自動車保険見直しガイド
交差点での交通事故

交差点での交通事故

無保険車傷害保険(特約)とは、交通事故で自分や家族・搭乗者が「死亡又は後遺障害」を負ったが、交通事故の相手方から十分な賠償を受けられない場合に、保険金が支払われる保険です。

十分な賠償を受けられない代表的な事例は、保険の名称にも有るように「無保険車」との事故です。

無保険車とは、この場合任意保険に加入していない車を指します。なお、自賠責保険に加入していない車との事故も補償されます。

任意保険に加入している人からすると「無保険車なんて実在するの?」と思うかもしれませんが、2016年3月時点で約12%もいるんですね。10台のうち1台が無保険車という計算になります。

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その他にも無保険車傷害保険が適用されるケースはいくつかあります。そう考えると、無保険車傷害保険は必須の補償に思えますよね。

そこで今回は、無保険車傷害保険について紹介します。なお、「無保険車傷害保険って必要なの?」という疑問は、基本的に考えるだけ無駄です。なぜなら、ほぼ全ての保険会社が自動付帯させているからです。

そのため、無保険車傷害保険がどのような場合に適用されるのか、どのような補償内容なのか、という点を重点的にチェックしておきましょう。

無保険車傷害保険が適用される4つのケース

無保険車傷害保険が適用される主なケースは、以下の4つです。

  • 事故相手が無保険車だった場合
  • 事故相手の対人賠償保険の保険金額が少ない場合
  • 事故相手は任意保険に加入しているが、保険が適用されない場合(運転者限定条件や年齢条件などが原因)
  • ひき逃げに遭った場合

事故相手が無保険車だった場合

事故現場に到着した緊急車両

事故相手が任意保険に加入していなくても、自賠責保険から補償を受けられますが、この自賠責保険には保険金の限度額が設定されていて、死亡事故や後遺障害を負う事故の場合には、基本的に自賠責保険だけでは十分な賠償を得る事は出来ません。

自賠責保険の支払限度額

こうした場合に、足りない賠償額に対して無保険車傷害保険から補償を受けられます。

冒頭で紹介したように、任意保険の未加入率は約12%です。この数値からすると、任意保険未加入者との事故は有り得ない話ではありません。

事故相手の対人賠償保険の保険金額が少ない場合

小銭の上に置かれた車

ほとんどの人が対人賠償保険を無制限に設定して任意保険に加入していると思いますが、中には限度額を設定している人もいます。

このような人が事故相手となってしまうと、たとえ対人賠償保険に加入していたとしても、十分な賠償を得られない可能性が有ります。

というのも、死亡又は後遺障害を負った場合には損害賠償額が1億円近くになる場合が多いからです。場合によっては数億円になる事も有ります。

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ちなみに、損害保険料率算出機構によると、2016年3月時点で対人賠償保険に限度額を設定していた人の割合は約0.5%です。内訳は以下の通りです。

  • 2,000万円まで・・・0.2%
  • 2,000万円~5,000万円・・・0.1%
  • 5,000万円~1億円・・・0.2%
  • 1億円超・・・0.004%

任意保険に加入している人のうち99.5%の人が、無制限の対人賠償保険に加入しているので、このケースで無保険車傷害保険が適用されるのは稀かもしれませんね。

事故相手は任意保険に加入しているが、保険が適用されない場合

みなさんご存知の通り、任意保険を契約する際に「運転者限定条件」や「年齢条件」を設定しますよね。これらの契約条件は、うまく利用すれば保険料の節約が出来ますが、適切に設定しないと条件外の人が起こした事故の補償を受けられなくなります。

もし、事故相手が運転者限定条件又は年齢条件に合致していない場合には、相手が任意保険に加入していたとしても、無保険車との事故と同様の事態に陥ってしまいます。

無保険車傷害保険で補償されますが、こういったケースを反面教師にして、ご自身の契約条件が適正になっているかどうかチェックしておきましょうね。

8月のカレンダーと車

なお、契約条件に合致しない事故のケースがどれくらい有るかは不明ですが、発生しやすい時期は子供が実家に帰省するお盆や年末年始です。契約条件を変更しないまま、親の車を運転する可能性が有りますからね。

無保険車傷害保険で補償されるとしても、これらの時期は、より慎重に運転した方が良いでしょう。

ひき逃げに遭った場合

パトカーから逃げる車

通常、損害賠償は交通事故の相手に請求します。しかし、ひき逃げの場合は請求する相手が不明なので、加害者が見つからない限り、十分な賠償を得る事が出来ません。

こうしたケースでも無保険車傷害保険が適用されます。

なお、自賠責保険の限度額までは、政府保証事業により補償を受ける事が出来ます。

政府保障事業は「ひき逃げ」や「無保険車との事故」でも補償してくれる最終手段

無保険車傷害保険(特約)の補償内容

それでは、無保険車傷害保険の補償内容について見ていきましょう。

まずは補償対象となる人の範囲から。内容は以下の通りです。

  • 1.記名被保険者
  • 2.記名被保険者の配偶者
  • 3.1と2の同居の親族
  • 4.1と2の別居の未婚の子
  • 5.事故時に契約車両に同乗していた他人

補償される事故の範囲

歩行中の事故

契約車両に搭乗中の事故のみを無保険車傷害保険の補償対象事故としている会社が多いです。

ただ、保険会社によっては、「他車に搭乗中の事故」「歩行中の事故」も補償対象としている場合が有りますので、一度自分が契約している保険会社へ確認してみてください。

「他車搭乗中の事故」「歩行中の事故」の補償対象者は被保険者とその家族だけです。

補償限度額

保険会社によっても異なりますが、以下のいずれかに設定している保険会社が多いです。

  • ①無制限
  • ②2億円
  • ③対人賠償保険の保険金額

99.5%の人が対人賠償保険の保険金額を無制限に設定しているので、実質的には「①無制限」又は「②2億円」のどちらかとなるでしょう。

「2億円では心もとない・・・」と感じる人もいるかもしれませんが、2億円を超える賠償命令は中々出るものでは有りません。なので、限度額に関してそこまで心配する必要は有りません。

もし、それでも不安が残るのであれば、限度額無制限の保険会社と契約するにようにしましょう。

無保険車傷害保険金額を「無制限」としている保険会社は?

無制限

主な保険会社の補償限度額及び付帯条件(自動付帯かオプションか)は以下の通りです。

最終更新日:2017年5月17日

保険会社補償限度額付帯条件
ソニー損保無制限自動付帯
セゾン自動車無制限自動付帯
損保ジャパン無制限自動付帯
三井住友海上2億円自動付帯
チューリッヒ2億円自動付帯
アクサダイレクト2億円自動付帯
イーデザイン損保2億円自動付帯
三井ダイレクト2億円自動付帯
SBI損保2億円自動付帯
共栄火災2億円自動付帯
東京海上日動2億円自動付帯
三井住友海上2億円自動付帯

無保険車傷害保険の限度額を無制限にしている保険会社は、ソニー損保やセゾン自動車火災保険、損保ジャパン日本興亜などです。どうしても無制限が良い!という人は、これらの保険会社から選んでくださいね。

なお、当サイトで紹介している22社のうち21社で無保険車傷害保険が自動付帯となっています。残りの1社である「あいおいニッセイ同和損保」でも、人身傷害保険によって2億円まで補償されます(人身傷害保険の保険金額が無制限の場合は無制限)。

ただし、AIU保険などの一部の保険会社では、人身傷害保険の付帯が無保険車傷害保険の付帯条件となっている会社も有りますので、念の為自分が加入している保険会社の約款を見て、確認しておきましょう。

必要性を考える必要なし!無保険車傷害保険は自動付帯の補償

上記のように、ほぼ全ての保険会社が無保険車傷害保険を自動付帯にしています。そのため、その他の特約のように、保険料やリスクなどを考慮して、付帯の必要性を考える必要は有りません。

無保険車傷害保険と人身傷害保険の関係

交通事故の治療費

無保険車傷害保険も人身傷害保険も「自分や家族のケガ」を補償してくれる保険であり、両者は非常に似ています。しかし、人身傷害保険は過失の有無を問わない保険であるのに対して、無保険車傷害保険は過失が有るとその分保険金は減額されます。

また、人身傷害保険は「傷害」のみの場合でも補償してくれますが、無保険車傷害保険は「死亡」「後遺障害」の場合にしか補償してくれず、完全に治療可能な傷害事故は補償対象外となっています。

人身傷害補償保険(特約)のメリット~これが有れば過失が有っても大丈夫!

ちなみに、どちらもノーカウント事故に該当するので、保険を使用しても翌年度の等級は下がりません。

保険金支払の優先順位と具体例

電卓と車

人身傷害保険を付帯している場合には、無保険車傷害保険に優先して、人身傷害保険から保険金が支払われます。そして、人身傷害保険でも足りない部分が有れば、無保険車傷害保険がカバーするという形が一般的です。

事例で見てみましょう。

■前提
損害認定額:1億円
人身傷害保険金額:5,000万円
過失割合:加害者10割
被害者状態:死亡

上記のような前提の元で、加害者が任意保険未加入で、自賠責保険にしか加入していない場合を考えてみましょう。

まずは、自賠責保険から3,000万円が支払われます。しかし、「1億円-3,000万円=7,000万円」が不足していますよね。この不足している部分は、まず人身傷害保険から支払われます。

人身傷害保険では、既に支払われた自賠責保険部分を差し引くので「2,000万円(5,000万円-3,000万円)」が支払われます。残りは5,000万円。この5,000万円が無保険車傷害保険から支払われる部分になります。

まとめ

無保険車傷害保険は、事故の相手が任意保険に未加入の場合など、契約者が損害賠償を十分に得られない事故の際に補償してくれる特約です。補償限度額は無制限又は2億円となっている事がほとんど。

また、どの保険会社でも自動付帯される保険です。

ただし、被った損害が「死亡」又は「後遺障害」の場合のみしか補償されません。そのため、軽度な事故も補償されるように、なるべく人身傷害保険は付帯しておいた方が良いでしょう。

なお、無保険車”傷害”保険ですので、対物賠償に関しては一切補償されません。車の損害については、自らの車両保険を使って修理する事も出来ますが、等級が3つ下がってしまう点には注意が必要です。

この点については、契約している保険会社や弁護士費用特約を利用して弁護士に相談するようにしましょう。

ちなみに、こちらの過失が0%の場合は「無過失事故特約」が適用されて、車両保険を使用しても等級が下がる事は有りません。その点も含めて保険会社に相談して下さいね。

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