個人賠償責任補償特約とは?自転車事故も補償されて保険料も安い!

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車と自転車

個人賠償責任補償特約とは、国内外の日常生活において他人に怪我をさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりして、損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる特約です。

この個人賠償責任補償特約を付帯しておけば、自動車保険1つで「自動車事故」と「日常生活の事故」をカバーする事が出来ます。しかも!契約者だけではなく、家族も補償範囲に含まれます。

「子供が自転車で他人にケガを負わせてしまうかも・・・。」
「飼っているペットが他人にケガを負わせてしまったら・・・。」

このような不安を抱えている人には、個人賠償責任補償特約がオススメです。特に自転車事故では1億円近い高額な賠償責任を負う事も有りますからね。備えあれば憂いなしです。

自転車事故の高額賠償事例

そこで、今回は自動車保険の「個人賠償責任補償特約」について、補償されるケース・されないケースや補償金額、保険料などを中心に紹介していきたいと思います。

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個人賠償責任補償特約で補償されるケース~自転車事故もカバー~

なお、自動車保険会社によって、特約の名称が個人賠償責任特約や日常生活賠償特約、くらしの損害賠償特約となっていますが、当記事では「個人賠償責任補償特約」に名称を一元化して記載しています。


「個人賠償責任補償特約」という特約名だけでは、「どういったケースに補償されるのか」が分かりにくいですよね。

補償される具体的な事例を挙げると、以下の様なケースが該当します。

注:保険会社によって補償される事故等に若干の違いが有ります。

  • 自転車走行中に他人をハネて怪我させてしまった
  • 歩行中に相手にぶつかって怪我をさせてしまった
  • 子供が友達と喧嘩して、友達が入院してしまった(*
  • 散歩中にペットが他人に怪我をさせてしまった
  • 買い物中に店の物を落として壊してしまった
  • 草野球をしていて、駐車場に止まっていた車にホームランボールがぶつかり窓ガラスが割れてしまった
  • 趣味のスポーツをしている時に人にけがをさせてしまった
  • パーティーなどで飲み物をこぼして他人のドレスを汚してしまった
  • マンション等でお風呂に水を入れて貯めていたが、蛇口を締めるのを忘れていて、そのせいで階下の住人の持ち物を壊してしまった 等

* 高校生や大学生などは”喧嘩”という行為がどのような結果をもたらすかを判断できる、と考えられているので「故意の事故」として補償対象外となります(当然、大人も)。

このように日常生活で起こりうる様々な賠償責任を補償してくれます。

自転車で子供をひいてしまった女子高生

特に、最近問題になっている自転車事故に備えられるのは心強いですね。

警察庁によると、平成28年に自転車事故は約9万件発生しており、約6分に1件の事故が起こっている計算になり、事故発生リスクがかなり高い項目と言えます。また、1億円近い賠償命令が出た裁判も多くなっています。

平成20年9月に起きた兵庫県神戸市の事故では、自転車を運転していた当時小学5年の男子児童の母親に対し、9520万円もの高額賠償が命じられています(平成25年7月4日神戸地裁判決)。

こうした背景もあり、兵庫県や大阪府、滋賀県では自転車保険への加入が義務化されています。

とは言え、自動車の場合は、自賠責保険の加入が義務付けられているとともに、損害保険料算出機構の統計では約77%が、自動車保険(任意保険)に加入し、対人賠償保険を付けています。
しかし自転車の場合は自賠責保険のような強制保険はなく、自転車保険が注目され始めたのもここ数年の話で、多くの自転車が「無保険状態」で走行しているのが現状です。

個人賠償責任補償特約を付帯すれば、自転車事故をはじめ歩行中の事故や他人の物を損壊した際の損害賠償に備える事が出来ます。

なお、自動車保険の個人賠償責任補償特約で、自転車保険の加入義務化に対応可能です。別途、自転車保険を契約する必要は有りません。自転車保険の保険料って意外と高いので、加入しなくて済むのは有り難いですね。

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補償されないケース

仕事中の事故

個人賠償責任補償特約を付帯していても補償されないケースも有ります。付帯を考えている人は必ず押さえておきましょう。

具体的な事例は以下の通りです。

  • 故意によって生じた損害賠償
  • 仕事中に生じた損害賠償
  • 自動車・バイクなどの使用による賠償責任(*
  • 借りた物を壊した場合の賠償責任
  • 家族間で生じた損害賠償 等

* 個人賠償責任特約は【自動車事故に関する賠償は補償範囲外】です。

「対人・対物賠償保険の設定金額」を下げても大丈夫なのでは?と考える人もいますが、個人賠償責任補償特約で自動車事故をカバーする事は出来ませんので、注意して下さい。

あと、この特約は相手方の怪我や損害を補償するものです。そのため、自分の怪我の治療費などは補償されません。その部分も含めて考えるなら傷害保険等の加入を検討する必要が有ります。

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個人賠償責任補償特約の保険金額一覧表

では、各自動車保険の個人賠償責任補償特約がいくらまで補償してくれるのか見てみましょう。以下がその一覧表です。

(最終更新日:2017年4月27日)

保険会社保険金額示談代行
(国内)
あいおいニッセイ同和損保国内:無制限
国外:1億円
有り
東京海上日動国内:無制限
国外:1億円
有り
損保ジャパン日本興亜国内:無制限
国外:1億円
有り
AIU保険国内:無制限
国外:不明
有り
セゾン自動車火災保険国内:無制限
国外:無し
有り
そんぽ24国内:無制限
国外:無し
有り
三井住友海上国内:無制限
国外:無し
有り
セコム損保国内:3億円
国外:無し
有り
日新火災国内:2億円
国外:不明
有り
共栄火災国内:2億円
国外:無し
有り
ソニー損保国内:1億円
国外:無し
有り
チューリッヒ国内:1億円
国外:無し
無し
朝日火災国内:1億円
国外:無し
有り
チャブ保険国内:1億円
国外:無し
有り
アクサダイレクト国内:3,000万円
国外:無し
有り
ゼネラリ国内:不明
国外:不明
不明

SBI損保、三井ダイレクト損保、イーデザイン損保、マイカー共済及びJA共済には、個人賠償責任補償特約は有りません。

このうち、SBI損保とマイカー共済には自転車事故特約が有るので、自転車の事故に関してだけは備える事が可能です。


アクサダイレクトでは、個人賠償責任補償特約(日常生活賠償責任保険特約)が「アクサ安心プラス」という複数の特約のセット商品に含まれており、個別に付帯する事は出来ません。

ちなみに、以前まではソニー損保も「おりても特約」というセット商品に個人賠償責任補償特約を含めていましたが、需要が高くなったったためか、個別に付帯出来るようになっています。

個人賠償責任補償特約の保険金額を1億円以上に設定している保険会社が多いです。ただ、自転車事故での最高賠償金額が1億円まで迫ってきている事を考えると、保険金額を2億円以上に設定している保険会社と契約しておきたいところですね。

個人賠償責任補償特約で補償される人の範囲~家族も対象~

中学生とその両親

個人賠償責任補償特約で補償される人の範囲は以下の通りです。

  • 記名被保険者
  • ② ①の配偶者
  • ③ ①又は②と同居の親族
  • ④ ①又は②の別居の未婚の子

記名被保険者に加えて、家族も補償範囲に含まれます(別居の既婚の子は除く)。特に小さなお子さんがいらっしゃる家庭だと、賠償額は小さくても、思わぬ事件が多々起こるものです。そういう意味で家族まで補償してくれるのは嬉しい限りですね。

なお、個人賠償責任補償特約は、運転者の範囲年齢条件の適用外です。そのため、付帯する際にこれらの条件を変更する必要は有りません。

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意外と安い!個人賠償責任補償特約の保険料はいくら?

電卓を持ってOKサインをしている女性

気になるのが個人賠償責任補償特約を付帯した時の保険料ですよね。実は意外と安い料金設定になっているんです。例えば、以下のような金額です。

基本的に、この特約の保険料は等級や免許の色などの影響を受けません。10等級の人と20等級の人の保険料に違いは無いという事です。自動車の事故率と相関関係が有りませんからね。


(2017年4月27日時点)
保険会社個人賠償責任補償特約の保険料
セコム損保1,050円
ソニー損保1,200円
チャブ保険1,360円
共栄火災1,500円
東京海上日動1,530円
セゾン自動車1,620円
損保ジャパン2,100円
チューリッヒ2,540円(保険金額1億円の場合)

保険会社によって若干異なりますが、概ね年間1,000円~2,000円程度と非常に安上がりです。

なお、チューリッヒでは保険金額を3,000万円・5,000万円・1億円から選択できますが、3,000万円と1億円の保険料の差はたった220円しかありません。変にケチるよりも1億円を選択しておいた方が良いでしょう。

それにしても、示談交渉サービスが付いていないのに保険料がちょっと高いですね・・・。

個人賠償責任補償特約を使用したら等級は下がる?

いいえ、等級は下がりません。個人賠償責任補償特約の対象となる事故は、ノーカウント事故として取り扱われるので、使用しても翌年に等級が下がる事はなく、また保険料が高くなる事も有りません。

個人賠償責任補償特約を付帯させる際の注意点

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保険会社間の補償の違いに要注意

自動車保険会社によっては、補償内容が違いますので注意して下さい。補償額を選択できる会社もありますし、国内に限って補償するといった会社もあります。

特に、注意すべきなのは「示談代行サービス」が付いているかどうかです。必ず、確認しておいて下さい。

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火災保険などとの補償の重複に注意

個人賠償責任補償特約は自動車保険だけでなく、火災保険・傷害保険・クレジットカードなどにも付帯させる事ができる特約です。そのため、自動車保険の別契約やその他の保険との間で補償が重複する場合が有ります。

この特約は契約者本人が保険金を受け取れるものではないので、1つの保険で十分に補償されるのなら、複数の保険に付帯しておく意味は特に有りません。保険料の無駄にならないように、総合的な保険の見直しを行いましょう。

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まとめ

自動車保険の個人賠償責任補償特約について簡単にまとめると以下のようになります。

  • 日常生活における事故の損害賠償を補償してくれる特約(自転車事故や他人の物を壊した場合など)
  • 自動車事故の損害賠償や自らのケガは補償対象外
  • 家族も補償の対象
  • 保険金額は1億円~無制限に設定されている
  • 保険料は年間1,000円~2,000円

そして、個人賠償責任補償特約は自動車保険以外にも付帯が可能です。そのため、自動車保険や火災保険、傷害保険などのこの特約の保険金額と保険料を比較して、どの保険に付帯するのがベストなのかを検討するようにして下さい。

この個人賠償責任特約の補償内容は商品によって異なり、国内と国外両方に対応するものと国内のみ対応するもの、補償額は無制限のものや1億円の上限があるもの、示談交渉の代行サービスがつくものなどがありますので、自動車保険を検討する材料の一つにしてみてください。

もちろん、個人賠償責任保険として単独で加入することも出来ますが、自動車保険に付帯すれば、月150~200円といった割安の保険料で加入できることが多いです。
少額の保険料で大きな安心を手に入れることが出来る「個人賠償責任特約」。

自動車保険は保険金額と保険料のバランスが絶妙なのでオススメですよ。

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専門家からのコメント

岩切 健一郎(Kenichiro Iwakiri)

1986年5月生まれ。宮崎県出身。業界10年目。コンサルティング会社、外資系生命保険会社を経て、現在は保険代理店に勤務しながら、発達障害の方のライフプランを専門に行う合同会社ひなたを経営

<保有資格>FP1級CFP全課目合格

監修者一覧・詳細はこちらから

『コメント』

実務に当たる中で多い相談の1つが「子供が他人のものを壊したり、誰かを傷つけたりした時に使える保険はありませんか?」というものです。

それを解決するのは、個人賠償責任保険です。

自動車保険の特約でつけることができます、とご案内すると驚かれることも少なくありません。知らないうちに特約でつけていることも多いので、まずはご自身の自動車保険の証券を確認されることをおすすめしています。

個人賠償責任保険とセットでご確認頂きたいのが、示談交渉サービスです。示談交渉サービスが付いていないと実際にトラブルが起きた時、自分で対応に当たる必要があります。被害者との交渉になるので、非常に難航します。もしくは弁護士を依頼するとその費用もかかります。個人賠償責任保険と示談交渉サービスはセットでご確認くださいね。

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