限度額は多くて年間50万円しか無いので、少し物足りないような気もしますが、そもそも、車庫入れしている時の速度は徐行レベルですから、ぶつかったとしても、そこまで被害は甚大にならないでしょう。
なので、十分な補償限度額と言えるのではないでしょうか。
自宅・車庫等修理費用補償特約の保険料は?使用によって等級は下がる?
SBI損保で自動車保険の見積をしてみると、自宅・車庫等修理費用補償特約の保険料(年間)は「8等級」と「20等級」で以下のようになりました。
見積条件:免許の色はゴールド・年齢条件は26歳以上補償・運転者条件は夫婦限定など
等級 | 保険料 |
---|---|
8等級 | 720円 |
20等級 | 430円 |
これを見る限り、自宅・車庫等修理費用補償特約の保険料はかなり安く設定されているようです。
ただ、SBI損保はそもそもの保険料が安い保険会社なので、富士火災やAIU保険でも保険料が安く設定されているとは限りません。
また、見積条件によっても保険料は変わってきます。
そのため、自宅・車庫等修理費用補償特約の正確な保険料を知りたい人は、各保険会社のサイト又は代理店窓口や自動車保険の一括見積などで保険料の見積を行ってくださいね。
なお、SBI損保によると、自宅・車庫等修理費用補償特約を使用すれば、翌年度の等級は3等級ダウンします。
自宅・車庫等修理費用補償特約は必要?まずは火災保険の補償内容をチェック!
マイホームか賃貸住宅かを問わず、火災保険に加入している人は多いのではないでしょうか。
特に賃貸契約では、火災保険の加入が契約条件となっている事も多いですからね。
この火災保険ですが、火事による損害だけでなく、自動車の衝突・飛び込みによって生じた自宅の損害も補償してくれます。
基本的に第三者の運転によって生じた損害が補償対象となっていますが、保険会社によっては、契約者自身の運転による損害も補償範囲に含まれます。
そのため、まず“加入している火災保険で車庫入れの失敗などの事故が補償されるのか”を確認してみましょう。
補償されるのであれば、自動車保険に自宅・車庫等修理費用補償特約を付帯する必要は有りませんよね。
火災保険に加入していない人や火災保険で補償されない人は、自動車保険の自宅・車庫等修理費用補償特約で車庫入れの失敗などに備える事になります。
が、個人的に「この特約は不要かな」と思います。
その理由は以下の3つです。
- 車庫入れや自宅前に停車する場合などは速度を出さないので、保険で備えなければならないほどの損害が発生しにくい
- 「取り扱っているのは3社だけ」。裏を返せば、需要があまり無い
- 集合住宅(マンション・アパート)では適用されるケースが少ない
ただ、先ほど紹介したように、自宅・車庫等修理費用補償特約の保険料は安く設定されているので、運転に自信の無い人は付帯しても良いかもしれませんね。
【まとめ】自宅・車庫等修理費用補償特約はこんな人におすすめ!
家族の中に運転が苦手な人・自信が無い人がいる場合には、付帯を考えた方が良いでしょう。
自宅の車庫はバックで入れる事が多いはずです。
運転に自信が無い人は、バックでの駐車にかなり苦手意識を持っているので、付帯しておいた方がその人も安心して駐車出来ると思います。
また、引越したばかりの人も付帯を考えた方が良いかもしれません。
新しい車庫に慣れるまで「自宅・車庫等修理費用補償特約」を付けておけば安心です。
慣れてきたら、契約途中に外してしまえばいいんです。
同じように、車を買ったばかりの人もその車の運転に慣れるまで付帯しておけばいいでしょう。
新車なので丁寧に運転するとは思いますが、車の幅や死角等に慣れるまで時間が掛かりますからね。
【補足】車の修理費用は対象外!
なお、車庫入れ等に失敗した場合のマイカーの修理費用は”自宅・車庫等修理費用補償特約”では補償されません。
車両保険が必要です。
また、補償されるのは一般タイプの車両保険のみで、エコノミータイプの車両保険の場合は補償されません。
車庫入れの失敗は、エコノミータイプの補償対象外である”自損事故”に該当するからです。[/box]
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