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バイクが横断歩道付近を歩行中の老人を轢いてしまった事故での過失割合を考えてみましょう。
まず何対何の事故なのかを考えます。
今回の場合は人対バイクの事故ですね。
次に事故現場です。
事例は信号機の無い横断歩道付近です。
これらの情報を基に基本的過失割合を求めていきます。
ちなみに横断歩道の「付近」とは、幅員が10m以内の道路においては20m~30m以内、幅員が14m以上の道路においては50m以内と考えるようです。
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信号の無い横断歩道付近での人対バイクの過失割合
基本的過失割合は人が25%、バイクが75%となります。
例えバイクが法定速度で走行して前方をしっかり注意していたとしてもバイクの過失が大きくなります。
そしてこの基本的過失割合に修正要素を加味していく事になり、横断歩道付近の事故という事(横断禁止場所)で歩行者に5%の過失が加算されますが、今回は歩行者が防衛能力の弱い老人ということで10%減産され、最終的に歩行者の過失割合が20%、バイクの過失割合が80%となります。
その他に修正要素があれば数字はまた違ってきますので現場の状況というのは過失割合を考える上で非常に大切になってきます。
信号機の無い横断歩道を歩行中だった場合
上記の例で老人が横断歩道上歩行していた場合には基本的過失割合は、老人が0%、バイクが100%となります。
ただし、バイクから歩行者が確認が困難であった場合には修正される事があります。
横断歩道では歩行者が優先されるのが道路交通法上のルールです(道路交通法38条)。
ですが実際には歩行者が道を車に譲っている現場をよく見かけます。
交通ルールでは歩行者が優先だからと言っても車にひかれて大怪我するのは歩行者の方ですから歩行者が道を譲るのは仕方が無い事なのかもしれません。
当たり前のように歩行者を無視して横断歩道を通過するのですから問題は自動車などの運転手の方です。
交通ルールはしっかり守って車両を運転していきましょう。
信号機のある横断歩道を歩行中だった場合
この場合の過失割合は信号機の色により歩行者の過失割合は0%~70%と変化します。
下記の記事は車と人の場合ですが単車などのバイクも同じように考えるので参考にしてください。
【コラム】押しボタン式の信号機
横断歩道外又は横断歩道付近の事故の原因の1つとして考えられるのが押しボタン式の信号機の反応が遅いという事です。
中には押したらすぐに青に変化する信号機もあり、そのような場合には事故の原因とはなりませんが、押しボタンの意味があるのかどうかわからない信号機もありますよね。
反応が遅い信号機である事を知っている地元の人なんかは押さずに信号無視して渡ってしまう事もあるんじゃないでしょうか?非常に危険ですのでボタンを押し信号が青になってから渡るようにしてください。
ではなぜ押しボタン式の信号機の反応が遅いのかというと、これは回りの信号機と関係でこのようになっています。
自動車を運転していても歩行していても気付いた事があると思うのですが、長い直線の道路などで信号機が全部青になっている事があると思います。
これは円滑な交通の為に信号機同士が連携して反応しているからです。
青赤青赤という風にゴチャゴチャになっていたら渋滞の原因になってしまい時には事故の原因となってしまうからです。
反応の遅い押しボタン式の信号機も回りの信号機と連携しているため、単独で青になる事はなく回りが青になるのを待っているため変化するのに時間が掛かるのです。
タイミングによっては長く感じるかもしれませんが、5分も10分も待たなくてはならないわけではないので青になるのを待ち横断するようにして下さい。
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