自動車保険見直しガイド
ノーロス・ノープロフィットの原則

自動車事故で被害者が無くなった場合の損害額(損害賠償の額)の計算基礎は

の3つの合計で計算されます。今回は自賠責保険の基準に則って計算例などを紹介しますが任意保険の場合も弁護士会基準の場合も同じようにこの3つを元に損害額を計算していきます。

ただ自賠責と任意保険・弁護士会基準では金額が異なってきますけどね。

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逸失利益の計算方法

逸失利益は名前のように被害者の人がその自動車事故で亡くならなければ今後どの程度の所得を得られたかを表す金額です。基本的には計算式に則って画一的に計算されますが裁判などでは被害者の特殊性等に応じて柔軟に金額は計算されるようです。

計算式は以下のようになっています。

逸失利益=(年間収入額ー生活費)×死亡した年齢の就労可能年数のライプニッツ係数

年間収入額

サラリーマンの方であれば賞与等の臨時給与も含み、個人事業主であれば事業から得られた収入から必要経費を差し引きます。個々人の状況に応じた年間収入額の算定についてもう少し詳しく知りたい方は下記記事をご参照下さい。

参考記事:「こんな場合の年間収入額はどうやって計算する?」

生活費

生活費は差し引きます。生活費を差し引かずにそのまま収入額にライプニッツ係数をかけてしまうと貰いすぎになってしまうからです。考え方としては被害者の方が生きていたらその分可処分所得は少なくなるので生活費は引いておきましょうね。という感じです。

ただ具体的にその人の生活費を算定するのも困難なので通常は「生活費控除割合」を乗じることにより算定されます(委細後述)

ライプニッツ係数

逸失利益はその人が生きていたら得られたであろう利益。裏を返せば家族にとっては損害と言えます。そしてこれを現時点で一時金で支払う事となるため現在価値に置き換えるために中間利息を控除して挙げなければなりません。

そしてこの損害額を一時金として現在価値に戻す計算方式(福利複式で算定)をライプニッツ方式と呼び、利率は民法404条で規定されている年5%を使用します。この計算を簡略化するために使われる係数がライプニッツ係数です。

第404条
利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。

出展:http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC404%E6%9D%A1

管理人注:個人的に中間利息を5%で計算するのはやり過ぎなのでは?と思いますが民法及び慣例でこうなっているので仕方ないと考えなければなりません・・・・。


ライプニッツ係数に関しては下記国土交通省のPDFファイルを参照して下さい。

就労可能年数とライプニッツ係数 | 国土交通省

慰謝料の計算方法

慰謝料の計算方法は以下のようになります。

■本人への慰謝料■

350万円(固定)

■遺族への慰謝料■

請求権者が1人の場合・・・550万円
請求権者が2人の場合・・・650万円
請求権者が3人以上の場合・・・750万円

被害者に被扶養者がいる場合には上記(遺族への慰謝料)に200万円が加算されます。

請求権者には以下のものが該当します。

・被害者の父母
・配偶者
・子供

また更に養父母、内縁の配偶者・胎児や養子、認知した子供も請求権者に該当します。要は被害者と実質的に家族関係がある場合には慰謝料の請求を認めてくれるということです。この辺りは遺族への配慮がしっかりとなされていると思います。金額は別として・・・。

葬儀費の計算方法

葬儀費は60万円です。60万円を明らかに超える場合には証拠証憑を見せることで100万円以内の妥当な金額までなら認められると言われています。

葬儀費に含まれるもの

通夜・告別式などの葬儀にかかる費用や初七日追善供養・祭壇・仏具・火葬・埋葬・石塔または墓石に要する費用

葬儀費に含まれないもの

墓地・永代供養・年忌供養・香典返し等

損害額の算定方法に関しては国土交通省の下記資料も参照して下さい。

参考:http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf

計算実例~実際に計算してみよう~

計算前提

被害者:35歳男性サラリーマン
被害者の家族構成:妻一人、子供一人

の場合。


復習になりますが自賠責基準での損害額の計算は①逸失利益②慰謝料③葬儀費からなります。

■逸失利益■

421,300円×12ヶ月×(1-0.35)×15.803=51,931万円

1万円以下端数切り上げで51,931万円としています。

421,300円は35歳男性の場合の平均月額給与です。
参考:全年齢給与月額と年齢別平均給与額 | 金融庁

もちろん亡くなられた方の収入が上記表よりも多いことを証明できる場合にはそちらで計算がされます

(1-0.35)は生活費の控除ですね。被扶養者がいる場合には控除割合は35%、被扶養者がいない場合には50%なので0.5が引かれます。

15.083は35歳の場合のライプニッツ係数になります。

■慰謝料■
1,200万円

本人慰謝料350万円、遺族への慰謝料2人の場合650万円、被扶養者有りの加算金200万円の合計。

■葬儀費■
60万円

これは説明不要ですね。

■合計値■

51,931万円+12,000万円+60万円=63,991万円

自賠責の基準ではこの前提の被害者の方が亡くなった場合には63,991万円が損害額として算定されます。但し自賠責の対人補償金額は最大3,000万円ですので残りの33,991万円に関しては任意保険から支払われます。

反対に言えば、任意保険に入っていない場合には3,000万円を超える損害額が計算されたとしても自賠責保険の満額分3,000万円分しか支払われないことになります。

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