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他車運転特約とは、友人・知人などの他人から借りている車を運転中に起こした事故に関して、他人が加入している自動車保険に先立って、自らの任意保険から賠償金を支払う事が出来る特約です。
他車運転危険担保特約・他車運転危険補償特約など、呼び方は保険会社によってまちまちですが、この記事では「他者運転特約」で統一します。
友人の車で事故を起こした上に、更に自動車保険も使ってもらうとなると、さすがにバツが悪いですから、仮に事故を起こしてしまった場合には、他車運転特約を使って、せめてもの償いをしましょう。
ちなみに、他車運転特約は任意保険に自動付帯される保険会社がほとんどですので、「金額はいくらかな?」と心配する必要は有りません。
というわけで、まずは、他車運転特約の基本的な所を見て行きましょう。
他車運転特約の基本
支払われる保険金の内容や補償範囲などを見ていきます。
支払われる保険金の内容
他車運転特約を使うと「対人・対物・人身傷害保険・車両保険」の4つ基本補償のそれぞれについて、自分の任意保険の契約に基いて、保険金が支払われます。
なお、人身傷害保険と車両保険は、自分の任意保険で加入しなければ補償されません。
この4つの保険の中で、最も注意すべきポイントは「車両保険」の部分です。
先程も書きましたが、他車運転特約は他人の車で起こした事故について、自分の契約車両に設定している保険内容に基いて、保険金の支払を代わりに行う特約です。
従って、自分の車の車両保険の設定金額があまりにも低い場合、借り物の他人の車の修理費用を、自分の保険で全て賄う事が出来ない可能性が有ります。
例えば、自分の車の車両保険設定金額が100万で、借り物の車が500万円するトヨタのクラウンだったとしましょう。
この時、他車運転特約で支払われる車両の修理費用は最大でも100万円です。
もし、全損なんてことになってしまうと、差額の400万円は、自分で負担するか友人に保険を使って貰う他有りません(*1)。
*1 現在は、借りている車の時価額を限度に補償してくれる保険会社も多いですので、契約前にチェックしておいて下さい。
また、車内外補償型の人身傷害保険に加入していたとしても、他人のケガを自分の人身傷害保険で補償することは出来ません。
あくまでも、自分もしくは家族の治療費等しか出ません。
これも知っておいて下さい。
補償される運転者の範囲はどこまで?
補償される運転者の範囲も、自分の任意保険の契約通りです。
例えば、家族限定で保険を契約しているなら、自分のみならず、子供が借り物の車で事故を起こしても、他車運転特約を利用することが出来ます。
しかし、ファミリーバイク特約とは違って、運転者の限定範囲以外の家族は補償してくれません。
例えば、本人限定で保険を契約していて、その子供が借り物の車で事故を起こした場合、こんなケースでは他車運転特約は使えません。
あくまでも、自分の自動車保険の契約内容に依存するという事を理解しておきましょう。
他車の定義は?
他車運転特約を使用できるのは、借り物の車が「自家用8車種」に該当する場合だけです。
「だけ」と書きましたが、基本的に私達が友人・知人から貸し借りするような車なら、基本的に補償されるので、特に心配する必要は有りません。
なお「他車」の定義に関しては、下記記事で詳しく解説していますので、細かな部分はそちらを参照して下さい。
駐車中・停車中の事故には使えない
他車運転特約が適用されるのは「運転中の事故」に限定されます。
従って、駐車中や停車中の事故では使えません。
では「運転中」「駐車中」「停車中」の定義はどのようになっているのか?
一例ですが、損保ジャパンの自動車保険「One Step」での定義を見てみましょう。
<運転中>
・すぐに運転するためにドアを開閉したり、エンジンを始動している間
(運転終了に伴う一連の動作も含みます。)
・走行中
・走行中の渋滞や信号待ち、踏み切りでの停車中(運転中の一過程での停車)<停車中>
・直ちに運転できる状態ではあるが、一時的に停止している状態
(運転中の一過程とはいえない停車)
例えば、荷物の積み下ろし中など<駐車中>
・継続的に車両が停止している状態
停車中や駐車中に当て逃げされた!なんて時は、知人の保険を使って貰う他ありませんので、注意が必要ですね。
まとめ
他車運転特約は、ユーザー心理を捉えた非常に便利な特約です。
しかし、他車運転特約を使うということは、自分の等級は翌年度に下がってしまいますので、使わずに済むならそれに越した事は有りませんよ。
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