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自動車の所有者は定期的に車検を受けなければなりません。
車検を受けずに車検有効期間が過ぎてしまうと、いわゆる「車検切れ」の状態になり公道を走る事が出来なくなります。
参考:無保険運行は非常に重い罰則があります 万が一、自賠責保険が切れた状態で公道を走ってしまうと、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」に加え、違反点数6点で即座に免許停止処分となります。仮ナンバーでの移動であっても例外ではありませんので、保険期間の確認は慎重に行ってください(自動車損害賠償保障法 第86条の3 第1号)
車検切れの車が公道を走るには仮ナンバーが必要ですが、同時に自賠責保険の存在も忘れてはいけません。
そこで、ここでは車検切れの車が仮ナンバーを取る際の自賠責保険にまつわる様々な疑問について見ていきましょう。
車検切れでも自賠責が有れば仮ナンバーで走っても大丈夫?
車検期間と自賠責の有効期間は合わせるのが一般的です。
しかし、車検の有効期間と自賠責保険の保険期間は、同日だったとしても期間満了のタイミングに差が有ります。
従って、「車検が切れているのに自賠責保険の有効期限が未到来(自賠責は有効)」というケースが有り得るのです。
車検が切れている場合は、仮ナンバーを付けて車検を受けに行く事になるのですが、自賠責さえ残っていれば仮ナンバーで自由に(車検に行く以外にも)公道を走っても大丈夫なのでしょうか?
この点、法律上は仮ナンバー(臨時運行許可)を付ける事が出来るケースを以下の様に限定しています(道路運送車両法第35条第1項)。
- 自動車の試運転を行う場合
- 新規登録・新規検査や車検の切れた車の継続検査、その他の検査申請に必要な場合
- その他、特に必要がある場合
そして、臨時運行の許可申請書には運行の目的や経路を記入する箇所が有り、許可がおりたらその目的や経路の通りに運転をする事になります。
つまり、仮ナンバーは試運転や検査に必要なケース以外では基本的に付ける事が出来ないのです。
従って、自賠責保険が残っていたとしても仮ナンバーで自由に公道を走る事は出来ません。
参考:仮ナンバーは、やむを得ない事情が無い限りは最大で5日間しか付ける事が出来ません。

なお、仮ナンバーを取得するには、車検証(若しくは抹消登録証)や有効な自賠責証書の原本(コピーは×)などの提示が必要です。
(参考記事:仮ナンバーの取得/申請方法のまとめ)
知り合いから車を貰った場合、「廃車の手続きに必要だから」という理由で、車検証やナンバープレートを前の所有者が持っているケースが有ります。
そうすると、書類が返ってくるまで”仮ナンバー”を取得する事が出来ないので、注意が必要です。
また、車検を受ける為に仮ナンバーを取得したいけど「貰った車で不安だから、車検の前に整備工場で整備をしたい」という場合は役所に問い合わせた方が良いでしょうね。
そのままでは車検に通らない車を整備する場合であれば、例外的に仮ナンバーの発行が認められるかもしれませんよ。
仮ナンバーを取得する際、自賠責保険の加入期間はどうする?

上述の通り、仮ナンバーを付ける際には有効な自賠責保険が必要です。
そして、車検が切れている方は基本的に自賠責保険も切れているので、仮ナンバーを付ける際には自賠責保険にも加入する事になります。
1. 大原則:自賠責の加入が先、仮ナンバー申請が後
車検が切れている車の多くは、自賠責保険もすでに切れています(または数日中に切れる状態です)。そのため、市役所や区役所へ仮ナンバーを申請しに行く前に、保険代理店や車屋(ディーラーや整備工場)で新しく自賠責保険に加入し、「自賠責保険証明書(原本)」を手元に用意しておく必要があります。
2. 加入期間の選び方(2つのパターン)
仮ナンバー取得のための自賠責保険は、その車の今後の予定によって加入すべき期間が変わります。
パターンA:これから車検を通して乗り続ける場合(おすすめ:25ヶ月加入)
車検を通す予定であれば、「これからの車検期間(24ヶ月)+1ヶ月の余裕を持たせた25ヶ月分」に一括で加入するのが最もスマートで一般的です。
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メリット: 仮ナンバーでの移動期間もカバーでき、そのまま車検時の自賠責証明書としても使えるため、二度手間になりません。また、1ヶ月分と24ヶ月分を別々に契約するよりも保険料が割安になります。
パターンB:廃車や譲渡のために移動するだけの場合(1ヶ月加入)
車検を通さず、解体業者や買取店へ持っていくためだけに仮ナンバーを取る場合、あるいは車検に通るか分からずとりあえず移動させたい場合は、「1ヶ月分」だけ加入します。
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注意点: 自賠責保険は数日単位での契約ができず、最短でも1ヶ月単位での契約となります。仮ナンバーの有効期限(最長5日程度)が終わった後、車を廃車にする場合は解約手続きを行えば、残期間分の保険料が返還される制度もあります(ただし手続きの手間がかかり、戻る金額も少額です)。
乗用車の場合、自賠責保険の最低加入期間が1ヶ月です。
1ヶ月だけ加入すれば問題は無いのですが、保険料の観点から考えると非常にもったいないのです。
注:自賠責保険の最短加入日数は5日ですが、これは後述する商品自動車の場合のみです。
乗用車は最短1ヶ月となっています。
というのも、自賠責保険の保険料は1ヶ月契約の場合で5〜6千円程度ですが、25ヶ月分加入したとしても2万5千円前後にしかなりません。
つまり、25ヶ月分の場合は1ヶ月当たりの保険料が1,000円程度という事ですね!
仮ナンバーを付ける方の多くはこれから車検にいこうとしている筈なので、25ヶ月分加入した方がお得という事です。
仮ナンバー取得する際、どこで自賠責保険に加入するべき?

自賠責保険が切れている車が仮ナンバーを取得する際、どこで自賠責保険に加入するのがお得なのでしょうか?
この点、自賠責保険は車検業者や保険会社、保険代理店などで手続をする事が出来るのですが、補償内容はどこで加入しても同じですし保険料も変わりありません。
従って、仮ナンバーを取得して自分で車検場に車を持ち込むのであれば、どこで自賠責保険に加入しようが特に関係ありません。
但し、車検を車検業者(整備工場も含む)に任せるのであれば、車を取りにきてもらったついでに自賠責保険の加入も済ませるのが一番楽でしょうね。
コラム:ディーラーナンバー用の自賠責保険?
ディーラーや整備工場で商品となる車を運搬する場合、「臨時運行許可(=仮ナンバー)」ではなく「回送運行許可(=ディーラーナンバー)」を申請する事になります。

回送運行では、1つのナンバーを複数の車両に付け替えて乗るので、車に対してではなくディーラーナンバーに対して自賠責保険を付ける事が必要です。
参考に、商品自動車(軽自動車を除く三輪以上の自動車)の保険料を載せておきますね。
| 加入期間 | 保険料 |
|---|---|
| 5日 | 5,090円 |
| 1ヶ月 | 5,600円 |
| 6ヶ月 | 8,660円 |
| 12ヶ月 | 12,330円 |
| 24ヶ月 | 19,520円 |
| 36ヶ月 | 26,580円 |
(参照元:自賠責保険料(国土交通省))
まとめ
いかがでしたか?
車検切れの車は、有効な自賠責保険が有るからといって公道を自由に走れる訳ではない事が分かりましたね。
改めて大枠を纏めると下記の通りになります。
- 大原則:自賠責の加入が先、仮ナンバー申請が後
- 自賠責加入パターンA:これから車検を通して乗り続ける場合(おすすめ:25ヶ月加入)
- 自賠責加入パターンB:廃車や譲渡のために移動するだけの場合(1ヶ月加入)
車検切れは非日常的な事なので、対処法を詳しく知っている人はあまり多く無いと考えられます。
ここで紹介した様なポイントを抑えて、間違っても交通違反で取締りを受けるなんて事が無い様にしましょうね。




