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信号無視が交通違反である事は誰もが知っていますよね。
しかし、具体的な内容は曖昧な人が多いのではないでしょうか。
「そもそも信号無視ってどのような定義なの?判断の基準は?」
「信号無視で捕まった時の罰金はいくらなの?加点される点数は何点?」
「現行犯以外で捕まる事は有るの?」
などなど。
細かく考えると意外と知らない事って有りますよね。
そこで今回は、信号無視をした場合の罰金や反則金、加算される点数などについて紹介したいと思います。
信号無視の定義~違反となる基準はどのタイミング?~
信号に関するルールは道路交通法で以下のように規定されています。
(信号機の信号等に従う義務)
第七条 道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。引用:道路交通法
ほとんどの人が感じたと思いますが、かなり大雑把な内容です。
「信号機等に従わなければ信号無視違反!」としか書いていません。
そこで道路交通法施行令にも目を向けて、「赤信号」「黄色信号」及び「点滅信号」の場合の詳細な内容について見ていきたいと思います。
赤信号無視
信号に関するルールは道路交通法施行令にて規定されています。
赤信号(条文内の表現:赤色の灯火)についての内容は以下の通りです。
(信号の意味等)
第二条 赤色の灯火
二 車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと。引用:道路交通法施行令
ここでいう「停止位置」とは、交差点直前に設けられている停止線などの事を指します。
つまり、赤信号になった後に停止線を超えて交差点に進入すれば信号無視となります。
ただし、赤信号になる直前のタイミングで停止線を越えていれば100%セーフなのか、というとそうではありません。
この点については次の黄色信号に関する内容が深く関わってきます。
黄色信号無視って有るの?
まずは黄色信号(黄色の灯火)に関するルールを確認しておきましょう。
内容は以下の通りです。
(信号の意味等)
第二条 黄色の灯火
二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
引用:道路交通法施行令
黄色信号に関しては「原則」と「例外」が規定されています。
- 原則・・・黄色信号になった後に停止線を超えて交差点に進入すれば信号無視(上記条文の本文部分)
- 例外・・・停止線直前で止まれない場合などは交差点に進入してもOK(上記条文のただし書き以降)
黄色信号は走行してもOKだと勘違いしてしまっているドライバーもいますが、原則的な考え方を再確認しておいた方が良いでしょう。
さて、さきほどの赤信号無視において「赤信号になる直前のタイミングで停止線を越えた場合(信号の色が黄色から赤色に変わる時)」についてですが、お察しの通り、黄色信号を無視している事になるので信号無視として検挙される可能性が高いです。
一方、黄色信号に変わる直前のタイミングで停止線を越えた場合については、例外規定が適用されるはずなので、信号無視で検挙される可能性は低いです。
なお、黄色信号無視という違反名はなく、赤信号無視も黄色信号無視も「信号無視(赤色等)」という違反で検挙される事になります。
【赤色点滅・黄色点滅】意外と知らない点滅信号のルール
時間帯や場所などによって、赤色や黄色が点滅する信号ってありますよね。
どのように走行すべきなのかが曖昧になっていませんか?点滅信号を無視すれば、当然信号無視(点滅)として検挙されるので、しっかりと確認しておきましょう。
点滅信号についても道路交通法施行令に以下のようなルールが定められています(車両に関して抜粋)。
(信号の意味等)
第二条 赤色の灯火の点滅
二 車両等は、停止位置において一時停止しなければならないこと黄色の灯火の点滅
車両等は、他の交通に注意して進行することができること
引用:道路交通法施行令
赤色点滅では、必ず一時停止をしなければなりません。
一方、黄色点滅では一時停止は不要ですが、徐行の上、安全を確認して走行する必要があります(歩行者がいる場合などは一時停止が必要)。
なお、赤色点滅に関しては「一時停止違反」として検挙される場合もあります。
罰金・反則金・点数は信号無視(点滅)の場合と同じです。
信号無視の罰金・反則金・違反点数
信号無視の違反には「信号無視(赤色等)」と「信号無視(点滅)」の2つの種類があります。
それぞれの罰金・反則金・違反点数について見ていきましょう。
なお、信号無視で検挙された場合には、ゴールド免許の人は次回更新においてブルー免許になります。
信号無視(赤色等)の場合
信号無視(赤色等)の罰則は以下の通りです(道路交通法第119条1項一の二及び2項)。
- 故意の場合・・・懲役3ヶ月以下又は5万円以下の罰金
- 過失の場合・・・罰金10万円以下(懲役刑は無し)
なぜ過失の場合の方が罰金が多いのか?と不思議に思うかもしれませんが、大事なのは金額ではなく懲役刑が規定されているかいないかです。
信号無視違反をした場合、過失と判断されれば罰金を支払うだけで済みますが、故意と判断された場合には罰金刑ではなく懲役刑となる可能性も有ります。
ただし、信号無視(赤色等)は交通反則通告制度の対象となっていますので、反則金を支払い、そして違反点数の2点が加算されるだけで済みます。
■赤信号無視(赤色等)の反則金一覧
車両の種類 | 反則金 |
---|---|
大型車 | 12,000円 |
普通車 | 9,000円 |
二輪車 | 7,000円 |
原付 | 6,000円 |
信号無視(点滅)の場合
信号無視(点滅)の罰則内容は、信号無視(赤色等)の場合と同様です。
また、加点される点数も同じく2点です。
ただ反則金に関しては異なる内容となっています。
■信号無視(点滅)の反則金一覧
車両の種類 | 反則金 |
---|---|
大型車 | 9,000円 |
普通車 | 7,000円 |
二輪車 | 6,000円 |
原付 | 5,000円 |
歩行者も信号無視の罰則対象!
実は、歩行者に対しても信号無視の罰則が規定されています。
その罰金額は2万円です(道路交通法第121条1項一号)。
実際に罰則を受けた人はほとんどいないと思いますが、罰金が課される可能性が有る点は留意しておきましょう。
そもそも信号無視は事故に繋がる可能性が高いので、歩行者といえどもルールを守ってくださいね。
信号無視は現行犯のみ?信号無視をしてしまったら後日捕まる事は有るのか?
信号無視に限った話ではありませんが、交通違反の検挙は現行犯が基本です。
これは「現行犯でなければ逮捕できない」という事ではなく、後日逮捕するにしても物的証拠を揃える事が困難だからです。
ただ皆さんの中には一抹の不安を感じている人もいるかもしれません。
そう感じさせるのは、おそらく信号機や道路上などに設置されたカメラの存在ではないでしょうか?信号無視をした映像が撮られていれば物的証拠となりますからね。
しかし、これらのカメラは信号無視を監視する為に設置されたものではありません。
速度超過を取り締まる「オービス」や自動車ナンバーを読み取る「Nシステム」など、その他の目的が有って設置されています。
もちろんこれらのカメラを利用すれば、信号無視の取締りも出来るとは思いますが、大量に設置されている信号機を全て監視するのは非現実的です。
そもそも信号無視を監視する為に設置されたカメラではないので、信号無視の物的証拠となる信号機の色や運転手、車両の位置などを撮影できるカメラはそこまで多くないと思います。
そのため、信号無視で後日逮捕される可能性はかなり低いと言えるでしょう。
注:信号無視は大変危険な交通違反です。バレる・バレないという観点で考えないようにしてください。
信号無視をして事故を起こすと過失割合が悪化
信号無視をして交差点に突入して事故を起こした場合には、違反をした側の過失がかなり大きくなります。
相手の信号の状況のみで場合分けをすると、基本的な過失割合は以下のようになります(違反者が赤信号を無視した場合)。
- 相手が青信号の場合・・・違反者:相手=10:0
- 相手が黄色信号の場合・・・違反者:相手=8:2
- 相手が赤信号の場合・・・違反者:相手=5:5
上記の過失割合はあくまで信号の色のみでの数値です。
その他にも、「どちらが先に交差点に進入していたのか」や「交通違反の有無(速度超過など)」「過失の有無」などによって実際の過失割合は算定されます。
まとめ
今回紹介した信号無視に関する内容を簡単にまとめると以下のようになります。
- 反則金は「信号無視(赤色等)」が9,000円、「信号無視(点滅)」が7,000円(普通車の場合)
- 違反点数は共に2点
- 黄色信号でも無視すると検挙される可能性がある
- 歩行者も信号無視の罰則対象 等
信号無視は大変危険な交通違反です。
違反したらどうなるのか?という事よりも、違反しないように努める事が大切です。
時間そして心に余裕を持ってハンドルを握るようにしてくださいね。
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