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夏は車を使う機会が増えますよね。
海・山・川などのレジャーに出掛けたり、お盆休みの帰省に車を使ったり。
それゆえ、車のトラブルに巻き込まれる人も比較的多い季節です。
JAFによると8月(平成27年度)の出動件数は年間を通して2番目に多かったそうですよ。
トラブルに巻き込まれると、せっかくの楽しい気分が台無しになってしまうので、日々のメンテナンスをしっかりするようにしましょう。
この記事では、特に夏前にやっておきたい車のメンテナンスを紹介していきたいと思います。
夏によく起こる車のトラブル
夏によく起こるトラブルは以下の通りです。
- バッテリーの過放電
- エアコンの不調
- 冷却水不足によるオーバーヒート
- 室内温度上昇によるトラブル 等
こうしたトラブルに巻き込まれないように、夏を迎える前に車のメンテナンスをしておきましょう。
以下、それぞれのトラブルについて対処法を紹介していきます。
夏は消費電力が増える!車のバッテリーの点検は欠かせない
車には「エンジンを回転させる⇒発電機を動かす⇒電気をバッテリーに蓄電する⇒各電装品に電力を供給する」という仕組み・サイクルが有ります。
このサイクルがうまく回っている間は、特にトラブルが起こる事は有りません。
しかし、消費電力が発電容量を上回るとバッテリー上がりなどのトラブルが発生する可能性が高くなります。
ここで一般的な車の「発電容量」と「消費電力」を見てみましょう。
表1が発電容量に関する物で、表2が車の電装品の消費電力に関する物です(出典:JAF)。
■表1 一般的な車の発電容量
■表2 車の電装品の消費電力
リアデフォッガー:リアガラスの曇りを除去する為の電熱線
エアコンの消費電力が物凄く高い事が分かりますね。
軽自動車ならエアコンだけで発電容量の約3割~5割を占めています(最高風力の場合ですが)。
また、車には上記の電装品以外にもたくさんの電装品が有り、電力を消費します。
暑い夏にはエアコンの使用頻度が増えるので、どうしても消費電力は増えてしまいます。
そしてバッテリーに蓄電されている電力を使い果たすとバッテリー上がりを起こしてしまうんです。
もちろんバッテリーに十分な電力が蓄電されていれば大丈夫です。
しかし、バッテリーが古かったり弱っていると蓄電容量自体が少なくなっているので、バッテリー上がりを起こしやすくなります。
そのため、電気使用量が増加する夏に備えてバッテリーの点検をしておきましょう。
バッテリーの電圧を点検
バッテリーの寿命を知る有効な方法は“電圧の測定”です。
ただ方法も知らないし知識も無い人が多いと思います。
そのため、ガソリンスタンドなどで給油のついでに測定してもらいましょう。
自分でバッテリーの電圧をチェックしたい人には、「シガー挿込 デジタル表示【電圧計】 ボルテージメーター」がオススメです。
使い方は非常に簡単です。
車のシガーソケットに挿し込むだけ。
表示された数値でバッテリーの電圧を知る事が出来ます。
表示される電圧の判定基準は以下の通りです(エンジン始動前)。
- 正常・・・12V以上
- 寿命(可能性が高い)・・・12V未満
電圧を測定して12V未満と結果が出た場合は、バッテリーの交換を検討しましょう。
その他バッテリーの寿命を知る方法
電圧測定以外にバッテリーの寿命を知る方法は以下の通りです。
- ライト類が暗い
- 走行中と停車中でライトの明るさが違う
- パワーウィンドーの作動が遅い
- エンジンがかかりにくい 等
これらの症状が有る場合はバッテリーの寿命が近くなっている可能性が高いです。
カー用品店などに行って、電圧を測定してもらって、その結果を考慮しつつバッテリーの交換を検討して下さい。
エアコンが効かない!?暑い夏が来る前に点検を
基本的に車のエアコンは夏にならないと利用しませんよね。
そのため、エアコンが故障していても気付けないんです。
故障に気付くのはあつ~い夏になってから・・・。
まさに地獄です。
こういった事態にならないように、夏が来る前にエアコンが効くかどうかを試しておいた方が良いでしょう。
エアコンが効かない原因
車のエアコンの仕組みを簡単に説明すると、エアコンガスが「コンプレッサー⇒コンデンサー⇒レシーバ⇒エキスパンションバルブ⇒エバポレータ」の順に移動していく中で「気体から液体へ」「液体から霧状へ」そして「霧状から気体へ」と変化していき、最後の霧状から気体へ変化する過程で気化熱を利用してエバポレーターを急激に冷やし、エバポレーターに車内に送る風を当てる事で冷たい風を作り出します。
そして、気体になったエアコンガスはコンプレッサーへと戻り、上記の過程を繰り返します。
これが車のエアコンの仕組みです。
(出典:トヨタ自動織機)
このように車のエアコンは様々な装置から構成されています。
そのため、エアコンが効かない原因と言っても下記のように様々な原因が考えられます。
- エアコンガスの不足又は漏れ
- コンデンサー(ファン)の故障
- コンプレッサーの故障
- エバポレーターの汚れ 等
このように色々とエアコンが効かない原因が考えられるので、素人では故障の原因を判断する事は非常に難しいです。
そのため「エアコンの効きが悪い」又は「エアコンが効かない」場合は、ディーラーなどで点検・修理してもらいましょう。
冷却水不足はオーバーヒートの原因
冷却水の最も重要な役割はエンジンを冷やす事です。
エンジンはガソリンを燃焼させているので非常に熱くなっています。
ある程度の熱は必要ですが、熱すぎるとそのうちエンジンがオーバーヒートを起こしてしまいます。
■オーバーヒートの症状
- 初期症状・・・加速やエンジン回転数が不安定になる
- 中期症状・・・エンジンから水蒸気が発生し、キイキイと異音がする
- 末期症状・・・エンジンの停止
気温の高い夏は冷却水の水温も高くなりやすく、オーバーヒートを起こす可能性がどの季節よりも高くなります。
冷却水が不足しているとなおさらです。
オーバーヒートを起こすと、最悪の場合、エンジン自体がダメになってしまうので、夏前にしっかりと冷却水の点検をしておきましょう。
エンジンオイルにもエンジンを冷やす役割が有ります。
そのため、エンジンオイルの交換もお忘れなく。
冷却水の量の確認方法-色もチェックしよう
冷却水の量はエンジンルーム内に有るリザーバータンクで確認出来ます。
リザーバータンクの側面には「MAX」「MIN」(又は「FULL」と「LOW」)という表示が有るので、冷却水の液面が「MAX」と「MIN」の間に有る事を確認して下さい。
車体を少し揺らすと分かりやすいでしょう。
もし液面が「MIN」のラインよりも低かったら冷却水を補充して下さい(MAXよりも高い事はまず無いと思います)。
冷却水の確認は走行前に行って下さい。
走行後だとエンジンルーム内が熱くなっているので危険です。
冷却水の液面を確認するついでに色も確認しておきましょう。
冷却水の色は透明感の有る赤・緑・青の場合が多いです。
もし以下のように変色している場合は交換して下さい。
- 濁りが有る・・・劣化している可能性が高い
- (赤)茶色に変色・・・錆が混ざっている
(赤)茶色に変色している場合は、冷却水の水路に既に錆が発生している証拠です。
冷却水の交換だけでは改善されないので、ディーラー等に相談して下さい。
冷却水(LLC)の補充-濃度は?水でも大丈夫?
冷却水の液面が「MIN」を下回っていたら、冷却水を「MAX」まで補充しましょう。
原液のLLCを水で薄めて補充するか、既に薄めてある補充用のLLCを補充します。
LLCとはロングライフクーラントの略で、防腐・防錆・不凍などの役割を果たします。
特に不凍の効果はLLCの濃度によって変化します。
LLCの濃度をどれくらいにするのか?については、住んでいる地域の冬の最低気温を基準にします。
LLCの濃度が高ければ冷却水は凍りにくくなり、逆に濃度が低ければ冷却水は凍りやすくなります。
以下にあるLLCの「濃度」と「不凍温度」の関係を載せておくので参考にして下さい。
濃度 | 不凍温度 |
---|---|
25% | -11度 |
30% | -15度 |
35% | -18度 |
40% | -24度 |
45% | -29度 |
50% | -35度 |
55% | -42度 |
60% | -50度 |
LLCの商品によって若干異なります。
なお、濃度が高いほど冷却作用は低下するので注意して下さい。
さてLLCを使用せずに「水」だけでも良いのでは?という疑問を持っている人もいますよね。
結論としては水だけを使用するのは良く有りません。
LLCを混ぜるようにして下さい。
ただし応急措置として水を使用するのは構いません。
水だけでダメな理由は「腐る」「錆びる」「凍る」からです。
LLCの効果が水には無いわけですから当然ですよね。
冷却水を補充しても減る!漏れている可能性が高い
冷却水は基本的に全ての装置が正常で有れば減る事は有りません。
そのため、冷却水を補充してもすぐに減ってしまう場合は、どこかから漏れている可能性が高いです。
停車している地面にLLCの色の付いた液体が付着している場合は、冷却水が漏れていると判断しても良いでしょう。
このためにLLCには目立つ着色が施されています。
冷却水が漏れているのを発見したら、ディーラー等に車を持ち込んで点検してもらってくださいね。
夏の停車中の車内温度の上昇を防ぐ対策も
夏に乗車しようとしたら、車内があまりにも高温になっていて、乗り込むのを躊躇した経験をした事が有る人は多いのではないでしょうか?外にいるのも暑いし、車内も暑いし・・・嫌ですよね。
そこで車内温度の上昇を防ぐ対策について紹介したいと思います。
車内の温度はどれくらいになる?
実際、夏場に停車していたら車内温度はどれくらいになるのか?これはJAFが実験をしているので、その結果をこちらで紹介させてもらいます。
実験内容は条件の異なる5台を炎天下(気温35度)に4時間放置した時の車内温度を測定するといったものです。
条件の違いは以下の通りです。
- ① 黒の対策無しの車
- ② 白の対策無しの車
- ③ サンシェードを装着した車
- ④ 窓を3cm開けた車
- ⑤ エアコンを作動した車
気になるのは①~③の結果ですね。
早速結果を見てみましょう。
条件 | 車内最高温度 | 車内平均温度 | ダッシュボードの温度 |
---|---|---|---|
① | 57度 | 51度 | 79度 |
② | 52度 | 47度 | 74度 |
③ | 50度 | 45度 | 52度 |
④ | 45度 | 42度 | 75度 |
⑤ | 27度 | 26度 | 61度 |
何も対策をしなければ、車内温度は50度前後まで上昇している事が分かります。
さらにダッシュボード付近の温度は80度近くまで上がっています。
おそらくハンドルも同じくらい熱くなっているでしょう。
そして気になる「③サンシェードを装着した車」ですが、ダッシュボードの温度を下げる効果は有ったようですが、車内温度を劇的に下げる効果はあまりなかったようです。
対策をしていない車よりはマシといった感じですね。
ただし、ダッシュボードの温度を下げる効果を鑑みれば、日差しの角度を考えて運転席の窓などにもサンシェードを装着すれば温度上昇を防げるはずです。
吸盤で横の窓にも装着出来るサンシェードが販売されているので良ければ利用してみて下さい。
車内温度をぐっと下げる技
とりあえず全てのドア、なんならトランクも開けて車内の温度を下げようとした事が有る人は多いはずです。
時間が経てば外の気温と同じくらいにはなるでしょう。
しかし、あまり効率の良い方法では有りません。
そこで短時間で車内温度を下げる方法を紹介したいと思います。
■① ドアと窓を使う方法
まず、助手席側の窓だけを開けます。
次に運転席側のドアを5・6回ほどバタバタと開け閉めを繰り返します。
すると、車内の熱気が効率よく外に押し出されるので、瞬時に外気温と同じくらいの温度になります。
■② 走行+エアコンの外気導入を利用する方法
考え方は①の方法と同じで、車内の熱気をうまく外に出す方法です。
手順としては以下の通りです。
- ① 全ての窓を全開にしながら走りだします
- ② ①と同時にエアコンを外気導入に切り替えます(当然エアコンは風力MAX・温度はLO)
- ③ 2分ほど経過したら窓を閉めて、エアコンを内気循環に切り替えます
③の工程に移る頃には外の温度と同じかそれ以下となっています。
駐車場で1人でドアをバタバタするのが恥ずかしいと感じる人は、是非この方法を試してみて下さいね。
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