請求や催告をすることで示談の時効を中断する事が可能

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示談は被害者側の示談への準備が整ってから始めるのが基本です。

準備が整うとは損害額の算定や必要書類の入手などが完了することをいうのですが、時に治療が長引いてしまったり、後遺障害の可能性がある場合には症状固定を待つ必要が出てきてしまいます。

こういった場合、示談交渉を開始するのが事故発生の時からかなり経ってしまうことがあります。

また相手との示談がなかなか前に進まず時間だけが過ぎていくケースも有りますね。

このようなケースでは示談の時効を意識して、時には時効の中断手続きをしなければなりません。

示談の時効は3年です。

この記事ではどのような手続きを踏めば時効が中断するのか見ていきます。

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時効の中断とは

時効の中断とは時効中断事由が発生した場合に進行していた時効期間を中断して0に戻すことを言います。

中断というと一時停止のように捉えられがちですが、この場合は中断事由が発生した時点から再度計算することになります。

時効中断事由としては「請求や債務の承認」が該当します。

また、一時的に時効の期間を引き伸ばす催告という制度も有ります。

ではそれぞれについて見ていきましょう。

請求

請求とは裁判所を通して相手へ損害額を請求することを言います。

請求をすることにより裁判所に訴状を提出した日に時効は中断することになります
(民法147条1項)。

なお、裁判により判決が確定するか、和解が成立することによって新たに時効期間は進行を始めますが、この場合の時効期間は10年となっています。

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債務の承認

債務の承認は加害者が債務の存在を認めることです。

債務の存在を認めるというのは口頭で認めることも含まれます。

しかし口頭のみの場合には後々争いになる可能性が高いので書面にしたほうがいいでしょう。

また損害額の一部を支払った場合も債務の承認となります。

たとえ100円の入院中の歯ブラシ代でも支払ったとなれば債務の承認をしたことになります。

債務の承認は

  • 加害者または加害者側の保険会社からの支払いを受ける事
  • 日付のある書面で加害者又は加害者の保険会社が債務の存在を認める内容を記載する事

これにより支払った日又は書面を作成した日に時効は中断し、新たにその日から時効期間が始まります。

なお、「時効中断申請書」の証人を元々保険会社・加害者から貰っている場合には債務の支払が一部終わっていなくても時効は中断されます。

催告

催告とは裁判外での請求の事で、催告することにより時効が6ヶ月延長されます。

催告は賠償金額などの請求内容を記載した内容証明郵便にて行います。

相手に到達した日から時効は中断しますので配達証明郵便にしておく必要が有ります。

但し、催告の日から6ヶ月以内に訴訟なり調停なり何らかの法的手続きをとらなければ時効中断の効力はなくなります。

一時的に期限を引き延ばしているだけですが、半年有れば色々と出来る事も増えるので忘れずにやっておきましょう。

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