義歯・義足・コンタクト・補聴器などの装具の賠償金額

(この記事は約 4 分で読めます。)

交通事故が原因で、【義歯や義足・コンタクト・補聴器】などを使用せざるを得なくなった場合、これらの購入・買い替え費用は損害として認められるでしょうか?

広告
車査定

介護用品や装具の値段が争いの争点になる

冒頭で義歯や義足などは損害として認められるのか?と疑問を投げかけましたが、これに関しては損害として認められるのが普通です。

当然ですよね。

交通事故によって身体等に障害が残ってしまった場合、生活をしていく上での介護用品や装具は必要不可欠ですからその費用は問題なく認められます。

しかし、問題となってくるのは「その介護用品や装具の値段」です。

介護用品に限りませんが、機能が同じ商品であっても、サイズや色、製品の販売元のブランド力等によって値段は大幅に変わることが多いです。

機能が同じでも値段が変わる分かりやすい例

例えばですが、ブランドバッグなんかはその傾向が顕著です。

ヴィトンが公式で販売しているバッグであれば数万・数十万円の価値が有りますが、その辺の素人が作成したヴィトンの模倣品にはそんな価値は付かないでしょう。

ヴィトンの例は多少大袈裟ですが、例えば松葉杖一つとってみても素材や販売元のブランド力等によって値段は変わってきます。

また、3万円で買ったものが5年後には同じ金額であるとは限らないですし、より機能性のよい安い商品が出てくることも当然考えられます。

将来の生活に必要な介護用品や装具だからといって、無条件で購入金額を損害として認めてしまうと、ある案件では高めの介護用品と賠償額が計算されたが、あの案件では安めの介護用品で賠償額が計算されていた・・・

という感じで不当に損害賠償金額が変動してしまう可能性が有ります。

法律でどの値段のものが一般的であってどれが高級なものだと判断する基準は特に定められていないのでこういう問題が発生するわけですね。

そこで、裁判ではどのように扱われているかを以下で見ていきましょう。

(後遺障害の中でも重度後遺障害の場合の装具については、「重度後遺障害事案における装具等の紹介」で紹介しています。)

インズウェブ自動車保険一括見積もり
広告

基準や判例ではどうなっている?

交通事故損害額算定基準(青本)では装具等の取り扱いについて以下の様に記載されています。

「義足、車椅子、補聴器、入歯、義眼、かつら、眼鏡、コンタクトレンズ、身障者用ワープロ、パソコン、介護ベッド、医療器具などの購入費、処置料などにつき相当額。

ただし、将来の買替え費用については原則として、中間利息を控除する。」

上記の内容をまとめると、特徴としては以下の2点となります。

  • 装具は必要かつ相当な内容であれば損害と認められる
  • 将来の買い替え費用については中間利息を控除する。

1度装具を購入してそれが一生使えるのであれば、その時の購入金額が損害額になりますが、基本的に消耗品なので数年に1度は買い替える必要があります。

この将来の買い替え費用についても損害額として認められますが、将来分の費用も現時点で一括して支払うのが普通ですので、中間利息を控除してあげなければ正確な賠償額は算出できません。

そこで中間利息を控除した場合の買い替え費用の計算を計算例で見てみましょう。

計算例

30歳で交通事故に遭遇し、片足を失い義足をつけることになった事例。
義足の制作にかかる費用は80万円で60歳までの間6年に1度作り直すこととなった場合。

30歳80万円
36歳80万円×6年間のライプニッツ係数0.74=592,000円
42歳80万円×12年間のライプニッツ係数0.55=440,000円
48歳80万円×18年間のライプニッツ係数0.41=328,000円
54歳80万円×24年間のライプニッツ係数0.31=248,000円
60歳80万円×30年間のライプニッツ係数0.23=184,000円

合計2,592,000円

注:ライプニッツ係数については、「ライプニッツ係数とは〜中間利息控除算定時の基準係数〜」で解説しています。

判例では後遺障害の内容から個別に装具の必要性や金額を判断して結論を出しているものが多いように思います。

場合によっては中間利息を控除しないという判断もされるようです。

判例紹介

①小学生の後遺障害で将来の歩行補助具が必要となった事例。19歳になるまでは身体の成長に合わせて毎年器具を作り直す必要があるので、1年に1度購入する事を認め、70歳になるまでは5年に一度購入する事を認めた例。

②足の指に機能障害を負った女性の事例で、足関節装具代17,561円を平均余命に渡り2年毎の買い替え費用を認めた例。

③右目を失明した事例で、平均余命の間4年毎に義眼を作り替えるものとして損害額を計算したが、義眼を作り替える費用が将来的に維持されるとは言えないため、中間利息を控除しない金額で認めた例。

将来の治療費は、必要になった都度請求することも可能

裁判の場合に「将来の治療費はその都度請求する事」という判決は稀だと思いますが、示談の場合にはその辺りの取り決めは当事者双方の合意に基づいて決定されるものなので、【中間利息を控除すること無く買い替えの都度実際にかかった費用を支払ってもらう】という示談内容を主張しても問題有りません。

しかし、10年・20年経過した後に、加害者側が誠意を持って対応してくれるとは限りませんので中間利息を控除してでも現時点で一気に貰っておくほうが賢明だと思います。

広告
インズウェブ自動車保険一括見積もり
車査定

自分の自動車保険を把握!『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ

合わせて読みたい!「自分の自動車保険を把握する重要性『自動車保険』を比較・分析して賢く選ぶ!」

自動車保険は個人の年齢、自身が補いたいリスクなど、人によって様々なニーズがあると思います。ただ自身のニーズにあった商品を一社一社見ていくのも、大変な作業です!

もちろん、懇意にしている保険会社があれば、それを利用するのも手ではありますが、「合理的」「経済的」に考えたい方は、数社から見積もりを取るのが良いでしょう。

そんな時には、【一括見積り】で、自動車保険を比較し、「自分のニーズにあった商品」を見つけたり、「ある程度保険会社を絞ること」が最も効率的でしょう。

自分のニーズにあった『最安の保険会社』を簡単に見つけたい方はこちらをチェック!

『車の一括査定』提携300社以上から車を一番高く売る!無料で手間なく愛車を一括査定!

様々なところに車の査定をしても、毎回同じような点を入力したり、問い合わせるだけで結構な手間がかかるのは事実です。

懇意にしている会社があれば、そこを使用するのも良いでしょう!ただ合理的に算出して欲しい方は300社以上の企業から、見積もりを貰い、一番高いところに売る!もしくは、ある程度売却する会社を絞るのが良いでしょう。

有名店から地域密着専門店まで網羅しているので、一度ぜひ試して見て下さい。

利用実績450万人以上!複数社(提携社数300社以上)に一括査定!比較・分析して、賢く売却!

事前にチェックしておきたい「自動車保険情報」

  1. 独自分析!【2023年】自動車保険おすすめランキング
  2. 【専門家監修】煽り運転に自動車保険は適用される?煽り運転に対応するおすすめ自動車保険・ドライブレコーダーは?
  3. 【専門家・FP監修】コロナ化で外出激減!自動車保険を見直す?見直さない?
  4. 【FP・専門家監修(コメント)】『2021年版』どの燃料が安い?エコカーの制度・普及状況は?水素自動車・電気自動車・ガソリン車の最新状況について
  5. 【FP・専門家監修(コメント)】増加するウーバーイーツ配達員!知って備える⁉賠償や怪我の補償
  6. 【FP・専門家監修(コメント)】楽天損保の自動車保険!口コミ・評判・サービス概要・特徴について
  7. 【専門家の見解】雹や水没で被害!台風などの自然災害で自動車保険は適用される?
  8. 【専門家監修】車両料率クラスとは?2020年改定!自動車保険の型式別料率クラスの仕組み
  9. 【FP監修(専門家監修)】自動運転の事故の責任は誰?『自動運転』と『自動車保険』
  10. 【専門家監修】データ分析!高齢者事故の原因と時間帯は?必要なおすすめ自動車保険を解説
  11. 自動車盗難対策!盗難で自動車保険はいくら支払われる?自動車盗難の最新傾向と盗難対策をご紹介
  12. 安全運転で自動車保険がより安く!テレマティクス保険とは?メリット・デメリットを考える

乗りたい車はこれ!様々な車の情報をチェックするなら「車情報ラウンジ Car Lounge 」

出典:車情報ラウンジ「Car Lounge」

様々な車のモデル、新車情報や人気車種の情報が満載!中古車情報や車のお役立ち情報も沢山掲載されています。気になる車や様々な情報をチェックしたいなら、車情報ラウンジ「Car Lounge」をチェックしてみましょう!