交通事故の加害者が無責となった例【被害者が自転車走行中バランスを崩して衝突】

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自転車のバランスが崩れる前

交通事故の加害者に課せられる条件付無過失責任」で記載しているように、日本では交通事故の加害者に対して「条件付過失責任制度」が課せられており、以下の3点を加害者側が立証した場合に限り【無責】とされます。

  • ①運転者に過失が無かったこと
  • ②車両に不具合が無かったこと
  • ③被害者等に過失があったこと

しかし、平成14年7月30日仙台高裁の判決では、上記3点を加害者側が立証すること無く運転手が【無責】となりました。以下、事故の状況などを紹介していきます。

注:当記事は「自動車保険読本(著者:鈴木辰紀 出版社:株式会社成文堂)」を参考に記載しております。


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加害者無責事例の事故状況の紹介

自転車事故

この事故は、自転車に乗っていた被害者が走行中にバランスを崩し、車道と歩道を区別する縁石を突然乗り越えてしまい、加害者が運転する車の後輪に巻き込まれて死亡してしまった、という内容でした。

判決では「被害者が突然縁石を乗り越えてくることは加害者にとって予測不可能である」という理由で、加害者側に【免責】が認められています。

「かもしれない運転」でも想定出来ない事故状況だった事から、自賠法第3条の但し書きの立証責任が生まれなかったのでしょうか。

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日本における【無責】【対象外事故】の件数

自動車の交通事故

自賠法においては、加害者が自賠法第3条で定める但書3点を立証すれば、加害者には賠償責任が無くなり、被害者側としては強制保険の恩恵に預かることが出来なくなります。

では、実際に【無責】として判断されているケースはどの程度有るのでしょうか?また、保険金が発生しないという意味では同じである【対象外事故】の件数も見てみましょう。

2017年2月時点での最新版データである平成27年度データによると、以下のようになっています。

■交通事故死亡者数に占める”無責・対象外事故”の割合・件数

項目人数・件数・割合
交通事故死亡者数4,113人
死亡事故の無責件数375件(9.12%)
対象外事故の件数66件(1.60%)

■交通事故傷害者数に占める”無責・対象外事故”の割合・件数

項目人数・件数・割合
交通事故傷害者数711,374人
傷害事故の無責件数6,509件(0.91%)
対象外事故の件数1,406件(0.20%)

データ引用元:自動車保険の概況 2016年3月発行‐P35、P136(平成27年度データ)

注:括弧書きは死亡者数あるいは傷害者数に対する無責又は対象外事故の割合。割合算定時に分子を「件数」、分母を「人数」としているため、正確な数値ではありません。あくまで概算です。

傷害事故よりも、死亡事故の場合の方が【無責・対象外事故】と判断されている割合が多いですね。(イコール被害者が強制保険の保護から外れているケースが多いという事)。

やりきれない気持ちを抱いている遺族の方も沢山いる事でしょう。いずれにせよ、何かしらの保険には加入しておいた方が良い事が分かります。

対象外事故の例

対象外事故とは、そもそも加害者に責任が無いと認められるケースの事です。無責とは意味合いがかなり違いますね。例として以下の2点が挙げられています。

  • ①自動車運行によって起こった事故ではないもの
  • 駐車場などで遊んでいた子供が停車中の車に自らぶつかって死傷した場合

  • ②被害者が「他人」では無い場合
  • 被害者が保有している自動車をたまたま友人が運転しており、その最中に自損事故を起こして被害者が死傷してしまった場合

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まとめ

交通事故において、どんな状況においても被害者が救済されるわけではない!という事がお分かり頂けたでしょうか。

この点、色々難しい問題をはらんでいますが、世界には被害者の過失を問わない”完全無過失責任制(*)”を採用している国もあるわけですから、日本もそういう方向に進んだ方が良いのかもしれませんね。

* 強制保険部分についての話です。下記記事もご参照下さい。
台湾の自賠責保険と日本の自賠責保険との違い


金銭だけで遺族の悲しみが晴れるわけではありませんが、残された家族の状況によっては保険金がなければ自立した生活が出来なくなる可能性もあります(特に一家の大黒柱が死亡した場合)。保険の見直しはしっかりとしておきましょう。

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