【専門家監修】車両保険の無過失事故特約とは?

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車と車の追突事故

無過失事故特約に限った話ではありませんが、特約の名称からだけでは内容(補償範囲や適用シーンなど)や付帯の必要性を理解・判断するのは難しいですよね。

「無過失事故特約ってどんな特約なの?」
「無過失事故特約って付帯する必要があるの?」

このような疑問を持っている方が多いのではないでしょうか?

何も分からないまま無過失事故特約を付帯して、結局役に立つ事が無かった・・・。このような保険料の支払いが無駄になる事態は、避けたいですよね。

そこで、今回は無過失事故特約の補償内容や適用範囲、そして付帯の必要性などについて見ていきたいと思います。

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無過失事故特約とは~車両保険の使用による等級ダウンを防止~

車両保険の無過失事故特約とは、車両保険を利用して車を修理したとしても、無過失事故特約が適用される事故に限っては、翌年度の等級ダウンを防いでくれる特約です。もちろん、事故有係数も適用されません。

等級が下がれば翌年の保険料がグッと高くなる

通常、車両保険を使うと、事故の内容によって等級が1等級又は3等級ダウンします(1等級ダウン事故の内容3等級ダウン事故の内容)。

さらに、事故有係数が適用されるので、ノンフリート等級制度における通常の割引率よりもかなり低い割引率になります。割引率の下げ幅は約20%です。

つまり、無過失事故特約のメリットは、車両保険を使っても「ノーカウント事故」として処理され、翌年以降の保険料の値上げを防いでくれるんですね。

ただし、どんな事故でも無過失事故特約が適用されるわけではありません。

車両保険の無過失事故特約が適用される事故の範囲

追突事故

無過失事故特約が適用される事故とは、「車対車の事故(*1)」で、契約者に過失が無い事故の事を指します。具体的には、以下の様な事故の場合ですね。

  • ①走行中に追突された
  • ②相手車両がセンターラインをオーバーして衝突した
  • ③相手車両が赤信号を無視して突っ込んできた
  • ③駐停車中に衝突・接触事故が起こった

*1 相手の車が原付きであっても補償されます。また、車対車の事故に限定されているので、自損事故や飛び石・いたずらなどの場合は適用不可です。

「え?こっちに過失が無いなら、加害者の任意保険から全額車両の修理代も出るんじゃないの!?」と、思った人もいるかもしれませんね。

確かに、加害者が任意保険に入っていれば、相手の損保から賠償金が支払われるので、こちらの車両保険を使う必要は有りません。こちらは無過失ですから「相手方の対物賠償保険」から修理費用を保険金で払ってくれるでしょう。

お金

しかし、事故の相手が必ず任意保険に加入しているわけでは有りません。法律で加入が義務化されている自賠責保険とは違い、任意保険への加入はあくまで”任意”です。任意保険未加入の車も少なからず公道を走行しているのです(加入率については後述)。

なお、自賠責保険は対人補償に限定された保険なので、対物に関する保険金は一切支払われません。

自賠責保険とは~補償範囲が対人に限定された強制保険

追突事故で揉めている運転手

仮に、事故の相手方が任意保険に入っていなければ、車両の修理費用を相手に直接請求する事になります。裁判をするにしても時間と労力がかかりますし、非常に面倒です。

自分の車両保険を使えば、車の修理代金は出ますが、そのせいで翌年度の等級が下がり、保険料も高くなってしまいます。自分に全く過失が無いにもかかわらずです。

このような場面を「車両保険の無過失事故特約」は想定しているんですね。無過失事故特約があれば、車両保険を使ってもノーカウント事故として処理されるので、理不尽な理由で「翌年度の保険料が上がる」という事態を避ける事が出来ます。

無過失事故特約は「任意保険未加入者への備え」という側面も有るんですね。

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【注意点】当て逃げは対象外

注意点

無過失事故特約を付帯する上で、押さえておきたい注意点を以下にまとめておきます。

  • ①相手方の氏名・住所及び車の情報が分かっていないと使えない⇒従って、当て逃げされて犯人が見つかってない場合は、利用できません。
  • ②「車両新価特約」など別の車両保険に関するオプションから保険金を受け取る場合には使えない⇒等級ダウンします。
  • ③「次年度の継続契約」を利用条件に掲げている保険会社も有る(*)⇒この場合、保険会社を変更すると等級ダウン。

* たとえば、イーデザイン損保では等級が下がる事無く、他社に等級が引き継がれます。一方、セゾン自動車火災や三井住友海上では、翌年に保険会社を変更すると、等級が下がります。

この点については、保険会社によって取扱が異なるので契約前に確認するようにして下さいね。

無過失事故特約は必要か?「任意保険の加入率」と「追突事故等の発生件数」を参考に

疑問を感じるドライバー

さて、無過失事故特約の内容について見てきましたが、この特約の必要性についてどう感じたでしょうか?

個人的な意見としては「強くオススメする特約ではないかなぁ」という感じです。なぜなら、前述したように適用される事故・相手が限られているからです。どのような事故でも等級ダウンを防げるのなら、必ずつけておきたい特約になるんですけどね。

かといって、不要な特約と言い切る事もできません。追突事故などの無過失事故特約が適用できる交通事故は実際に発生していますし、また任意保険未加入車も少なからず公道を走行しているからです。

そこで、無過失事故特約の付帯の必要性を判断しやすいように、「任意保険(対物賠償保険)の加入率」と「追突事故等の発生件数」について見てみましょう。

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任意保険(対物賠償保険)の加入率は約87.9%

車と円グラフ

2016年3月末時点での任意保険の対物賠償保険への加入率は「約87.9%(損保・共済合算)」です(任意保険の加入率データ)。つまり、公道を走っている車のうち「約12%」は任意保険未加入のまま、走行しているのです。

台数にして約10台に1台は任意保険に加入していない事になります。

ちなみに、任意保険未加入率「約12%」という数値は全国平均の数値です。都道府県別に見てみると、その数値に若干違いが生じます。以下に都道府県別の加入率も表示しておくので参考にして下さい。

順位未加入率が低い
都道府県
未加入率が高い
都道府県
1位富山県(8.2%)沖縄県(23.2%)
2位香川県(8.7%)鹿児島県(18.6%)
3位愛知県(8.9%)山梨県(16.8%)
4位島根県(9.1%)宮崎県(16.4%)
5位石川県(9.1%)茨城県(15.9%)

追突事故の発生件数は毎年約20万件

警察庁によると、平成28年における無過失事故特約が適用される「追突事故」「信号無視による事故」及び「駐車車両との事故」の発生件数は、それぞれ以下の通りです。

事故の種類発生件数
追突事故184,567件
信号無視による事故14,110件
駐車車両との事故832件
合計199,509件

なお、センターラインオーバーによる事故件数は、データとして表示されていなかったので、ここでは省略させていただきます。

無過失事故が適用される可能性のある事故は、年間約20万件も発生しているんですね。平成28年に発生した全ての事故件数(単独事故や人と車の事故も含め)が約50万件なので、割合としては40%を占めている事になります。


では、ここで一旦データを整理しましょう。

  • 任意保険未加入者の割合・・・12%
  • 追突事故等の発生件数・・・20万件
  • 全事故件数に対する追突事故件数の割合・・・40%

これらのデータから、事故の相手が任意保険未加入者であり、かつ無過失事故特約が適用される事故である確率を「任意保険未加入率×事故発生割合」という単純計算で求めると、「4.8%」になります。

:この計算はあくまで単純計算で有り、また全ての追突事故等で被害者の過失が0%になるわけでは有りません。そのため、厳密に計算すると確率はもっと低くなると思います。

車の前で考える女性

いかがでしょうか?

無過失事故特約が適用される確率を「高い」又は「低い」と判断するのは、個人の判断に委ねたいと思いますが、ゼロではないという事は誰もが判断できる所でしょう。

無過失事故特約の必要性について悩んでいる人は、上記のデータを参考として利用して下さいね。

ちなみに、保険会社によっては「自動付帯」されている場合も有るので、付帯について考える前に、無過失事故特約が「自動付帯」なのか「オプション」なのか、そもそも取り扱っているのか、をチェックしておきましょう。

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無過失事故特約を取り扱っている保険会社一覧

現時点で「無過失事故特約」を扱っている保険会社は以下の通りです。

最終更新日:2017年5月12日

保険会社付帯内容
イーデザイン損保自動付帯
セゾン自動車自動付帯
損保ジャパン日本興亜自動付帯
セコム損保自動付帯
そんぽ24自動付帯
日新火災自動付帯
富士火災自動付帯
三井住友海上オプション
あいおいニッセイ同和損保オプション
東京海上オプション
共栄火災オプション
マイカー共済オプション
朝日火災オプション

表中「自動付帯」と書いてありますが、車両保険を契約している場合に自動付帯される、という意味です。また、オプションとしている保険会社の場合には、車両保険を契約する事が無過失事故特約の付帯条件となります。

専門家からのコメント

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中村 傑 (Suguru Nakamura)

大垣共立銀行を退職後、東京海上日動火災保険に代理店研修生として入社。研修期間を経て、2015年に独立開業。2020年に株式会社として法人成り、現在に至る。家業が自動車販売業であり事業承継者でもある。車と保険の両方の業務を兼務しており、専門領域が広い事が強み。(中村 傑(Suguru Nakamura) ブログ

  • コメント

こちらの記事について、実務面から補足説明させて頂きます。

私のお客様でも実際に無保険車に追突された事案が半年ほど前にあり、無過失特約を使用して対応させて頂いた事案がありました。

自動車保険を契約されていない方には、無保険を選択された何らかの理由があるとは思いますが、多くの理由で「金銭的に余裕がない事」があると思います。事実、追突したお相手の方も、金銭的な理由で自動車保険を加入していない方でした。

私のお客様と事故対応の打ち合わせをした結果、本来であれば(お相手が自動車保険を契約していれば)、相手側の自動車保険で対応すべき事案ですが、お客様の車両保険(車両無過失特約)を使用して対応しました。

この事例では、「支払意思」と「支払能力」は全く別の所にある事を深く感じました。お相手の方は、事故当初から支払意思は明確にあるものの、支払能力は無く、銀行のローンで資金を融通しようとしましたが、ローンも否決となったと担当者から後から聞きました。

無過失特約が無ければ、車両保険を使用して等級ダウンとなるか、お相手と直接交渉して修理代金を回収するか、弁護士特約を使用して訴訟するか、の選択肢しかありません。

無過失特約をこの様な形で使用して対応をした事は初めてですが、良い学びとなった事案でした。

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まとめ

無過失事故特約に関するポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • ① 【効果1】車両保険の使用による等級ダウンを防止
  • ② 【効果2】事故相手が任意保険未加入でも保険料の値上げを気にする事なく車両保険を使用して修理できる(任意保険未加入者は約12%)
  • ③ 【適用される事故】契約者の過失が0%になる事故(追突事故や相手の信号無視など)

無過失事故特約は【効果1】と【効果2】のようなメリットも有りますが、適用される場面が限定されてしまっている点を考えると、是が非でも付帯しておきたい特約とは言えません。

将来使用するかどうか分からない特約の付帯について悩むより、契約内容の見直しなどを行って、今の保険料の節約を考えた方がはるかに経済的・時間的に効率が良いと思いますよ。

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